月惑星研究会関西支部例会・支部通信 No.67

2011年06月19日

  支部通信の発行が遅れました。途中まで入力したままになっていました。今回は、名古屋から長谷部さん。東京から最上さんの参加がありました。

参加者
林・瀧本・長谷部・岡本・熊森・奥田・畑中・最上・安達   以上9名
 
例会集合写真


近況報告

岡本
天文検定を受けることになった。勉強すると、分からないことがたくさんあって面白い。木星が出てきたら観測したいと思っている。
畑中
町内会の行事にかかわって忙しくなってしまった。(一度かかわると抜けられないよ:by A)天気が非常に悪く何もできていない。
奥田
1年ぶりの参加になった。ここ数年間何もできていない。機材を買って復活したいが収入が4割カットになり困っている。自治会活動で忙しくしている。
例会には毎回出ている。木星は一度もできていない。土星は先月撮った。土星にはまだ白斑が見られた。しかし、そのとき以来曇りっぱなしになっている。きのう神山(こうやま)天文台に行って、河北さんと会ってきた。天文台は1周年記念行事になっていた。渡部潤一先生の講演会もあり、本にサインをもらってきた。今年は木星をがんばりたい。ToUcamの感度が悪くなってきた。WIN7を買った。
瀧本
出張のついでに例会に出てきた。最近は天気が悪く観測ができなくなった。その代わり昼間は晴れることが多く、太陽のHαに目覚めた。新しいUSBモノクロカメラを物色中。太陽はモノクロカメラ撮っている。機材は4cmコロナドだが、とても面白い。朝、太陽を撮影してから出勤している。
安達
BAAのマッキムさんから火星のデータを送れと連絡を受け、急いで送った。最近はスキャンもなかなかできず、皆さんに迷惑を掛けている。自宅の天文台は先日の台風の大雨でひどい水漏れが起こり、建物の中に深さ2cmの水が溜まってしまい、排水にヒーヒー言っている。土星を時々見ているくらいで、仕事が忙しく、帰宅後寝るだけの生活が続いている。
熊森
きのうカメラを買った。バスラーAのモノクロだが昨日着いたところだ。475カナダドルだった。まだ電気を通していない。来週からぼちぼちテストしてみようと思っている。土星のほうは、マンションのロケーションから限界になった。これからは木星にシフトしたい。
長谷部
最近月惑星研究会に入り、今日は支部例会に来た。一昨年のOAAの名古屋例会で安達さんに会った。そのときに、安達さんに「月をやりたい。」と話していた。月惑星研究会のHPでは月面がない。また、OAAのほうも月面は活動がない。OAAの名古屋支部の支部長から声がかかったのでまとめることにした。今、OAAは仮立ち上げをしている。パソコンでいろいろするのは(HPのこと)初めてなので、池村さんに教えてもらいながら始めている。だれでも入りやすい月をやっていきたいと思っている。
最上
江東区から夜行バスで来た。渡辺正明さんから譲り受けた機材で観測活動を始めた。今年は40cmに替える。オフィスビルの屋上に望遠鏡を置けるところを作った。

OAA月面の活動を復活させるこころみ

 月面の観測をしていると、かわったクレーターが 目に付いた。ノーマルなクレーターとはどんなもの なんだろうと思い始めた。会津大学の出村先生にい ろんなことを習った。そこで、「かぐや」のデータを 入手し、変だと思ったものが本当に変なのかどうか を調べていた。そんなとき、OAAから声がかかっ た。
 OAA月面課のwebサイトの紹介があった。   日付順 地域順 月齢順(月面余経度順)で観測報告を受けていくことにしたい。   そのためには月惑星研究会の皆さんの協力を得たいと思っている。   柚木さんが月面を撮影されているが、柚木さんにも協力を求めたい。


木星の近況

GRS前方のDark Streak

 5月に先端が前方のSTrZに流れ出し、SEB南縁に沿った短いdark streakとなっていた。 streakは5月前半まで30°程度の長さしかなかったが、その後急速に伸長し、南側に向かって大きく発達し、RS前方のSTrZに台形状の暗部が出現した。
 RS前方のstreakは、しばしばSTrZを広範囲に暗化させることがある。このような領域は、STBの淡化部と関連することがあり、通常見られるベルト=暗い。ゾーン=明るいとは逆のパターンが出現する。すなわち
    STB  明るい
    STrD 暗い
 BAAのRogers氏はこのような現象を、South Tropical Dislocationと呼んでおり、1970〜80年代を中心に過去5回観測されている。
 

STrZ Dislocation

 今回のDislocationは、1991年以来20年ぶりの発生・・・・安達3枚最少シーズン
5月29日の阿久津氏の画像で確認することができる。

STrZ Dislocation

 今回のDislocationは、1991年以来20年ぶりの発生・・・・安達3枚最少シーズン
5月29日の阿久津氏の画像で確認することができる。
 Dislocation本体は、体系II:75〜120°の約45°に範囲に広がった青く太いdark streakで、前端が大きく南側へ持ち上がってSTBに届きそうである。
 streakはやや傾いて後方ほど北に下がっているが、淡いSTBnが北にカーブしてstreakにつながっているところがあり、ここが後端とみなされる。さらに後方でもstreakは細くなりつつRSのアーチへとつながっている。 前述の通り、Dislocationの前後に循環気流が形成されて攪乱に変化する可能性があるので、前端または後端に顕著な白斑が発達するか、注意しなければならない。
  (循環気流の存在がDisturbanceとの違い)
 ロジャースの本から、過去の現象を確認し、今回の現象との比較を行った。

GRS

 周囲を暗いアーチで囲まれたHollowの様相。
 内部は濁って薄暗く、赤みが感じられる。
 経度はII:164.7°(22日、阿久津氏)で、昨シーズン末とあまり変化していない。

SEB

 SEBは全周で幅広い。
 RS前方の経度では大きく二条に分離。
 南北組織で色調が異なっており、SEBnは青黒く、SEBsは赤茶色。

BA

 BAは体系II:21.5°(21日、阿久津氏)にあり、小さく赤みを帯びて薄暗い。

NEB

 NEBは北縁の後退が進み、急激に細くなりつつある。
 NEB北部の白斑も大半がNTrZに露出して、判別し辛くなっている。
 bargeは、ベルト北縁に凹凸を形成するようになっている。


土星の白斑(安達)

 土星の白斑は、現在も継続してみえている。発生源は、前回の例会では先端の部分ではなく、そ の途中にあると考えていたが、その後の観測では、発生源が周回遅れとなったため、非常に理解の しにくいものとなった。
 発生源を先端とすると、今までの観測をうまく説明できるため。カッシーニのサイトに出ていた 発生源に関する見解とは違い、われわれは発生源を先端に考えることにしたい。
 右の画像はEfrain Morales Rivera氏の画像だが、非常に複雑 な白斑の姿をとらえている。 (6月14日)
NTrZから幾分緯度方向で北側 に広がりを見せるようになってい る。

木星会議

 今年は会場が国立天文台になっている。もうすぐ本部から案内が届くものと思われる。
 来年は阿久津さんから、旭川でできないかと言う声がかかっている。できれば冬に行いたいとい うことだが、参加者で話し合い「冬はさむいよね。」ということで、暖かい時期の開催では?と言う 流れになった。



事務連絡

 ○ 奥田さん・長谷部さんから2011年分の会費を受け取った。
 ○ 次回の例会は10月30日(日)となっています。また、その次は1月22日(日)となっている。皆さんの参加をお待ちします。
 ○ おわび
   開催後、ものすごく時間が経ち、内容が古くなったり、思い出せない部分もあります。情報交換では熊森さんがレジスタックスのこと、瀧本さんがモノクロの擬似カラーの話、長谷部さんからは「かぐや」の画像から得られる情報の話がでていました。


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