月惑星研究会例会通信 No.152■ 日時:2013年08月04日(日曜) 13時−17時 ■ 場所:相模原市市民大学交流センター(ユニコムプラザさがみはら) ■ 出席者(計31名)敬称略
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■ 内 容 1 自己紹介
2 近況(堀川)木星の近況今シーズンの最初の観測は永長さん大赤斑: 体系IIで196°付近にあり、前シーズンと変わらず赤みがある。前シーズンの終わりは195°あたりに あったので後退している。2004年に100°を超え、間もなく200°に達しようとしている。 SEB: 大赤斑の前方に大きな白班がある。Goさんの4月の画像にも写っているが、構造が不明瞭で実態は よく分からない。大赤斑に近づいているので接近した際の動向に注目されたい。 post-GRS disturbanceと呼ばれる大赤斑後方の幅広く2条になっている領域が、以前に比べやや長く なっている。 SEB南縁に暗斑が発生して凸凹しているように見える領域がある。ジェットストリームに乗って高速で 後退する暗斑かどうか、シーイングが良くなったら個々の暗斑の動きを追ってみる必要がある。 SEBが長期安定型の状態になっているので、mid-SEB outbreakと呼ばれる激しい現象が起きるかも しれない。 NEB: 太くなっていたが、ベルトの北側の端が淡化して細くなっている。先シーズンはこの緯度帯で白班の合 体現象があった。WSZがどうなっているのかが不明瞭で、気になるところである。 BA: 小さな暗斑がBAの北側に回り込んでぶつかった。STBでは小さな暗斑やFFRと呼ばれる青い領域が 長い暗部に成長して、BAに衝突するというパターンが繰り返されている。 NTB: 南側が赤っぽくなって淡化したため、ベルトが北よりに見える。 SSTBの白班: SSTBにはA1?8、A0の9個の長命な白班群がある。これらについて0.94°前進する特殊経度で白班 の経度を並べてみた。これまでA2が消えたと思っていたが、じつは連続性があることが見て取れる。従 ってこの先は新しく出来たと思われていたA9の表記をなくして表現することにする。 ・これらの白班群はRS, BAと白班が会合した後、収束に向かっているように見える。 ・ふらつきが大きいように見える。 ・STBの淡化域は白班同士の距離を広げるような性質があるように見える。 ・ドリフトのスピードはこの緯度帯のジェットストリームの早さと同程度。 土星の近況Polar hexagon:去年も見えていた可能性があるが、周囲が暗かったのでよく見えなかった。体系3の回転周期に固定 されているように見える。 STB: 赤みのあるSEBの北側領域が暗化し、STBが復活しているように見える。 質問:傾きによる季節変化のようなものはあるのか? →北半球が見えるようになってからは、青みがかっていたものが赤っぽく見えるようになって来た。 南半球は逆に影になって行くに連れて色調が無くなり青っぽくなるような印象。 →Ingersolによると光が当たるようになると化学変化が起きて色が変わるのだと説明していた。 →地上観測は地上の観測的条件による影響を受けるので、周回探査機のデータを見た方が良いだ ろう。日の当たらない半球を熱赤外線ではかると、想定以上の温度になっていることが知られている。 土星以外の惑星にもあるようだが、夜半球に熱を運ぶメカニズムがあるようだ。 環のスポーク現象: 最近は見られない。 3 火星着陸機・ローバー生命探査を主とする複合科学探査計画(佐藤)日本の将来火星探査計画の話4 2014〜2020年の火星接近(三品)火星観測に必要な情報を得る場所の紹介や、観測計画の立て方、観測上の注意など。【リンク参照:Mars2014-20-Reikai20130804.mht】 5 日食ビデオ(石橋氏の代理)昨年の金環日食の観測記録ビデオを上映。6 木星閃光観測(田部)閃光観測のお手伝いをしてもらえる学生さん向けに勉強会を開くので、是非参加してください。コメント:メタンバンドで観測したときに上部の発光現象がよく捉えられたとしても、CCDの量子効率の 観点からあまり良いS/Nが得られない気がする。流星輝線(Mgなど)のフィルターで観測してみてはどう か。 7 久しぶりに参加された近内さんの話火星観測は火星の太陽系1周をみて一人前だと考えている。自分で見られなかったぶんを人の観測 や文献などで埋め合わせて来たが、見た気になれない。やはり自分でがんばってみようと考えている。8 最上さんの望遠鏡について(米山)山梨の76cm望遠鏡の内覧会が行われるので、参加したい方は申し出てください。9 次回例会10月頃の予定。(詳しくは後日連絡)○例会終了後は階下の居酒屋で2次会 |
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