月惑星研究会関西支部例会

2005年11月06日



参加者(8名、左から)
 畑中、柚木、奥田、伊賀、林、安達、福井、瀧本

勉強会(10時〜12時、伊賀宅)

(1) Registax V3の操作

1月の例会の勉強会で一度テーマとして取り上げたが、この時はバージョンアップリリースの直後だった。その後利用者が増え、経験に基づいた話ができそうだと再度テーマとして取り上げた。

V3からAlignでProcessingをAutomaticで行えるようになって、難しい設定をすることもなく、処理速度の向上と合わせて、とても使いやすくなった。多くの方がAutomaticで処理している。しかし、Optimizeで収束するまで何回も反復計算を行うのが無駄に思える。これを短縮する方法が紹介された。

まず、AlignでProcessingのAutomaticのチェックを外し、Quality estimateのLowest qualityを100%に設定する。この設定でAlignボタンをクリックして、アラインだけを実行する。これで全てのフレームのアラインが行われて、品質の順番にソートされる。このままだと次のOptimizeタブには進めないので、Limitボタンをクリックする。Optimizeタブでは何もしないで、そのままStackタブへ移動する。Stack graphを表示して、Quality CutoffとDifferenceCutoffのスライダを設定する。そしてStackボタンをクリックして、スタックを実行する。


(2) Atik社のATKカメラの撮影

最近利用者が増えているAtik社のATKカメラの撮影の実際について話をうかがった。まず、柚木氏が持参されたATK-1HS IIを、実際にパソコンに接続して、撮影方法を紹介された。1/5秒以下の短い露出はToUcam PROと同様にUSB接続で、しかもToUcam PROで使用するVRecordがそのまま利用できる。1/5秒よりも長い露出をするためにはプリンタポート(LPT)とも接続する必要がある。この場合は、ATKカメラに付属するK3CCDソフトウェアを使用する。このソフトで、シャッター速度、繰り返し回数、繰返し周期などの長時間設定を行う。

次に、福井氏から木星会議で発表されたPowerPointを用いて、メタン画像の撮影テクニックを紹介された。また、プリンタポートを持たないパソコンで長時間露出を行うために、パラレルポート/USB変換PCカードを探し、実際に利用できる機種を紹介された。



支部例会(13時〜17時、アスニー山科)

(1) フィルター観測で分かること

全てのガスは太陽光を短波長ほど強く散乱する(地球で空が青く見える理由)。紫外域ほど散乱は強くなり、雲の上のガスでは差がない。そのため、紫外域での画像では暗いベルトが消えてしまって全面が明るく写るが、高層のヘイズだけが、明るい背景に対して暗く見える。

メタンバンドでは逆で、メタンガスは太陽光を強く吸収するので、全面が暗く見える。暗いベルトは同様に見えなくなるが、高層のヘイズは暗い背景に対して相対的に明るく見える(極と赤道)。大赤斑や永続白斑も高層まで吹き上がっているので明るく見える。

このように最適な波長だけでとらえるフィルター観測によって、大気中の雲の垂直方向の構造を知ることができる。



懇親会


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