月惑星研究会関西支部例会・支部通信 No.732013年1月13日 |
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今回の例会は、ビジターとして京都の堀内さん。滋賀県立米原高校から高校生3名が参加され、
賑やかな例会となりました。例会の後、堀内さんが入会したいということで、近々入会の運びとな
りました。最近精力的に報告を送ってくださるようになり、これからの活躍が期待されます。
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自己紹介と近況報告
木星の近況
(1) 大赤斑大赤斑は、1800年代は東西に30度近くあったが、その後次第に小さくなる傾向にある。最近はおよそ15度くらいだったが、昨年は9月後半10月末の2回、13度くらいに小さくなった見えたときがあった。位置は、II=187°で、ゆっくりと後退を続けている。画像では、オレンジ色が鮮やかで、輪郭もはっきりしており、大変よく目立つ。ただし、肉眼ではそれほど赤くない。気流が悪いと赤斑孔に世に見えるときもある。(2) BA最初に永続白斑についての簡単な説明をおこなった。昨年の10月上旬に大赤斑の前方にでた。周辺には、特に大きな変化は見られなかった。安達の観測では、現在、中には赤くリング状の模様が見え、気流が良いと大赤斑よりも赤く見える。気流の悪いときは暗い大きな暗斑のように見える。BAに続いて、南温帯縞(STB)の小暗斑(CD1)と低気圧性の白斑(CW1)が大赤斑を通過しているが、その後方に続く、STBの濃化部が接近しており、数ヶ月中にBAのすぐ後方にある暗斑に追いつくと思われます。注意が必要です。 上の展開図は10月10日〜13日、下の展開図は1月1〜4日 (3) NEBn〜NTrZにある3つの白斑衝突について10月から11月にかけて、北赤道縞(NEB)北縁では3つの白斑が相次いで衝突した。 下の図は11月4日の4つの白斑を示している。左端の白斑がBで右にA C Zと並んでい る。微妙に緯度が違っており、この緯度の違いによって自転周期も異なっていた。WSB WSA WSC WSZ (4) その他の気になる画像から波長による惑星の写り方の違った画像をピックアップして、ビギナーの方々に解説した。安達・ 柚木・熊森さんからたくさんのコメントを頂きながらの解説となった。新しい機材 (熊森)新カメラ BASLER ACE ACA1300-30GM675.5ドル(カナダドル)で購入(昨年の7月) ドイツ製で、DMKの4倍のピクセル数である。(モノクロ) カナダのXAGIL社より購入1/3インチCCDタイプでソニーのICX455のチップを使っている。カメレオン のセンサーと同じものである。ランケーブルで接続し、かなり早く撮れる。カメレオンよりも早い。電源は48Vと12Vの2つがとれる。DMKと感度や効率は変わらないが。セル面積が小さいので感度は幾分下がる。結果的には、DMKよりも幾分良いように思う。オニオンリングは出にくいようだ。 ソフトはFine Captureというもの(無料)をダウンロードして使う。カメラの説明書にアドレスが記載されている。・・・・・詳しくは熊森さんにたずねてください。 火星の近況
(1)南半球のダストストーム昨年の11月にMROによって、火星面にダストストームが観測され、そのことがアストロアーツに紹介された。早速MROの観測結果を見に行き、ダウンロードして調べた。その結果、南半球では11月14日にヘラス(Hellas;295W,-50)とイシディス(Isidis;268W,+23)の中間あたりに大きなダストストームの発生しているようすが確認された。 発生後、東西に広がり、4日後の18日にはノアキスとエリダニア(Eridania;210W,-45)の間にまで拡散していくようすが記録されていた。中規模のダストストームで、Ls=206度付近の原現象となった。アストロアーツのHPより掲載 (2)北半球のダストストーム北半球では、極域から中緯度に向かって小規模なダストストームがしばしば発生し、地球の寒冷前線に伴う雲のような姿が見られるが、この期間中も11月12日・13日の2日間に2ヶ所でこの現象の起こっている様子が記録されていた。詳しく追跡していないが、この時期特有の現象である。地球からは観測できないときにあたるが、火星面ではいつもような気象現象が着実に繰り返されている。(3) キュリシティの画像からロボットアームの先端につけたブラシで、地表をけずった画像が公開されている。それを見て分かることを言い合った。意外に表土が薄く、数ミリしか覆っていないこと。水によってはり付いたあとのような姿に見えることなど、いろんな見方が出された。砂漠の画像からは、大気がかなり埃りっぽくなっているようすがみてとれた。 土星の近況
明け方に、高度は低いが観測できるようになってきた、比較的良い画像によれば、NTB付近にあった明るいゾーンが、本年は見えにくくなったこと、赤道帯がオレンジ色になってきたこと。温帯が緑っぽくなっていることが特徴である。 天王星
ケック望遠鏡が、天王星のすばらしい画像を撮像しているが、北緯55度にベルトばかりならんだ地域と、極域の斑点だらけの地域との境目が見られる。これは木星や土星でも同じで、共通する特徴だと思われる。
事務連絡
1 例会の予定4月の例会は21日(日)7月の例会は7日(日)と、なっています。ご予定ください。会場はいつもの通り、京都市生涯学習センター山科アスニーとなっています。できれば、もちより話題をお願いいたします。 2 会費例会の参加者の皆さんから会費を頂きました。また、永田さんからもいただきました。2012年分 坂本 2013年分 奥田・熊森・畑中・岡本・薄出・坂本・柚木・林・堀内・安達・永田 以上12人分 支部の方は、会費をお願いいたします。 振込先 郵便局振込先 00940-6- 132972 月惑星研究会関西支部 滋賀銀行堅田駅前支店 店番 175 種別 総合口座 口座番号 117589 名義人 アダチ マコト |
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