■ 日時：２０１０年１２月１２日（日曜）　13時−17時

■ 場所：川崎市多摩市民館（向ヶ丘遊園）　第４会議室

■ 出席者（計２２名）敬称略　

田部一志、平林　勇、石橋　力、佐藤康明、斉藤　靖、最上　聡、成田　広、米山誠一、
山崎明宏、鈴木達彦、鈴木重則、三品利郎、堀川邦昭、三盃穀知（理科大）、
武島佑季（帝京大）、牛尾亮太（東海大）、友野弥生（東海大）、��木健太（東海大）、
榎本孝之（理科大）、宮内荘治（工学院大）、石津光啓（工学院大）、山田真裕

南赤道縞攪乱が進行する中での例会。
近況は攪乱一色となった。

■ 内　容

１　自己紹介

鈴木達：

明治の学祭に行った。自宅はマンションの５Ｆ。室外機の熱でシーイングが悪い。

三品 ：

カメラを変えた。クセがあり調べているがシーイングが悪い。２ヶ月くらいで完了したい。

宮内 ：

卒論が忙しい。雷関係の研究をしている。

石津 ：

サークルの望遠鏡を壊してしまった。最近は変光星を見ている。

榎本 ：

攪乱を１回見た。暗柱は見えたがシーイングが悪い。

鈴木重：

無線ＬＡＮをここで使用できるようにしたので使って欲しい。

友野 ：

攪乱の模様をまだ見れていない。シーイングが悪い。

山田 ：

前回の例会の後、風邪をこじらせ入院する羽目になった。

��木 ：

暗柱を１回見た。

牛尾 ：

惑星班班長を引退し、太陽班班長になった。

堀川 ：

現在は諸事情で在宅勤務という形になっている。観測は１６ｃｍ中心。

武島 ：

初参加。先日の田部さんの勉強会に参加した。

米山 ：

攪乱が見えるタイミングの時には定時で飛び出してやっと間に合う。

山崎 ：

１１月後半から体調が悪い。土星は全敗。

成田 ：

ビデオを持ってきた。時間があれば上映して欲しい。

最上 ：

DMK21をデビューさせた。昨晩寝ていないので倒れそう。

斉藤 ：

３月に大学を卒業した。大学では天文の勉強をしていた。天文ガイドで月惑を知った。

三盃 ：

飯田橋駅の駅前で観望会を開催した。中間テストで観測できていない。

佐藤 ：

５月に来て以来。今日で３回目。シーイングが悪い。

石橋 ：

暗柱は見えづらい、無いといっても良い。今までのパターンと違う。

田部 ：

朝日新聞の取材を受けた。淡化についてだったのだが、ＡＥＲＡに掲載直後に攪乱が発生。

平林 ：

攪乱発生が思ったよりも早かった。発見が海外で残念。１９５８年の攪乱に近いという印象。

２　木星面近況（堀川）

　南赤道縞攪乱が発生したが、シーイングが悪い季節になってしまった。

　暗柱は目立たないが『典型的』なＳＥＢ攪乱。
　南分枝は活発だが、発生初期の北分枝が比較的おとなしかった。

11/9 白斑発生

　フィリピンのGoさんが発見

　前々から予想されていたＳＥＢのバージの残骸の場所で発生。
　過去の攪乱でも同様の残骸付近から発生した事がある。

　白斑はメタンで非常に明るい。
　眼視ではよく見えなかった。

　リースの仮説の位置からは外れている。
　過去、仮説の位置から外れているのは第２攪乱であったり、変則的な攪乱だったが、今回はメインの攪乱で外れた。

11/11-12 暗柱が出現

　今までと印象が違う。
　今までは北側から南に向かってサメのヒレ状に突起した暗柱が出ていたが、今回は白斑後方の南側から北側に回りこむような形状。

11/14 南分枝出現

11/15 ２個目の白斑出現

11/19 ３個目の白斑出現

11/20 北分枝、ほとんど見られない

　ＳＥＢｓに魚の鱗状の模様がある。ほぼ６°間隔。
　南分枝がこの模様に乗っているので、先頭が模様にまぎれてしまい、よくわからない。

11/24 暗柱が傾いている

11/27 ＳＥＢｎに暗部出現

　今回は発生源が南よりだったので、南分枝が先行したのではないか。
　１９７５年は北よりで発生、ＥＺに達するくらい北分枝が活発だった。

　発生源付近にあったバージ同様、発生源が後退している可能性がある。
　１９７５年は発生源が前進した。

11/29-12/1 北分枝が急速に拡大

12/3-4 暗柱の色が普段のＳＥＢの色になっているように見える

12/9 南分枝に大きな暗部発生

　正月には大赤斑に到達するかも

12/10 北分枝、大赤斑北方に到達。

　大赤斑の左上方のＳＴｒＺが赤い。ＳＴＢの暗斑群が影響しているのか？

３　イースター島皆既日食（石橋）

石橋さん撮影の皆既日食の様子を上映していただいた。

４　メタンバンドによる撮影（山崎）

メタンバンドで撮影する雲は、どの領域を撮影したものなのか考察してみた。

0.5 Barあたりの雲を撮影しているのだが、これは可視光で見ている雲より上方を見ている。
→奥まで光が届いていない。

木星会議で、ＳＥＢが淡化している時には、ＳＥＢ上部に白い雲の膜ができている、という仮説を聞いた。
が、メタンで撮影すると、ＳＥＢは淡化しても、画像では暗いままである。
そこで、メタンバンドでは届かない深さで、周囲より高い雲である、という可能性を考えた。

吸収帯 889nm → 727nm → 619nm の順で深い領域まで見る事ができる。

727nmの代用で729nmのフィルタとメタンを吸収しない750nmのフィルタで撮影し、
２つの画像を割り算する事で、雲の反射率を排除して、メタンの吸収率のみ反映した画像を得る事ができる。

この画像と889nmで撮影した画像を比較すると、ＮＥＢとＥＺは明るさがほぼ同じに写る。
しかしＳＥＢの明るさにズレが生じて写る。
→ ＳＥＢの上部に「もや」がかかっている可能性が高いと思われる。

まとめ
・メタンバンドの撮影で得られる雲の高さは可視光での雲のイメージと必ずしも一致するわけでは
ない。
・雲はいくつかの階層に分かれていて、波長によって見える範囲が異なる。
・ＳＥＢ淡化時、その付近には通常よりも雲が高くなっている可能性がある。これは、濃いベルトを
形成している雲の上を別の雲が覆っていると考えられる。

５　次回例会案内

未定

＊その後二次会が行われ２２名が参加。さまざまな情報交換がされた。