月惑星研究会関西支部例会・支部通信 No.79

2014年07月20日

 今回の例会は、開始時になって、安達がノートPCの外部電源を自宅に忘れてきたことから、大トラブルとなってしまいました。電源を何とかしようといろいろ試みたのですが、どうにもならず、結局1時間遅れで、本体付属の充電バッテリーがなくなるまで使うことにして、一か八か、最後までたどり着けるかのばくち状態となってしまいました。結局、最終5時まではもちませんでしたが、大急ぎでまとめてきたものを映し出したり、解説したりと、とんでもないバタバタの状態で終わりました。参加いただいた方には、大変申し訳ないことをしてしい、改めてお詫びいたします。また、支部通信は発行していないことに気が付かず、10月例会の準備の中で気が付きました。誠に申し訳ありません。思い出しながら、打ち出していますがおかしなところがあるかもしれません。

 今回は、例会の前に伊賀さんのお宅にお見舞いに参上しました。お見舞いの参加者は柚木・瀧本・安達の3人でした。伊賀さんの病状の様子を聞いたり、参加者の近況を話したりしました。伊賀さんの病状は少しずつ進行しているとのことでしたが、PCが使えるので、まだまだ意欲的にできることはするという姿勢で生活されており、うれしく思いました。木星会議は、のぞきに行くだけでも行けばどうかとの奥さんのおすすめもあったようですが、体の心配から断念されたとのことでした。皆さんも、頑張りましょう!
 例会は、木星会議の報告をするつもりでしたが、皆さん参加された方ばかりなので、割愛しました。

例会集合写真
参加者

柚木・瀧本・佐藤・堀内・安達  以上5名  

木星の近況(安達)

 木星は合なので、オフシーズン中ですが、木星会議用に安達が準備したものの中からいくつか紹介しました。

(1) SEB GRSの後方かく乱部の白斑

3月28日の画像には、GRS後方かく乱部のSEBの中央付近に顕著な白斑が出現した。この部分の白斑の出現は珍しくはないが、明るさを見るとmid-SEB outbreakの白斑のように見えたが、その後、発展することはありませんでした。

(2) SEBの不明白斑のその後

木星会議でも話題になった、GRSの前方にあるSEBの白斑は、木星会議後も前進を続けて、明け方になっても続けて見えていると思います。

(3) NNTBでのバージの分裂

 図のように、NNTBでバージが2つに分裂する様子がとらえられた。


土星の近況

 土星はこの3月からのカラー画像を並べてみました。いつものように、衝の近くでは環が明るくなる現象が起こりましたが、特別なものはありませんでした。しかし、本体だけに限ってみると、中緯度地方の写り方に大きな差が見つかりました。
  3月のNTBは不明瞭な写り方をしていますが、毎月だんだん濃くなり、6月にはかなり顕著な姿を見せるようになりました。


4月5日 Xavier Dupont6月27日 Tiziano Olivetti

  さらに、北極の暗部の大きさも6月には大きくなっていることが分かりました。
 土星の変化は緩やかなものが多く、今回のものはその典型のようなものでした。

火星の近況(安達)

(1) 4月9日の熊森氏の火星像から

 Hellasの白雲が青ぽく記録されました。注意深く見ると、東側のアウソニア方向に白雲が侵出している様子が見られます。この時期、ヘラスからの白雲が東西方向に広がる様子は、よく見られる現象です。画像ではいくぶん処理の過程で強調された感がありますが、それでも明るい雲の伸びている様子が記録されています。SPCの形成に伴い、南極地方が活動的である様子がわかります。

(2) 朝霧の様子

5月に入ると、明け方に出ていた朝霧の活動が弱まりました。いよいよ南極付近の雲の様子に注目です。

(3) 氷晶雲と山岳雲

この時期になると、氷晶雲が広がりますが、この時期、成層火山は赤黒い斑点として観測されます。今回もタルシスの成層火山やオリンピア山が赤黒い斑点上に記録されています。肉眼ではなかなか赤黒くは見えないようです。

(4) ダストストームの移動

5月15日ペリエ氏は、アキダリウムの中に白雲の移動をとらえました。2時間半の間に位置を変えていく様子が記録され、氏の報告によれば時速130〜140q程度の速度で広がっているということです。
記録開始時刻22h53m−終了時刻20h23=撮像時間2h30m
24時間あれば、アキダリウムを横断できるスピードということが分かりました。動画はここに掲載できませんから、HPをご覧ください

事務連絡

今後の例会予定

   10月例会予定 10月19日(日)
   1月例会予定 2015年1月18日(日)
   日程の調整をお願いいたします。


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