月惑星研究会関西支部例会・支部通信 No.872016年07月17日 |
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夏前になりました。梅雨ですから天気の悪いのは仕方がありませんが、たまに晴れても、寒気が入り込み、気流の悪い日が多く、思ったような成果が上がらず、皆さん苦労しています。エルニーニョが原因なんでしょうが、台風も発生しておらず、異変を感じる今日この頃です。
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自己紹介と近況報告
木星の近況(安達)(1) BA後方のSEB
4月から時間がたち、BAに向かってどんどん小さくなってきた。STBの暗部から後方に小さな暗斑がはきだされ、SSTBnに向かって流れている。しかし、この傾向は続いているもののSTBの暗斑は小さくならず、1年半以上この様子が続いている。 (2) NEBの拡幅部の変化
WSZによってブロックされていたNEBnの拡幅部は次第に元に戻りつつある。拡幅部の中央付近が元の幅に戻りかけているが、4月20日NEBnにできた白斑から広がってきたように見える。 (3) SEBZの衝白斑
SEBの中にできたすだれ状の謎の暗斑が発生して以来、SEBの中央に明帯ができている。その中にいくつかの白斑が見られるが、それらの白斑は大赤斑に近づくと、反発して前進し、再び後退する動きを見せている。今回も同様の現象が観測されている。 図の中の黄色い線は白斑を追跡したものだが、左の白斑は大赤斑に近づくと、動きが鈍くなってきている。右の方の白斑は、謎の明部の後端に位置していたが、2013年末に大赤斑に非常に近づいたがその後離れていった。2016年3月に再び大赤斑に近づいたあと反発して離れ始めたが、6月に再び大赤斑に近づくように移動し始めている。これらの2つの白斑の動きは非常におもしろい。 (4) STBに発生した新たな暗斑
木星の観測シーズンはあとわずかになりつつあるが、各観測者は頑張ってほしい。 火星の近況(安達)(1) 極雲の活動が活発
いよいよダストストームのシーズンになり、いくつかのダストストームの観測報告が入ってきた。 (2) 南極冠はどうなっているのか
Hellasの南西側に東西にわたって白いベルトができている。できたり消えたりを繰り返して
いるが、これは白雲の出方によって見え方が異なるようだ。IR画像で白くはっきり写れば、それは地表に極冠のできたことを示すから、IR画像に注目していたが、Deが北によっているため、南極冠の姿は線状になってしまう。 (3) High altitude plum?
6月14日にAvani Soales氏がSinus MargaritiferとAurorae Sinusの間に雲をとらえた。 滋賀県立米原高校地学部の発表
米原高校の望遠鏡を使って木星の撮影をした。どうすればよく撮れるかをいろいろ試している。撮れた画像を解析したいので、画像解析ソフト「マカリ」を使って輝度の差を求めてきた。その結果輝度の差は8000以上出てきた。Win JUPOSを使って展開図を作りたい。これからはより鮮明なものを作りたいと思っている。それによって大気の運動を調べたい。 天文台から展望台へ(薄出)
天文台の老朽化が進み、とうとう自作のドーム(2.5mステンレスドーム)を解体することになった。なんと壊すだけに100万円かかってしまった。素人での高所の解体ができなく、業者にやってもらった結果だ。ドームの外壁が壊れていたのを発見したのが、そもそものきっかけだ。観測の都合上鉄骨だけは残してもらい、床を付けて展望台になった。 望遠鏡の更新(柚木)
355mm Fl1650mm F4.5のスカイウォッチャーに鏡筒ごと換えた。購入前に使っている人のものを見せてもらい、よく検討してから購入した。乗せ換えて光軸の調整にかなりの時間をかけた。心配していたが非常に良いものだった。
火星の模様と画像処理(熊森)
火星の画像を撮って処理をしているが、過剰処理をしているという指摘を受けた。暗い模様の周囲に明るいハロが出ているように見えるものが、火星の模様にあり、それのはっきりわかる模様を見て、過剰処理と判断されたものと考えている。しかし、火星の画像を、たくさんの観測者が撮影されたものや、探査機などのものを見ても、周囲が明るい地域が今シーズンは目立つ。 事務連絡(1) 木星会議
特にどなたからも希望がなく、今度の木星会議は、最もオーソドックスな会になってしまいそうだ。宿泊先の予約は早めにしてほしい。もちろん、参加もお願いします。 (2) 次回例会予定
10月例会は、木星会議のある月に行います。木星会議に来れなかった方にも話題提供ができるように、木星会議に参加される方は、例会で報告を何かしていただけると嬉しく思います。 |
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