月惑星研究会例会通信 No.135

■ 日時:2010年1月31日(日曜) 13時−17時

■ 場所:川崎市多摩市民館(向ヶ丘遊園) 第5会議室

■ 出席者(計19名) 

鈴木達彦、鈴木光枝、米山誠一、三品利郎、石橋 力、友田孝久、成田 広、諸岡 等、
小川英将、山崎明宏、平林 勇、唐澤英行、堀川邦昭、宮内荘治(工学院大)、
石津光啓(工学院大)、平井雄也(理科大)、三盃毅知(理科大)、榎本孝之(理科大)、山田真裕

2010年初の例会。 田部さんが珍しく欠席され、いつも用意していただいていたプロジェクタが無い状態での例会になった。

■ 内 容

1 自己紹介

2 木星面近況(堀川)

2009シーズンの木星観測は概ね終了。
  (プロジェクタ無しの近況は、10数年前の様で懐かしい雰囲気)。

SEBの淡化について

2009年夏以降、淡化が進んでいた。

SEBs・・・淡化。眼視ではほとんど見えない。
SEBn・・・灰色で濃い。
RS・・・・・赤み強く顕著(SEBが淡化すると顕著になる傾向がある)。

RS後方のSEBsにバージが出現していたが。淡化したSEBsの中で目立っている。
8月から11月まで前進していたが、11月中旬にRSの北側に潜り込むような形態になった後、後退に転じた。

近い将来、SEB攪乱が発生する可能性が高い。通常は1〜2年後だが数ヶ月で発生した例もある。
2月28日が合なので、本格的な観測は3月末以降になる。その間に攪乱が発生してしまうと最悪。
   なるべく早く観測を再開して欲しい。

NASAのオートン博士は赤外観測の結果から「合の間に発生する可能性が高い」と、発言している。
過去、1990年に合の間に発生したことがある。

SEB攪乱の見つけ方

初めにSEBZに白斑が出現するのでそれを見つける。←メタンバンドで明るく写るが、非常に小さいので解像度が必要。
その後で出現する暗柱を見つける。←こちらが見つけやすい。

見つけた場合には、すぐに報告を。ただし堀川さんの都合もあるので(寝ているかもしれないので(笑))、月惑のHPに一報を報告するのが良い。

永続白斑「BA」について

不明瞭、暗く赤みがある。
BAすぐ後方STB暗斑が小さくなっている。
所々にSTBの残骸(STB remnant)がある。

3 火星画像に対するアプローチ(三品)

火星の地図は従来のスケッチなどを基にした伝統的な地図と、NASAが作成した緯度経度、標高が書き込まれた地図がある。
伝統的な地図からは地名以外、有用な情報は得られない。

WinJuposを使用すると、緯度経度の他、2点間の距離が測定できる。
画像にある小さな斑点状の雲の緯度、経度を測り、NASAの地図と照合するとオリンポス山の山岳雲だ、などと特定することができる。

フリーソフト「カシミール」を使用すると、火星や金星の地上の様子を把握する事ができる。  

4 HIIBロケット打ち上げ見学紹介(友田)

種子島まで出かけ、打ち上げ風景を撮影した。
発射台から3km。
露出の設定など、一発勝負なので難しい。

5 観測機材の紹介(榎本)

米山さんから望遠鏡(20cm反射)を譲ってもらったので撮像を試みている。Webカメラ(Logicool製)を購入し 素子を取り出して市販ケースに格納。
拡大率を稼ぎたかったので、ラップの芯を延長筒として活用。キャプチャ用フリーソフトを使用して撮像した火星の画像が披露された。
 今後の活躍が期待される。

6 木星スケッチ用紙印刷について(諸岡、山田)

観測者は少なくなってしまったが、大学天文サークル等で眼視観測をしたいという動きがあり、必要な時に供給源が無いのは問題ということで、月惑として1000枚注文しストックすることになった。
今後、要請があるときには原価で提供する。 MLなどで注文を募る。

7 安価なフィルムスキャナーの紹介(三品)

ヤシカブランドの1万円を切るフィルムスキャナを購入した。 白黒写真を取り込むには十二分な性能なので紹介したい。

8 観測機材の紹介(山崎)

昨年3月に約10年ぶりに天文に復帰した。 仕事柄、産業用カメラを職場で使用していて、展示会で見つけたカメラを観測用に転用した。
望遠鏡はOMC−200を使用(焦点距離4000mm)。
色収差があるのでRGBに分けて撮影しているが、色ごとにピント位置が違うので、木星撮影の際は非常に忙しい。

9 次回例会案内

2010年3月頃を予定(未定) 多摩市民館を予定。
*その後二次会が行われ12名が参加。さまざまな情報交換がされた。



例会の様子
例会の様子
例会の様子
例会の様子



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