月惑星研究会例会通信 No.151■ 日時:2013年05月26日(日曜) 13時−17時 ■ 場所:国立天文台三鷹キャンパス すばる棟大会議室 ■ 出席者(計31名)敬称略
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■ 内 容 1 自己紹介
2 木・土星の近況(堀川)木星の近況A. NEBの白班この緯度帯では異例の大きさである。 昨年7月末の270°から今年5月に300°付近に他の白班を吸収しながら前進しており、そのドリフト スピードはとても早い。 B. BA STBのレムナントは3月末にBAに追いつき、ぶつかった後にはBAの南を回って前方に出てきた。 BAの加速減速とSTBレムナントの衝突のタイミングはシンクロしている。 BAの経度変化は振動しているように見えるが、いまのところはっきりしたことは言えない。 C. 大赤斑 赤みがまして、非常に明瞭である。 いくつかの暗斑が取り込まれた影響もあってか、少し膨らんだような印象。 SEBと大赤斑の色の濃さの関係(一方が濃いともう一方は淡い)が今回は逆センスになっている。 D. NEB 北側が不明瞭になって来ている。幅の減少に伴うものであると考えられるが、最近その進行が遅い。 E. SSTBの白班 白班同士の間隔が狭くなって来ていると前回報告したが、その進行はやや停滞している。 F. BA直後のゴマ状暗斑 ゴマ状暗斑とは、かつてのSTBレムナントの成れの果てである。 3月には周りに白いものにまとわりつかれていた。 4月11,21日には完全に白班になっている。 5月の最後の観測でもまだ白班になっている。そのうちつぶれてなくなってしまうだろう。 G. EZの北側 5月19日の画像でNEBにベイのようなものが出来ている。最近は見ないパターンだが、珍しいものでは ない。 土星の近況A. 北極に六角形が見えるボイジャーの観測で見つかった模様。アマチュアの観測でも明瞭に見える。 プラネタリー波の一種だろう。 六角形の角の経度に明瞭な変化は認められない。 B. ハイリゲンシャイン現象 毎年衝の頃になると土星の環が明るくなる現象。 土星の環は氷のクラスターであり、太陽光線の反射特性により衝の頃に明るく見えるようになる。 C. A環の外側に黒い筋が見える 輪の影が輪の南側に見えるようになった。 太陽,地球,土星の位置関係によって、地球から見たときの環の影の配置(環の南・北のどちらに あるか)が変わってくる。 3 惑星フェスティバル(仮)(明治大学法学部3年戸塚)惑星観測における知識・経験の差を埋めることを目的として学生向けに催したい。観測対象編:観測対象となる惑星について簡単な紹介 観測機材編:惑星観測に最適な機材の再確認 観測編:イメージング、スケッチ その後編:画像に何の情報を載せるか共有したい 大学間でデータ整理・共有方法等を共通させたい。 田部さんからのコメント:あくまで「フェスティバル」ということで、気楽にやってみるのが良いと思う。 4 閃光観測計画(田部)木星面に小天体が衝突する際の閃光を捉える観測。昨年は三鷹、名寄、川崎、姫路などで同時観測を行ったが残念ながら捉えることは出来なかった。 今回はまず11月の学園祭に被らない日程で、明け方の木星を観測する予定。 昨年同様、多数の学生と協力して行う。 5 観測機材の紹介(山崎)*Point Grey社 BlackFly(BFLY-PGE-05S2M-CS)SONY製ICX693チップを搭載 800*600、ピクセルサイズ6um PoEイーサネット接続 36000円 特徴 -小型軽量最大50FPS、AD変換が12bitで、諧調とびが小さい -RGBの感度差が小さい -全体的な感度が高く、特に短波長側は以前のものより高い(長波長側(赤外)では大きな差はない) *ZWO Design社 ASI120MM Aptinal Imaging MT9M034を搭載 1280*960、ピクセルサイズ3.75um USB接続 $296 特徴 -惑星観測に十分使用可能なCMOS -感度は最先端(ICX445)と比較してもほぼ同等 -感度特性は緑でピーク(可視光を意識している) -ローリングシャッターであるが、良シーイング時での観測なら気にならないと考えられる 6 日食ビデオの一部上映(石橋)7 次回例会未定。(8月4日@川崎市多摩区民館で調整中...)○例会後は調布駅前の居酒屋で2次会 |
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