Jupiter Conference 2009/9/5-6 木星会議 (世界天文年2009公認イベント)

【第33回・木星(観測者)会議 in 東京・2009の報告】 


2009年9月5日(土)・6日(日)
会場:国立科学博物館新宿分館 大講堂            
主催:月惑星研究会          
後援:東亜天文学会          
 

第1日目: 9月5日(土)




受付と小石川正弘氏

会場風景

総合司会: 鈴木達彦氏


総合司会鈴木達彦氏挨拶

1 科学博物館よりご挨拶 (西城 恵一氏)


科学博物館挨拶 西城恵一氏

2 開会の挨拶      (石橋 力氏)

今年の木星会議は、ガリレオが木星を初めたくさんの天体に望遠鏡を向けた世界天文年の記念すべき年に行われる。今回は英国からロジャース博士をお招きし、記念後援をして頂くことになった。木星の勉強ができるものと期待している。

開会挨拶 石橋 力氏

3 遠方からの参加者の紹介

4 特別講演 John Rogers博士

 ロジャース博士の紹介(堀川氏)
  BAAの木星課長(83年〜) アマチュアのリーダー的な存在で、世界中から数多くの観測報告が寄せられており、世界に情報を発信されている。


Rogers博士紹介と通訳 堀川邦昭氏

Rogers博士の特別講演

Rogers博士講演

Rogers博士講演
 

【 講演テーマ 】木星に見られる赤いスポット「Red Spot on Jupiter」

 

(1)大赤斑(GRS)について

・Red Spotは写真の観測で正確に観測されるようになって、木星面に数多く見られることが分かってきた。
・高精度の画像から位置を測定して赤い斑点についてまとめた。いずれも高気圧的な渦だが、疑問点がいくつも出てきた。
・GRSは木星大気の高いところの模様だが、NNTZのLRSも同じ傾向が見られる。斑点の南北両側をジェットストリームに挟まれている。これは眼視観測で予想されていたが、ボエジャーやカッシーニの画像で確認された。
・GRSが取り込むSTrZの暗斑の観測が詳細に記録されるようになった。
 GRS周囲の回転周期は時代とともに短くなってきている。(リースの観測からたどって)。GRSのサイズが次第に小さくなって来ていることがその原因と考えられている。
・ GRSは1665年にカッシーニが発見している。1700年のスケッチにGRSが赤く描かれている。
・ GRSはサーキュレーティング・カレント(STrZに出現する循環気流)から出来たものと思われる。

(2)LEBS(永続白斑)の変化

・70年前には3つあったが、それらは合体して2000年に1つになった(BA)。最初は白かったが最近はその中に赤いリングが見られるようになった。
 なぜBAの中心にコアが出来ないのか。

(3)NNTZ の LRS(小赤斑点)

・メタンでも明るく写り、BAとよく似た写り方(メタン波長で明るく写るメタンブライト)をしている。昨年は赤くなかったが、メタンでは明るくなっていた。
・過去にも1994年のNNTZに赤い斑点が記録されている。ガリレオ探査機の画像にも見られている。メタンで非常に明るい。
・年毎に追跡するのは非常に難しいが、チャートを作って調べると1993年から追跡できた。(赤いものや、白いものを追跡)。最長は4年くらい生き延びているものが見られる。長寿命なものはメタンで白く写る。メタンで暗いものは短命である。
・3タイプのWS(白斑)はメタンブライトが一番長命だ。3つのWSのうち緯度が高くなるとスピードが速くなる。長命なものは相対的に緯度の低いところにある。これらはGRSの周囲の気流と同じ仕組みを持っているためだろう。


(4)STrZ の Baby LRS

・前記3つのものとはちがったスポットとなった。短命で前進しているが、STrZの暗斑のところで循環している様子が確認された。
・2008年に詳細に記録された。引きちぎられたWSのうちGRSの前方で回転したものはGRSに飲み込まれた。GRSを通り過ぎたものは前方に延びていったが、途中で止まってしまった。
・Baby Red SpotはGRSに引き伸ばされた。この地域で強力な気流があることを示している。
・昨年の5月28日のNNTBnにレッドストリークが見られたが、それが気流の違いによって引き伸ばされたときにオレンジ色に記録されている。赤い色は高高度の「かすみ」を示しているだろう。早いジェットストリームはしばしば赤い色をしている。
・この赤色は大気の深いところまで達しているためによることを示唆している。良くわかっていない赤くなる物質を表面に引き上げていると考えられる。

質 問:

Q:GRSの縮小とともに前進速度が速くなるのは、GRSのみ早くなったのか、周りの気流が早くなったのか。
A:GRSは周回周期6日が4.5日になったのは、GRS半径が小さくなったのが原因だろう。もう一つの理由は不明。いろいろ研究しないと良くわからない。
Q:赤い斑点は深いところまで達しているのなら、垂直方向の柱のような深い構造か。
A:上と下は別のメカニズムだろう。モデルはいろいろあるが。
Q:BAの赤みの出てきたのは合体の結果、勢力が増して赤くなったのか。
A:大きなものが赤くなる要因だと考えられるが、大きいからと言って必ず赤いとは限らない。GRSは白くなることもある。大きくなると言うことは、赤いものを大気深部から引き上げることに対して有利に働くだろう。
Q:SL9の衝突で出来た赤い模様は、GRSの赤いものと同じ物質で出来ているのか。
A:深さの違いによって起こったものだと考えられる。水の雲に達したものも含まれているだろう。衝突天体の成分によっても異なるだろう。
Q:GRSは1970年ごろには非常に赤かったが、今はさほど赤くない。赤さの違いはどうなのか。
A:今年はSEBが淡化し、GRSは真っ赤になるだろう。

5 木星研究シンポジウム ( コーディネーター: JAXA 佐藤 毅彦氏 )



シンポジウムコーディネータ 佐藤毅彦氏

シンポジウム・プログラム
 

(1)佐藤 毅彦氏(JAXA)

「木星ミッション概観」
    人類の木星ミッション
      1989年「ガリレオ」の打ち上げ(延期され10月18日)→ 1995年到着
           木星を34回周回した。衛星の詳細観測を行った。
           「エントリープローブ」は2003年木星大気に、しかもフェストーンに突入した。
           大気構造の調べたいところに降りた。
      1997年「カッシーニ」打ち上げ → 2000年木星を通過
      2006年「ニューホライズン」の打ち上げ → 2007年到着
      2011年「ジュノー」の打ち上げ計画中
           木星の極軌道を計画・・・・・・木星の磁場の観測
      2002年代に「EJSM」(多国籍探査機)の打ち上げ計画がある。
           日本の探査機は木星に打ち上げができるか。(H−IIロケット202タイプで)。



佐藤毅彦氏発表
 

(2)堀川 邦昭氏(月惑星研究会)

   「2008年に観測された南温帯(STZ)の目玉暗斑」
     STZで観測されたことのない暗斑として注目した。
     2008年の合が明けたときに観測された。BAと同じ速度で移動していた。
      正体はSTZの白斑の取り巻きだった。
      過去にもあるかもしれないと調べたら、2003年から2008年にそれらしきものが見つかった。
       なぜ一時的に「目玉」になったか。壊れていくSTBの暗物質を集めて目玉を形成したものと考えられる。
      STBの後退ジェットストリームに載って動いているものと考えられる。
      GRSの後方のSEBsの暗物質がRGSの周囲を取り巻く現象は良く見られるが、それと似かよった現象。
    <今後の予想>
       BAは減速している。が、目玉暗斑も減速し、衝突は起きない。
    <まとめ>
       STZの白斑に暗いものが覆ったもの。(2005年以降に出来た)
       供給源がなくなって、普通の白斑に戻った。
      Q:SSTBの中のWSとの違いはあるのか。
      A:緯度もちがうが、サイズが小さい。
      Q:STBsの後退暗斑は高気圧的か。
      A:高気圧的だと思われる。


堀川邦昭氏発表
 

(3)田部 一志氏(月惑星研究会)

   「Impact Clouter」
    2009年7月19日、15年ぶりに木星に何かが衝突した。
    SL9のA核と状況が似ている。
    高温高圧の物質が吹き上げられた。吹き上がったものは、凝結して落ちてくる。
    それがメタンバンドでは明るく見えた。
    暗い模様は、風に吹かれて変化した。(「く」の字に曲がって変化した)
    風速は60度より高緯度部分は良くわかっていない。今回は南緯57度くらいに落ちた。
    56.8度を基準に模様をまとめてみた。結果的に今回の現象からわかったことは少なかった。
    衝突の確率は300−1000年に一度と言っていたが、今回は15年ぶりと近かった。
    単一天体だったこと。ぶつかった方向はSL9とは反対方向。痕跡の寿命は同じくらい。
    風によって拡散された。
    佐藤氏コメント:元天体の質量は小さい。20倍くらいの大きさの質量のものはもっと間隔があくだろう。
    雲頂の自転速度と、木星面の観測で使っている自転速度は高度がちがうので、一概に同じとは言えないだろう。

    Q:過去の記録の再調査はどうしてするのか。結構難しいのではないか。
    A:これからは注意深く観測する。風の影響を考えると、今後のためになる。
   三品氏コメント:こういった模様が見えた場合はマカリで切ってみるとRGBが同じように同じ濃さに見える。
   平林コメント:この痕跡はリムから現れたときから真っ黒に見える。眼視でも判断できる。

田部一志氏発表

田部一志氏発表
 

(4)佐藤 隆雄氏(東北大学)

   「多波長分光撮像観測による大気の垂直構造・雲粒子の散乱特性の観測」
    リモートセンシング手法で木星の雲を調べる。
    メタン 可視・赤外に吸収帯がある。
        凝結してない状態で観測できる。
   鉛直方向
    解析波長の周辺減光曲線を抽出し、雲の鉛直分布を計算した。
    大気を6層に仮定した。
   散乱特性
    雲粒子による散乱位相関数の情報が重要。カッシーニのデータは波長が狭いため、
    良い研究が出来ると考えている。

    Q:LRSの観測はいつ?
    A:昨年です。
     田部氏コメント:ベルトとゾーンは同じ高さではないようだが、どう理解すればいいか。
     佐藤毅彦氏コメント:1次散乱アルベドの違いだろう。レイリー散乱の違いに出るだろう。
     SEBが淡化してくときにどのような結果が出るか、これから観測して欲しい。
    Q:20年前の研究と今とはどうちがうか。
    A(佐藤毅彦氏):探査機の観測データを用いて適合するか確認することが必要になるだろう。


佐藤隆雄氏

佐藤隆雄氏

佐藤隆雄氏
 

(5)小鮒 格久氏(東北大学)

   「オーロラの発光高度などの研究」
   磁場と大気のある天体に起こる現象である。
   酸素分子が太陽からのプラズマの影響を受けて発光する現象を言う。
   オーロラの3種類
     可視オーロラ
     赤外オーロラ
     紫外オーロラ
   イオ紀元のプラズマが磁気圏外に輸送される。
   観測はハワイのIRTFを用いて観測した。

   Q:アマチュアが貢献するようなものはないか。
   Q:イオの位置は関係ないのか。
   A:時程数が長いので平均化されるだろう。
   Q:衝突してまきあげられたものが、磁場によって影響を受けて落ちるかどうか。
   A:考えたことはない。
   佐藤毅彦氏コメント:太陽活動の低いときに、磁気圏は広がってしまっていると、考えられる。
   それに対する影響はどうなのか。

小鮒格久氏発表

小鮒格久氏発表

記念写真を撮影し17時に一日目を終了。
この後新宿中村屋レストランで「月惑星研究会 創立50周年記念パーティ」を開催した。


50周年記念写真

第2日目: 9月6日(日)

1 2009年の木星面のまとめ (堀川邦昭氏)


(1) 今年の大きな変化

GRS は昨年、Hollowのようになったが、今年は復活している。
NEBが活動的であった
SEBは昨年活動的だったが、今年は穏やかになった。淡化傾向にある。
7月19日に小天体衝突痕が発生。
STBの暗斑が大きくなった。



堀川邦昭氏発表

堀川邦昭氏発表

質疑応答

(2) 衝突痕について

7月19日にWesleyさんが発見した。
  30分後米山さんが発見・・・・・・・・・・・・・国内初
  内藤峰男さんが最初に記録している。
  メタンバンド・IRTFで明るく写っており、衝突痕であることを確認している。
・いつ衝突したか
   07h41m〜14h12m(UT)の6時間半の間に衝突したらしい。
・衝突痕形状の変化
   エジェクタの放出と、それによる暗色模様の変化(三日月形)
   7月29日になって「く」の字型に折れ曲がった。帯状流の70パーセントくらいの流れで出来る模様(田部氏解説)
   である。
   南分枝の先端は-0.6°/day
   現在は、もうほとんど見ない状態にまで拡散した。(一月あまり後)


(3) NEBのリフト

@ 白雲の活動である。
A リフトの南前方で明帯を形成
B Out break状の現象だが、体系3に固定された発生源はない。
  2008年8月3日2=47度のリフトの変化を解説
  2009年5月に3つのリフトが生成された。(R1・R2・R3)


(4) NEBの拡幅現象

@ NEBの活動サイクル
   4〜5年周期で「平常」→「拡幅」→「バージ顕著」→「赤化進行」・・・を繰り返している。
   ・第1次の拡幅現象 2004年の現象を基に、今年のものを展開
      2009年5月 4日の阿久津富夫さんのリフトの右下の出っ張りから発達
            5月21日の阿久津富夫氏の画像は上と同じ
            5月26日の同氏の画像で変化が見られる
            5月28日のGo氏の画像でリフトの先端がストリーク状に突き出して写っている。
            5月31日にNEBnにできたProjection(突起模様)の発生から、DS(暗斑)へ移行した
            (永長氏画像)
            6月 5日(永長氏)NTrZ中に孤立したDSとして移動した。
            6月14日(永長氏)前進し始め、6月の半ばに止まった。(NEB側に戻ってきた)
            6月19日(阿久津富夫氏)新しい暗斑が発生。それと最初の暗斑と遭遇した。
            (2暗斑はすれ違った:ロジャース氏指摘)
            7月 2日(カルバルホ氏画像)繰り返している。
            7月末ではあまり変っていない。帯域全体が黄色くなってきた。
            後方のNEBに凹みが出来て白斑が発生。(ひとつはZ)
    ・第2次拡幅の始まり
      2009年8月 U=20度付近で起こっている
            8月18日(Go氏画像)NEBからNTrZにベルト状のStreakが発生した。
      田部氏コメント:SEB現象との関連は?
      ◎ ロジャース氏コメント:
        NEBnのジェットストリームはSEBとはちがって弱いため形態が異なるが、似たような現象である。
      Q:2系に対しての動きは?
      A:動いていない。
      Q:NTBまで影響を及ぼすことはないのか。
      A:ジェットストリームの流れから見ると、NTBまでは達しないだろう。
        5月23日のNTrZのstreakがこれにあたる。
      Q:この付近のジェット気流の流れはどうなっていたか。
      A:NTBsの気流の流れがものすごく激しく、NTrZとの間の速度勾配は激しい。
      Q:この減少はNTrZの現象とはいえないのか。
      A:両方の領域で起こっているので、どちらともいえないが、活動領域の形態で呼んでいるから、
        物理的にはどちらともいえないだろう。


(5) SEBの変化

@ 活動が穏やかになってきた。
   ・mid-SEB outbreakがなくなって穏やかになった。
   ・大赤斑後方の攪乱領域もなくなった。
    白っぽい活動領域になった。
   ・GRSの前方では細いベルトが形成された。
   ・全体が淡くなってきている。
   ・GRS後方のバージが目立つと言うことは、淡化していると考えられる。
A SEBの淡化はGRSの前方から始まる。
     1989年 1991年 2007年のイメージから。
   ・GRS前方のSEBはシャープだがやせてきているが、始まったとはいえないだろう。
     Q:1995年のSEBsの淡化しそうだった。
     A:1996年には元に戻って淡化しなかった。
     Q:SEBの活動的な状態は自転周期に変化を出してないか。
     A:WSのトレースが難しく追跡できないので分からない。
     Q:GRSの前方から始まると決まっているのか。
     A:今まではそうだった。SEBの攪乱とは別現象だと思われる。
       SEBの淡化の現象の進行速度はそのときによって大きくちがう。
 ◎ ロジャース氏の見解
    SEBの淡化は進行している。SEB攪乱は来年か再来年に起こるだろう。
     Q:SEBの淡化の際の雲層構造は?
      竹内氏A:まだよくわかっていない。白雲の活動が弱まって今の見え方になっているとも考えられる。
      堀川氏コメント:SEBの上に覆いが出来たような見え方をしているように見える。
      本質的にベルトがなくなったのではないかと思われる。
     Q:SEBsの南側のふくらみは何か。
     A:注目していなかったので、良くわからない。
        北側のへこみはEZの大白斑の影響である。



(6) その他の現象

@ STBからSSTBへ延びる暗斑群
   STBnのジェットストリーム暗斑による産物
   2009年5月から6月ごろに今の構造になってきた。
 ◎ ロジャース氏の見解:
   STZの攪乱領域に出来た暗斑がそのように見えるのだろう。
A SSTBのWSは9個あった。
B NTBは顕著なベルトとして見えていた。
   昨年はオレンジ色が顕著だったが、今年は淡い。また、暗斑が北側に出てきた。
C NTZは暗くなってきた。
D NTBは断片的になっている。北側にメタンブライトのWSが見られる。



2 観測シンポジウム

(1) 初心者のための木星観測 (瀧本郁夫氏)

       写真観測と言うテーマで話をしたい。
  ・撮影機材の紹介
       ToUcamPRO II を基に紹介
       架台が大切(大きくしっかりしたものがよい)
       PCは最新のスペックのものが必要。
       各種フィルターが欲しい。科学観測のためには是非用意したい。
       微動調整の可能な電動接眼部が必要になる。
       扇風機(換気ファン)が必要。
  ・惑星の撮像
       拡大率の選択が重要
       細かなピントあわせ
       シーイングの良いときを待つ。
  ・画像処理
      RegiStaxを使用
      物理データの取得
  ・画像解析
      位置測定 → 展開図・アニメーション・ドリフトチャート の作成をする。
  ・観測報告をする。
  ・木星会議に参加する。
      Q:体力も仕事もある。どのようにやっているのか。
      A:仕事に差し障りないように、やっている。
    三品氏コメント:平日はやらない。週末にやっている。周囲に迷惑を掛けたくないから。



瀧本郁夫氏発表

(2) 私の機材の紹介 (米山誠一氏)

  ・ 観測場所 視界の狭い庭を使っている。
  ・望遠鏡の変遷 
  ・カメラ
  ・画像の処理方法
  ・画像の活用


(3) どうすれば、科学的な解析に使える画像を撮影できるか(三品利郎氏)

  ・衝突痕の発見で思ったこと
     ・BAAの方に報告した。・・・・・・・いち早い報告が大切である
     ・いつ見えるかを計算した。
     ・海外にも報告して欲しい。
  ・誤差について
     ・データに基づいて、解析する。
     ・誤差を評価したうえで解析する。
     ・誤差を減らす。
  ・測定誤差の実態は?
     ・他の人の結果を比較したら、平均が10度ちがう例があった。時刻のミスなど基本的な問題が起きがちである。
     ・口径は関係ない。
     ・シーイングが悪いと測定誤差は大きい。
     ・時刻が怪しい。
         系統誤差 ・・・・・・時間の誤り 手法による誤差
         偶然誤差 ・・・・・・測定誤差 シーイングによるぼけ
       これらの中で無くせるものを減らす。
  ・観測時刻を正確にする。
  ・手法と誤差
        RGBは狂いやすい。カラー・モノクロの単色撮像は狂わない。
        国内の観測者はずれない手法を取る人が多い。
        MC(LRGB)合成の場合は、モノクロイメージのものが測定されている。
        RGBをはずして測定するのが良い。
  ・基本事項
      ・ PCの時間を合わせる・・・・インタネットを使って合わせる。
      ・ 1分間での移動量を知る。
      ・ コンポジットの許容範囲(池村さん計算)は公開されている。1分以内がベスト
      ・ 火星は動きが遅いが、LRGBは緑のチャンネルがなくなる。
  ・LRGBは科学的データとしては不向き
  ・「MC合成」造語の提案
    モノクロ+カラー → MC合成   LRGBの変形で熊森さんの合成法
     Q:位置測定はモノクロが良いということか。
     A:必ずしもモノクロが良いということはない。
     竹内氏コメント:専門家はカラー画像をデータだとは思っていないことを付け加えておきます。


三品利郎氏発表

三品利郎氏発表

質疑応答 阿久津富夫氏
 

3 事務連絡

(1) 木星スケッチアーカイブのお願い(田部氏)
   ◎スケッチ原版(オリジナル)の保管先について(提案)
    月惑星研究会会長・OAA木星土星課長・仙台天文台長で協定書締結を行いたい。
    協定締結後、仙台天文台に保管したい。(継続協議)
(2)次期開催地 関西支部で会場を引き受ける。
(3)世界木星会議Worldwide Jupiter Conferenceができるといい。(田部氏提案)
(4)例会案内
    本部 11月8日(日)
    支部 10月18日(日)京都のいつもの会場で
(5)感想聴取
    明治大学の齋藤氏
    阿久津富夫氏
    佐藤 健氏
    西城 恵一氏


佐藤 健氏コメント

(6) 仙台天文台での公開天文台会議の案内
(7) ロジャース博士からの挨拶
 お招きいただいてありがとう。非常に有益な会だった。ウェッブサイトの運営をされて活躍されている。眼視観測者は良いスケッチをとっておられた。(展示物も含めて)
 画像に関しては、木星の高度が低く、北半球の観測者には不利だが、これからは木星の高度が上がってくると活躍が期待できる。画像解析も大切だ。
 木星面の解析をする人は(世界的にも)少なく、日本での活動は重要だ。
 ウェッブサイトは重要なサイトだ。報告先を尋ねられたときに、紹介できるサイトだ。
 これからも皆さんと情報を交換しながら活動を続けていきたい。

Rogers博士挨拶
 

4 閉会挨拶(平林会長)

  87名の参加があった。創立記念パーティは69名、2次会は38名と予想を上回る大勢の方にご参加いただいた。
 これも皆様方の協力のおかげと感謝しています。また遠方からも大勢のご参加をいただきました。
  ロジャース博士には遠路お越し頂き、貴重な講演やコメントを頂き、心よりお礼申し上げます。
  西城さんには会場を始めいろいろと便宜を図っていただき感謝しています。
  最後にスタッフの皆さんにもお礼申し上げます。


閉会挨拶 平林
            
12時30分閉会 天候は両日とも晴れ。暑さもさほどではなく良い条件に恵まれました。  以上
( 記録:安達 誠、 文責:平林 勇 )


ALPO-Japan Latest Home 木星会議