2016年の火星接近-

                        2015.11.8 月惑例会

                             三品利郎


1.火星の出没時刻(GraphDarkで作成)
2015年11月から一年間、火星の出没時刻を以下のグラフで描きました。
赤い線が南中時刻です。2016年3月上旬には、明け方に南中し、5月中旬には深夜0時前後に南中します。
8月になると南中を過ぎたころに日没になります。



20151108-20161108_graf.jpg


2.接近時のデータ
   
接近日 視直径(秒) Ls
2014年4月14日 15.2 116°
2016年5月30日 18.6 161°
2018年7月31日 24.3 222°
2020年10月6日 22.6 291°
2003年8月27日 25.1 249°
1986年7月16日 23.2 206°
1988年9月22日 23.8 277°

Ls:0  北半球の春分  Ls:90 北半球の夏至
Ls:180 北半球の秋分 Ls:270 北半球の冬至
Ls:70.9  遠日点
LS:250.9 近日点



3.接近時の位置 (Meridianで作成)
上2016年5月30日、 下 2018年7月31日
2016-2018-SKY.png


4.火星の傾き(Winjuposで作成)
2014年から2020年にかけて、接近時の傾きが変わります。
Mars-winjupos.png



5. GWが見ごろ
最接近は5月30日ですが、例年6月8日ごろから7月21日ごろまで梅雨で 観測できないことが多くなります。ですので、GWが観察するのに良さそうです。
4月から6月にかけて望遠鏡を使うと南極フードが消えてゆく様子が観察できます。7月、梅雨が明けると南極冠があらわれているでしょう。
下は、2016年4月30日、23時ごろの様子(Stellariumで作成)です。


stellarium-20160430.png

6.観測に必要な情報の入手

(1)過去の記録
 
月惑のweb

  米山さんの雑記帳
観測している様子が生き生きと伝わるよう書かれており、自分が観測・観望する時のイメージを描きやすいです。

(2)タイムリーな情報
 月惑のwebだけでなく、以下もあります。
 ・
火星観測者ml(欧米の観測者が参加)
  欧米と日本は、見える火星面の経度が違います。米国は-160度、欧州は-220度。
 すると、米国で起きた現象が、1週間もすれば日本で見られるようになります。
 オーストラリアや東アジアの人とは同じ経度を見ています。
 ・
Cloudy Night 米国のBBS

(3)探査機の画像
 
Mars Weather Reports
 (MSSS Mars Captioned Image Releases)
  



以上