月惑星研究会関西支部例会・支部通信 No.100

2019年10月27日

 支部通信は、今号をもって100号となりました。ようやく大台に乗りました。1年に4号の発行であることから、25年間続けてきたことになります。これも皆さんの参加があってのことで、感謝しています。これからどこまで続くか不安もありますが、引き続き、皆さんのご支援をいただきたく思います。なにとぞよろしくお願い申し上げます。
 今月は加古川市の山岡さんが初参加されました。これから、勉強していきたいとのことで、大変うれしく思いました。今後ともよろしくお願い申し上げます。

参加者

熊森・奥田・荒川・黒田・畑中・安達・山岡  

木星の近況(安達)

(1) SEBsのリング暗斑とSTrBにできたリング暗斑

 画像から、どのようなものかを確認した後、水元氏作成の展開図を使い、現象の確認を行い、最終的に展開図の動画を見ながら、次々に移動してくる暗斑の動きを確認した。
 7月になって、リング暗斑はGRS湾に入ることなく、GRS直前で緯度を南に変え、STrBを前進する動きを示した。動画ではこの様子が非常によくわかった。その後、水元氏の作成されたドリフトチャートを見ながら、動きを確認していった。
 GRSの前後で起こったフレークの活動や、暗斑の移動が見事にとらえられていた。


(2) GRSの大きさとは

 6月に最小になったGRSはグラフ上はたしかにそうみえるが、安達がGRSの扁平率測定の作業をしていて、困ったことが、GRSの大きさである。
 GRSは黒っぽい楕円形のリングになるが、フレークが出るとそのリングよりも大きく見える。その赤い雲の端まで測定すると、GRSが大きくなったように測定されることになる。
 GRSの大きさをどのように定義するかは、問題がある。

 GRSの大きさは小さいほうだと思われる。2000年から2005年の間については、測定値にばらつきがあって、どの位置で測定しているのか分からないものが見られる。


(3) 展開図についている風向きのグラフ

 詳しく見ていないが、展開図についているグラフに目が向いていないが、これをくわしく調べる必要があると思う。


月惑星研究会のサーバー機について

 木星会議で討議するパワーポイントを見ていただき、3月までに行動を起こさなければならないことを説明した。このままではいけないので、木星会議で提案する。
  ・新しいサーバー機にしなくてはいけない。
  ・レンタルサーバーに移行しなくてはいけない。
  ・更新者が必要
 以上のような状田になっていることを理解していただいた。


会員からの持ち寄り話題

(1) 40p始動 (奥田)

 自宅の観測所に念願の40pニュートンが入り、いよいよ始動した。鏡筒バンドなどいろいろ手を加えて、ようやく完成した。
 
 廃材を利用して製作した。星像は満足できるものだった。心配された鏡の光軸は、望遠鏡の位置を変えてもずれることはなく、よく見える。もう25cmには戻れないとか。


(2) 長めのディローテーション処理(熊森)

 木星画像のディローテーションを、長めにする処理をしてみたということで、その処理の過程や出来上がった画像の公開があった。長い時間でも1枚にでき、感心した。


火星シーズンの前に(安達)

 来年の前に、2020年の火星のシーズンにおける、視直径の変化。地平高度の様子などの概観を説明した。2020年は2018年の大接近の大きさの95%になる。しかも観測可能な時期も大幅に長く、事実上の大接近といっても差支えない。
 最接近は10月6日になる。惑理緯度から見て、火星の南半球がよく見え、縮小したSPCが見える。今シーズンはSPCの縮小をつぶさに観測できるシーズンとなる。5月に入ると急に視直径が大きくなってくる。7月には地平高度が40°を越え、視直径も11秒を越え、かなり条件が良くなる。観測最盛期はこの辺りから始まるだろう。年末でも視直径は14秒以上あり、事実上の観測シーズン終了は2021年6月ごろとなるだろう。よって、2020年は一年中観測シーズンと言って差し支えない。
 南極冠は、6月に視直径が10秒を超える。このころは、火星の南半球は春分を過ぎ、夏至に向かっている。南極冠の中央が暗くなったドーナツ状の姿が見られる。この頃には観測がたくさん送られてくると思われる。視直径が4秒になるのは12月。観測はできれば12月から開始していただけると嬉しい。


事務連絡

(1) 会費受領者

 山岡さん 2019年分受領しました。


(2) 振替口座についてのお知らせ

 関西支部では年額1000円で会費をいただいています。皆さんではありませんが、有志の方は送ってくださっています。何とか会場費を、毎回の参加費と合わせて減収にはならずに済んでいます。ご協力ください。
 ところで、振り替えをしていただくと、今までは通知が届いていたのですが、これからは 通知がきません。その代りこちらで(Web)で見に行かないといけなくなりました。もちろん確認はしますが、振り込まれた方は連絡をいただきますよう、お願いいたします。

振込先 00940−6− 132972
    月惑星研究会 関西支部
連絡先 jh_3svw@yahoo.co.jp


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