月惑星研究会例会通信 No.152

■ 日時:2013年08月04日(日曜) 13時−17時

■ 場所:相模原市市民大学交流センター(ユニコムプラザさがみはら)

■ 出席者(計31名)敬称略 

田部一志、米山誠一、近内令一、平林勇、成田広、冨田安明、細谷美和、宮田功太郎、
小澤徳次郎、川井智陽、檜木梨花子、豊永洸大、秋山敬祐、諏訪允俊、藤野孝政、
鎌田太陽、戸塚一、松本大輝、佐藤毅彦、山崎明宏、三品利郎、齊藤美和、堀川邦昭、
鈴木達彦、吉田順平、村上爽太、高倉潤、秋山航太郎、増田健汰郎、関口将大、榎本孝之
集合写真


■ 内 容

1 自己紹介

田部:
相模大野駅のすぐそばに会場を変えてみたが、意外と迷う人が多かったようだ。
米山:
前回から何もやっていない。
平林:
道に迷った。プライベート天文台で紹介されたが、次号で山崎さん、石橋さんも紹介された。小惑星(6878 Isamu)が現在水瓶座を順行している。
近内:
月惑星研究会創設当時からのメンバー、1967年頃から平林会長に鍛えられた。本来は望遠鏡や機材が好きな人だが、眼視スケッチなどを通じ、火星通信を書くようになった。
成田:
7月に観望会をやった。天気が悪くて思うように見ることが出来ない。
富田:
群馬から来た。2年ぶり。良い写真が撮れたら公開したい
細谷:
明治大学2年、久しぶりに土星を観測した。忘れていることが多いのでこれからがんばるつもりだ。
宮田:
明治大学2年、惑星班長。彗星会議に参加したが、顔見知りが渡部先生しかいなかった。またCAMP'13にも参加し、顔が広がった。夏合宿は新潟に行きスピカ食を狙う。
小澤:
八王子から来た。場所が分かりづらかった。天気が悪いのでなかなか撮影・報告出来ない。やっと撮れたのはシーイングの良い瞬間を狙ったもの。
川井:
東京理科大学、初めての参加。
檜木:
榎本に誘われて初めて参加しに来た。昨日まで星景写真の講座のため長野におり、そこから直行して来た。
豊永:
東京理科大学、惑星に興味のある新入生が多い。まだテスト期間だが参加しに来た。
秋山:
明治大学3年、合宿参加などのためのお金の工面が大変。
諏訪:
明治大学3年、カメラを買った。
藤野:
明治大学1年、他の人よりも単位を多く落とした。
鎌田:
観測が出来ない。カメラを買った。木星閃光観測をがんばりましょう
戸塚:
明治大学天文部に復帰。ドームの調子が悪く、望遠鏡MT200が使えない。
松本:
榎本に月惑の話を聞き参加しに来た。三鷹の天文台でアルバイトをしていた。
佐藤:
自宅の近所での開催ということで、久しぶりに参加してみようと思った。若い人が多く、安心している。普段は宇宙研で学生のお世話する合間に業務をこなしている。
山崎:
奥さんが海外留学から帰って来た。望遠鏡を買ったことに対しては何も言われなかった。
三品:
道に迷った。今日は火星の話をする。
斉藤:
千葉の某プラネタリウムに勤務している。ようやく木星が見られるので暑苦しくプラネタリウムで話をしたい。
堀川:
懐かしい面々に会えて嬉しい。木星が双子座まで来たので家からみるのが大変。
鈴木(達):
明治大学OB。今日は懐かしい面々に会えて嬉しい。
増田:
東海大、たまプラーザで星の解説員として解説する。
秋山:
東海大、観測はあまり出来ていない。
高倉:
東海大、班長、土星のスケッチをした。合宿の計画
村上:
東京理科大学、2回目の参加、合宿で積極的に活動したい。
榎本:
例会通信を担当している。今日は友人を二人呼んだ。
吉田:
東邦高校2年、月惑の参加は3回目、米井さんが大学受験で来られなくなった。部活のルールが厳しくなり、活動が停滞している。
関口:
東京理科大学2年、星野班班長をやっている。

例会の様子
例会の様子


2 近況(堀川)

木星の近況

 今シーズンの最初の観測は永長さん
 大赤斑:
  体系IIで196°付近にあり、前シーズンと変わらず赤みがある。前シーズンの終わりは195°あたりに あったので後退している。2004年に100°を超え、間もなく200°に達しようとしている。

例会の様子


 SEB:
  大赤斑の前方に大きな白班がある。Goさんの4月の画像にも写っているが、構造が不明瞭で実態は よく分からない。大赤斑に近づいているので接近した際の動向に注目されたい。
  post-GRS disturbanceと呼ばれる大赤斑後方の幅広く2条になっている領域が、以前に比べやや長く なっている。
  SEB南縁に暗斑が発生して凸凹しているように見える領域がある。ジェットストリームに乗って高速で 後退する暗斑かどうか、シーイングが良くなったら個々の暗斑の動きを追ってみる必要がある。
  SEBが長期安定型の状態になっているので、mid-SEB outbreakと呼ばれる激しい現象が起きるかも しれない。
 NEB:
  太くなっていたが、ベルトの北側の端が淡化して細くなっている。先シーズンはこの緯度帯で白班の合 体現象があった。WSZがどうなっているのかが不明瞭で、気になるところである。
 BA:
  小さな暗斑がBAの北側に回り込んでぶつかった。STBでは小さな暗斑やFFRと呼ばれる青い領域が 長い暗部に成長して、BAに衝突するというパターンが繰り返されている。
 NTB:
  南側が赤っぽくなって淡化したため、ベルトが北よりに見える。
 SSTBの白班:
  SSTBにはA1?8、A0の9個の長命な白班群がある。これらについて0.94°前進する特殊経度で白班 の経度を並べてみた。これまでA2が消えたと思っていたが、じつは連続性があることが見て取れる。従 ってこの先は新しく出来たと思われていたA9の表記をなくして表現することにする。

例会の様子


  ・これらの白班群はRS, BAと白班が会合した後、収束に向かっているように見える。
  ・ふらつきが大きいように見える。
  ・STBの淡化域は白班同士の距離を広げるような性質があるように見える。
  ・ドリフトのスピードはこの緯度帯のジェットストリームの早さと同程度。

例会の様子



土星の近況

 Polar hexagon:
  去年も見えていた可能性があるが、周囲が暗かったのでよく見えなかった。体系3の回転周期に固定 されているように見える。

例会の様子


 STB:
  赤みのあるSEBの北側領域が暗化し、STBが復活しているように見える。
  質問:傾きによる季節変化のようなものはあるのか?
   →北半球が見えるようになってからは、青みがかっていたものが赤っぽく見えるようになって来た。   南半球は逆に影になって行くに連れて色調が無くなり青っぽくなるような印象。
   →Ingersolによると光が当たるようになると化学変化が起きて色が変わるのだと説明していた。
   →地上観測は地上の観測的条件による影響を受けるので、周回探査機のデータを見た方が良いだ  ろう。日の当たらない半球を熱赤外線ではかると、想定以上の温度になっていることが知られている。  土星以外の惑星にもあるようだが、夜半球に熱を運ぶメカニズムがあるようだ。

 環のスポーク現象:
  最近は見られない。

3 火星着陸機・ローバー生命探査を主とする複合科学探査計画(佐藤)

 日本の将来火星探査計画の話
例会の様子


4 2014〜2020年の火星接近(三品)

  火星観測に必要な情報を得る場所の紹介や、観測計画の立て方、観測上の注意など。
  【リンク参照:Mars2014-20-Reikai20130804.mht
例会の様子


5 日食ビデオ(石橋氏の代理)

  昨年の金環日食の観測記録ビデオを上映。

6 木星閃光観測(田部)

  閃光観測のお手伝いをしてもらえる学生さん向けに勉強会を開くので、是非参加してください。
  コメント:メタンバンドで観測したときに上部の発光現象がよく捉えられたとしても、CCDの量子効率の 観点からあまり良いS/Nが得られない気がする。流星輝線(Mgなど)のフィルターで観測してみてはどう か。

7 久しぶりに参加された近内さんの話

  火星観測は火星の太陽系1周をみて一人前だと考えている。自分で見られなかったぶんを人の観測 や文献などで埋め合わせて来たが、見た気になれない。やはり自分でがんばってみようと考えている。

8 最上さんの望遠鏡について(米山)

  山梨の76cm望遠鏡の内覧会が行われるので、参加したい方は申し出てください。

9 次回例会

  10月頃の予定。(詳しくは後日連絡)

○例会終了後は階下の居酒屋で2次会

例会の様子


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