■ 内 容
1 自己紹介
2 木星面近況(堀川)
2010シーズンの観測を開始。
まだ観測量は少ない。
・SEBの淡化について
過去のSEB淡化
2007年・・・・・・・・中途半端。淡化完了前に攪乱発生
1992年後半〜1993年・・SEBn〜EZsが薄暗かった
1989年・・・・・・・・全体淡化
1973年〜75年・・・・・SEBn〜EZsが濃い
1972年・・・・・・・・EZが濃い
1969年〜1971年
1940年代〜1960年・・・3年おきに濃淡繰り返す
RS後方の方が淡い。RSが濃くなってきている。
画像だと濃く見えるが、眼視だとそれ程濃く見えない。
メタンバンドで撮影するとSEBは縞のまま変化が無い。
SEBの濃淡は雲の粒の性質の違いの可能性もある。
必ずしも成分の違いではない。
*地球の雲も黒っぽかったり白かったりする。
SEBとRSは
SEB濃→RS淡
SEB淡→RS濃
と変化する相関関係がある。
1980年代はRSが濃くなると経度が後退、薄くなると前進する傾向にあった。
・NEB
拡幅現象が完了。太くなった。だがメタンバンドで観測すると細いまま。
・BA
2005年に赤くなったBAは昨年色が淡くなり、今年は再び赤くなっている。
RSに対して0.5°/day のペースで前進しており、9月頭にはRSに追いつきそう。
・その他の地域
概ね昨年と同じ。
・SEB攪乱
SEBが淡化すると、数ヶ月〜数年後に攪乱が発生する。
こちらの方がメインイベントなので、見逃せない。
始めにサメのヒレの様な形の「暗柱」が出現する。(中央分枝)
その後、南分枝として「高速後退暗斑」、北分枝として「暗斑」や「白斑」が出現。
短期間のうちにSEBが復活する。
暗柱を検出した場合には、月惑星研究会のHPに報告すること。
RS前方にSEBの痕跡である暗部があり、紛らわしいので注意。
暗柱の出現場所を予測する方法として「リースの仮説」を使う手もある。
あくまで「仮説」であるが、無視は出来ない。
3 惑星撮影にも使えそうなカメラの比較(三品)
三品さんより、一眼デジカメや、ハンディービデオで惑星観測に使用できそうな機種を紹介していただいた。
実機での使用報告が待ちどおしい。
4 宮崎放送の番組上映(田部)
1940年代から木星観測をされていた、宮崎県出身の薦田一吉さんを紹介する番組を上映。
田部さんが提供した薦田さんの木星スケッチも紹介されていた。
5 大赤斑の回転について(榎本)
画像を用いて、大赤斑の回転周期を求めてみた。
測定するにあたって、大赤斑の中心を目分量で決め、回転中に引き伸ばされた模様については、前端を基準に算出した。
測定結果
2009 07/22〜07/24 4d20h
2009 08/02〜08/05 5d06h
2009 09/10〜09/12 4d19h
2009 10/07〜10/09 4d03h
2010 04/17〜04/19 5d21h
今年に入って若干遅くなっている気がする。
あまり一定していない。
・発表を聞いた上での周囲の意見
RGBそれぞれで測ると正確になるかも。
大赤斑を真上から見た画に補正してから測定してみては?
探査機の画像で測って比較してみては?
BAAは周期5日程度だと測定しているので、良い線だと思う。
6 ToUCamの動画を圧縮する(中村)
ToUCamで撮影した動画の容量が莫大で、すぐにハードディスクが埋まってしまう。
そこで、圧縮した動画で観測に使える画像を得られるだろうか?
・フリーソフト「Any Video Converter」を使用。
・テスト動画
撮影場所:満天星の天文台(石川県鳳至郡能登町)
撮影機材:60cm反射望遠鏡 焦点距離4800mm
撮影日:2009年8月19日 23:47:50
天候:晴れ(薄もや)
撮影時間:60秒
解像度:640×480
フレームレート:15f/s
コーデック:1420
総フレーム数:1351
ファイルサイズ:608MB
・圧縮結果
ファイルサイズ:600MB → 12MB
ビットレート:55365kbps → 1119kbps
フレーム数:変化なし
ではRegistaxを使用するとどうなるのか?
まとめ
・ファイルサイズは小さくなるがノイズが発生
・変換方法など改善の余地あり
・コーデックの種類と方法を勉強する必要がある。
・高解像度の画像で通用するのか?
7 土星の白斑について(堀川)
白斑が発生している。
3月に10°(体系III)あたりに出現。
4月後半から不明瞭になり、経度も15°〜40°くらいまで幅が広がった。
5月に消失。
過去、5〜6年、同じ様な白斑が何回か出現している。
白斑の発生源は徐々に後退している。
土星でこれだけ長期の活動が継続しているのは珍しい。
8 次回例会案内
2010年7月25日。 多摩市民館にて。
*その後二次会が行われ22名が参加。さまざまな情報交換がされた。
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