月惑星研究会関西支部例会・支部通信 No.88

2016年10月30日

 今月は、木星会議のあった月で、参加者の少ない状態を危惧していたが、案の定というか、4人 だけの例会になってしまった。

参加者

奥田・堀内・熊森・安達
 参加者は4名でした(順不同)。  

自己紹介と近況報告

奥田
4月から大工さん仕事で観測所を作っている。製作は順調に進み、屋根ができたので、早速架台を設置したが、極軸はいまいちである。現在は外壁を作っている。今日は観測所の画像を持ってきたので、あとから見てもらう。
堀内
シーイングが悪く8〜10月はゼロ行進になっている。時々月を眺めている。例会の朝は木星を見ようと思ったが、星がギラギラ瞬いているのであきらめた。
安達
木星会議後は火星を見ている。火星が見えなくなると、空が晴れていれば、暇つぶしに星団などの写真を撮って楽しんでいるが、なかなか時間は取れない。今回の例会に出す資料の作成に時間がかかった。

木星会議報告

 スナップ写真をもとに、木星会議で行われた行事の報告を行った。例会の参加者4人のうち2人は参加していないので、状況を報告した。木星会議の報告文がほぼできたので、近いうちにアップロードできる見通しになっている。


HPの更新作業について

 木星会議の時に話し合った、HPの更新作業についての話し合いの様子を伝えた。鈴木さんの作られたプレゼンを使い、現状とこれからの課題を説明。これからはどんな作業をどれくらいの時間で協力してもらえるかがポイントで、少しでもたくさんの人に援助してもらうことによって、負担が少なくなることを紹介し、協力を求めた。
 今回の例会に来ていただけていない人だらけなので、個人的にお願いしていくつもりだ。


火星のダストストームについて

 9月3日に発生したが、さかのぼって追跡していくと、前日の9月2日にHellasの北部にダストのスポットが発生しているので、発生日は9月2日となる。また、この地域はその前からダストのベールが覆っていたため、ダストストームの発生につながったのではないかと、安達は考えている。ダストのベールが地域を覆うと、適当な濃さになる場合は輻射熱を得て、気温が上昇しダストストームの出やすい条件が整うのではないかという考えである。
 今回のダストストームが沈静化した後、この地域はダストストームの影響を受けて、ダストのベールをかぶった状態が続いているため、よりア大きなダストストームの発生する可能性があり、今後の変化に注目したい。
 今回のダストストームは東にはほとんど広がらず、Eridaniaはこの期間砂漠の色のまま推移した。北にも少しだけ広がったが、大きなものはなく、一過性のものだったようだ。一方、本体は西に進み、Argyre盆地のところまで進んだ、最初はDeucarionis方面に進行したがそれはすぐに収まり、その後Nochis方面に活動の中心が移っていった。

 このダストストームは東から西に移動しているが、本来は曲極の付近は西から東に向かって風が吹くはずだが、逆方向になっており、通常とは違った流れになている。原因は不明だ。火星は現在8秒だが、南西の空にまだしばらく見えるので、これからも観測をお願いしたい。

木星に北温帯縞攪乱が発生する

 合の間に、北温帯縞攪乱が発生した。新しい観測シーズンが始まってすぐに、異変がとらえられて、情報も少なく、驚いている。現在までに集まった状態を整理した。集まってきた画像の中から重要な画像をピックアップして見ていった。WSはどんどん前進するが、できた暗斑は2系に対してあまり移動しないという特徴を持つことなど、目立多特徴のあることを確認した。
 10月24日にMarco Vedobatoさんの作成された展開図で、2=310°にある白斑が現在見えているリーディングスポットでなはいか。だとすると、例会の日(10月30日)あたりでは、大赤斑の北近くに見えるのではないかと思われる。できれば今夜観測していただければ、見えるかも。 (支部通信を書いている10月31日に報告された堀内さんの画像にWSが記録されている)
 2007年に発生した画像を見てどのようなものかを紹介した。



 問題は、リーディングスポットだが、明瞭なWSとしては、まだはっきりせず、もう少し丁寧に見ていきたい。

土星の北極の色変化)

 例会の朝になって三品氏から北極の色が金色になっているという情報が、朝日新聞のウェッブ版に出ているという情報が出たので、今日なって1時間半くらい追跡してみた。確かに金色というか黄色っぽくなっており、色の変化が起こっていることが確認できた。
   2013年には極は黄色でないが、六角形の教区を取り巻く地域が黄色になっていた。
 この画像はGoさんのものだが、極の周りが明らかに黄色い。2016年から7年引くと2009年だがこの年の前後はリングが真横になっており南極と北極がどちらも真横から見えることになるが、注目される北極は黄色っぽく、南極は青っぽい。それ以前の画像も同じ傾向になっている。青っぽいものから黄色っぽいものに変化したというにはあまりに微妙な状態だった。
 ちなみに、探査機やHSTの画像を見るところによれば、色の変化を言うには、われわれの画像では、処理の問題もあり、どうこう言えないように思われる。土星は傾きが大きく変化し、15年間見えなくなる時期がある(日光も当らない)。南半球に日光が当たり始めた数年間はかなり青っぽくなっている様子を観測しているが、北半球も同じように青かったかというと、南半球のような青さはなかったように思う。
 皆さんの観測はいかがでしょうか。

会員話題

(1) 奥田さんの観測所の紹介

 スマホの画像をPCの内蔵カメラで映し出して、観測所の紹介をしていただいた。建築現場の足場用の鉄パイプを骨組みにして、地上高2mの観測台を作られた。課題はコンクリ―トブロックをYの字型に積み上げていき、鉄柱ピラーの三極の足を載せた。震動はないようだ。スライディングルーフの開閉機構の作成が済んで、屋根ができ、望遠鏡も載せられるようになった。
 次回の例会では、画像を見せられると思う。


(2) 熊森さん

 木星会議の時に発表していただいた特別講演の内容のダイジェストをしていただいた。要はサボらないで頑張ること。自身で解決できる環境は徹底的に改修する。筒内気流や環境気流など、身の回りにはそういったものがたくさんある。大気さによる色分散も、精緻な画像になればなるほど影響がはっきりしてくる。地平高度60°でも、大気さによる悪影響は出ている。あらゆる条件を最高にすることが肝要。参加者からは「耳が痛い」との声が上がった。
 これらのものをまとめたDVDを参加者に配布された。


天王星・海王星

 海王星の動画が報告されてきた。かなりの高緯度に目立つWSが動いている。低緯度にも大きな白斑が自転している。(ピクドミディ天文台)その動画を、部屋を真っ暗にして見るとドキッとする。(皆さんもやってみましょう)実は2つの白斑だけではなく、海王星本体に縦じま模様があって、その縦じま模様も自転している。
 海王星表面は横縞だと思っていたが、なんと縦縞! 大きな白斑も立て向きの姿に! これはどのように考えればいいのか・・・
 天王星はピッタリ赤道に細くて白い縞模様が見られる。帯状ではなく、結構細い!特徴的な模様である。
 いずれにせよ日本では、ため息しか出ないが・・・・ ああ・・


事務連絡

会費受領

  永田駿介さん 1000円 (2017年分)ありがとうございました。

(2) 次回例会予定

 10月例会は、木星会議のある月に行います。木星会議に来れなかった方にも話題提供ができるように、木星会議に参加される方は、例会で報告を何かしていただけると嬉しく思います。

  これからの例会は次のようになっております。よろしくお願いいたします。
    2017年 1月例会   1月15日(日)
    2017年 4月例会   4月16日(日)


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