月惑星研究会例会通信 No.164■ 日 時 : 2016年8月28日(日曜)13時−17時半 ■ 場 所 : 明治大学駿河台キャンパスリバティタワー16階、1163教室 ■ 出席者 : 54名(敬称略、自己紹介順) 鈴木達彦、堀井恵策、金井康哲、中田 昌、吉田順平、石原三咲、福井幸亮、鈴木重則、三谷祥二、 久能友宏、上田真結、吉村光史、大和田篤、森谷 諒、龍華良典、羽場拓実、藤巻 顕、畑中明利、 柚木健吉、蓮尾隆一、青木和夫、長瀬雅明、鈴木正治、内藤峰夫、野原秀憲、海老塚昇、近内令一、 石橋 力、塩田和生、山崎明宏、米山誠一、小山田博之、冨田安明、熊森照明、小澤徳二郎、 岩政隆一、魚見和久、永長英夫、阿久津富夫、Christopher Go、田部一志、三品利郎、斉藤美和、 堀川邦昭、栗原 工、松岡義一、唐澤英行、唐澤ヒロ子、山田明彦、杉本幸子、平林 勇、 皆川伸也、橋野英嗣、鈴木光枝 |
■ 内 容 0.自己紹介自己紹介は、個人情報保護の観点により削除しました。 1.木星の近況(堀川)7月27日から30日の永長氏の木星展開図を使って各部の様子を説明された。 衝から4ヵ月過ぎにこれだけの展開図が得られる事は凄いと思われる。 1)前回の例会で紹介した5月の画像と比較したが、風の流れによる通常の動きはあるが、異常な変化は無い。 一つだけ、GRSの周辺部に暗部が発生している。 2)GRS周辺部での大きな変化は、GRS前方のリング暗斑がGRSと会合です。この例会に参加されたGoさんの画像を 使って説明された。昨年末にGRS前方にリング暗斑が発生し、SEB南端の流れに乗り年初はGRSに接近していた。 4月頃に接近が止まり5月中旬から一旦離れ始めた。その後接近を再開し、7月下旬にGRSに会合した。 7月22日のAnthony Wesley氏の赤外画像では、GRSの湾内に確認できたが、24日の画像では確認できない。 リング暗斑がGRSに会合した頃からGRSの周りに暗い縁取りが発生し、GRSの後ろに黒い塊ができた。 GRSに取り込まれたリング暗斑の崩れた物がGRSの回りをまわってGRSを縁取ったと思われる。 黒いものはGRSの上だけでなく前方にも薄暗い模様が広がった。昨年にも同様な事象が起きた。 この様な現象の後はGRSが淡くなることが多いが、今回はGRSは赤く明瞭なままです。 4月から5月頃にリング暗斑のGRS接近が止まった理由は、リング暗斑が大きくなり、SEBsの後退ジェットから 少し南に離れたためと思われる。その後、リング暗斑が崩れて縮小した為、GRSへの進行が再開したと 思われる。リング暗斑は左回りの高気圧的な渦です。 3)GRS自体は、体系2で250度を越えた。シーズン始めは230度台だったので、1シーズンで20度程度で、 後退速度は大きい。BAが接近中で、今年の秋に大赤斑の南側を通過する。 GRSの縮小化は止まり安定している。GRS固有の90日周期で振動しており、3月と6月に後退速度が増した。 1974年からのGRSの画像を並べて比較すると、最近のGRSは赤味が増して顕著になっている。1970年代は 赤みが強かった。その後は淡くなる傾向だったが、2012年以降赤みが増している。 4)ALPO-Jに集まっている画像からアニメーションを作成した。2日分の画像から1枚の全面展開図画が作れる。 昨年の12月中旬から今年の6月中旬の69名527画像から作成した展開図から作成したアニメーションです。 アニメーションで眺めると東西方向に激しく動いている様子がよく判り、静止画像では細かな事には気が 付かない事に気が付くので、アニメーションは重要なツールになると思われる。 アニメーションでは、幅が広かったNEBが細くなる様子やGRS後方の白斑群の変化の様子が良く判る。 また、SSTBの8個の白斑が集まり始めている様子も判る。STBに小さな斑点が多数あり動き回っている様子も判る。 この斑点は、BA後方のSTBの残骸やSTBゴーストやSTBスペクターの3ヶ所から放出されている。 STBの領域は淡化しているが、STBの残骸・STBゴースト・STBスペクターで3分割状態と思われ、BAが消えれば 3分割された領域から新しい永続白斑が形成されるかも。 5)5年毎に起きているNEBの全面拡幅が起きなかったのは、WSZが邪魔していると思われる。 WSZは、NEBnで支配的な白斑で、今後の変化が気になる。赤化してRSになる可能性もある。 6)来シーズンの展望: ・NTBs Jetstream outbreakが起きそう。約5年周期で発生しており前回は2012年に発生。 NTBsにメタンブライトの白斑(Leading Spot)が発生し高速で前進し、その後方が乱れる現象。 ・GRSがむき出しになるか、縁取り囲まれて淡くなるか。GRSは縁取りの発達後に淡化することが多い。 ・Mid-SEB outbreak(SEB内部で起こる激しい白雲活動)が起きそう。SEBが濃化安定な時期に発生する。 ・SSTBにある8個のAWO同士の合体が起きる可能性がある。今年の11月にGRS・BA・AWOの三重会合が起こる。 過去に三重会合の前後にAWO同士の合体が起こりやすい。 堀川氏の解説資料 → 堀川氏の解説資料(PDFファイル) 堀川氏の解説中で使用された動画(AVI)を以下にリンクします。単純にクリックしても動画が再生されない場合は、 右クリックでファイルを保存し、そのダウンロードファイルをWindows Media Playerで再生して下さい。 ・木星面全体の動画(17MB) 2.High Resolution Planetary Imaging Workflow(Christopher Go)Christopher Go氏の講演のポイントを以下に示すが、AutoStakkert2、Registax、WinJuposの DeRotation処理の詳細は、説明が難しいので省略します。最後に掲載するChristopher Go氏の 講演資料を参考にして下さい。 講演のポイント(質問への回答も含む) ・私の画像処理は、AutoStakkert2とRegistaxが中心なので、基本的には皆さんと同じです。 ・使用しているカメラはカラーのCCDカメラとモノクロのカメラの2種類で、モノクロの方が安価で簡単。 ・カラーCCDでは、ADC(大気分散補正プリズム装置)を使うことがポイント。 ・モノクロカメラではRGB合成が基本で、ADCは使わなくても良い。RGB合成を行う場合はフィルタが 必要となり費用がかかる。 ・カメラ以外の主な使用機材は、説明資料の4ページ目に記載している。メタンバンドフィルタは木星用。 ピント合わせにはモーターフォーカサーが便利。振動防止にはVibration Suppression Padsが有効。 ・バローレンズはAstroPhysics社製が良い。色収差が良く補正されているからR・G・Bの各フィルター でピントの移動がない。 ・惑星観測にはシーイングの良さが最も重要。良いシーイングを得る為には、以下の様な工夫が良い。 高度が高い時に撮影する。観測場所がコンクリートなら、水を撒き冷やす。白い塗装をする。 冷却用のファンなどで、鏡筒内外の温度を揃える。鏡筒の温度順応は、放置するだけなら 3時間程度かかる。 C14は主鏡押さえの3個のノブがあるが締め付けないこと。セブ島では木星が天頂付近にくるので、 ノブをフリーにするとピントが狂う。 ・観測前にWinJuposを使うことが大切。衛星の位置の確認や、画像処理時のDeRotationでも必要となる。 ・画像のCaptureには、FireCaputure ver2.5が良い。カメラの制御だけでなく、ASCOMを使えば、 赤道義やフィルタホイールなどの制御ができる。 ・Capture時には、GammaとBrightnessはゼロとする。Gammaを上げるとノイズが増える。 ・ROIでトリミングすれば転送レートを早くできる。 ・WinJuposをチェックしておけば、撮影データがWinJuposに自動的に送られるので、DeRotation処理が 楽になる。 ・ASCOMを使えば、R・G・Bのフィルタワークの自動化が可能なので撮影効率があがる。 ・重要なのは転送レートを上げてより多くのフレームを得ること。 ・現時点で最も良さそうなカメラは裏面照射のCMOSカメラASI290MMと思われる。 ・木星撮影でのピントは衛星で合わせている。(シーイングが悪い日本では別かも) ・光軸合わせはカメラを使うと精度も効率も良くなる。 ・木星では、ヒストグラムが80%−90%となる露出で撮影している。ヒストグラムが低くなる様な 露出不足で撮影するとオニオンリング(惑星のリムの影が2重3重に写りこむ現象)が発生する。 ・木星の自転を考慮すると、C11なら45秒、C14なら30秒までが良い。 但し、のDeRotation処理を行えば、撮影時間の制限を気にしなくても良い。 ・メタンバンドで撮影する時は露出時間を少なくする為にビニングして撮影する。ビニングすると ホットピクセルが出るので、ダークフレームを撮影し、、FireCaputureのダーク減算処理を行う。 露出時間は2分以内としている。ダークフレームは5フレームが良い。 ・輝度が低い土星では、Gainを100%として、ヒストグラムはRとGが50%、Bは30%としている。 ・赤味が強い火星は、ヒストグラムはRが80%−90%、Gが60%−70%、Bが30%−40%で 撮影している。またIRカットフィルタは必須。IRカットフィルタを使わないと変な模様になる。 ・ヒストグラム90%でも飽和しない。100%にすると飽和する。 ・RegistaxのWaveletsでは、1,2,3のレイヤーだけ使う。Gaussianは使わない。 ・シーイングが悪い時は、多くの画像を撮影し、良さそうな画像を選んでDeRotation処理を行う。 ・シーイングが悪い時は転送レートを上げ、キャプチャー数を増やす。また、透明度が悪いときは ゲインを最高値まで上げる。 ・最大エントロピー法は、基本的にWavelet処理と同じだから、時間のかかるので行っていない。 ・惑星画像の向きでの南北問題は、倒立像で眼視観測していた名残で南が上の画像の向きを標準に しているアーカイブサイトが未だにあるが、惑星科学者による学術論文では北が上が常識。 アマチュアもそうすべきだと思う。地球儀をひっくりかえして眺めたら変に感じるでしょう。 ・WinJuposでの位置や南北の向き合わせは、木星は自動だが、火星や土星は手動となる。 ・Registax Waveletsの様なSharpening Toolsを使うとノイズが増える。そのノイズを減らすには Despeckle Tool、Dust and Scratches Tool、Topaz Labs DeNoise Toolの様な、 Noise Reduction Toolsが有効。 ・撮影したデータは、重要なので、BDなどに残しておくことが大切。 ・惑星画像の発色に関しては、カラーカメラの1枚画像でもRGBカラー画像でも、元の天体の 分光輝度分布と違う。撮影者の好みの問題と考えている。 ・他人の画像やHSTの画像を利用して自分の画像を“強調処理”して報告したり、フォトコンテストに 応募することは絶対に許されない。 ・パソコンの時計は正確に合わせておくこと。時間がずれていると後で大変になる。 報告画像に関して撮像日時(時分秒)の正確さが重要である。サマータイム採用の国で時刻の 間違いが多いので注意が必要。PCの時計はできる限り正確に合わせること。 ・アンシャープマスクは使わない。強いアンシャープマスクくをかけると模様がずれる。 Go氏の講演資料 → Christopher Go氏の講演資料(PDFファイル) 最後に、平林会長から謝礼(有志からのカンパ)を、また三品氏から記念品として扇子を Christopher Go氏に贈呈した。 3.補償光学(AO)と惑星撮影(塩田)・惑星観測で重要な要素であるシーイングの影響をキャンセルするのが補償光学(AO)です。 TMTは補償光学の目処がついたから建設にGOサインが出たとのこと。 その補償光学がアマチュアでも使える様になったら素晴らしいと思い、少し調べた。 ・補償光学(AO)の詳細は塩田さんの説明資料を参照してください。 ・シーイングは、厚い大気の多数の層での変化の集積であり、視野が少しズレただけでも違う。 回折限界にせまる波面補正が出来る視野は、1層補正だと数秒、多層補正でも数十秒と非常に狭いと 言われていて、観測対象は限られる。 ・補償光学(AO)は数mクラスの巨大望遠鏡だけでなく、Mクラスの望遠鏡にも使われているが 値段が高く大規模な装置であり、アマチュアには手が出ない状態。 ・AO関連の発表は日本天文学会の年会でも発表されているが、敷居が高いので、調べたら 「補償光学研究開発のための情報交換会」(プロの研究者の連絡会)が年2回程度開催されており、 アマチュアでも参加可能です。そこで発表された内容は下記サイトにアップされています。 補償光学研究開発のための情報交換会での発表資料 ・惑星撮影用のAO装置を北海道大学と国立天文台チームが北大ピリカ望遠鏡用で開発中 ・シーイング測定装置(MASS-DIMM)で測定したシーイングの影響の割合は、地表が最大(50%)で その次は上空数百mと上空2kmと、高層より低層の影響が大きいとのこと。 塩田氏の講演資料 → 塩田氏の講演資料(PDFファイル) 以下にパロマの60インチカセグレンで補償光学(AO)を使って撮影された土星の動画を掲載します。 最初はAOを適用しない状態で、途中からAOを適用した状態になっており、その効果は歴然。 土星の動画 → AOを使って撮影された土星の動画(MPGファイル) 単純にクリックしても動画が再生されない場合は、右クリックでファイルを保存し、 そのダウンロードファイルをWindows Media Playerで再生して下さい。 塩田氏から後日提供された 家 正則教授が応用物理学会誌に書かれた報告記事 です。 4.地球照分光観測(龍華)・前回の6月5日の例会で海老塚氏からの報告の続編として明治大学天文部が海老塚氏と共同で行った 月の地球照の分光観測の報告です。 ・月の地球照を観測することは、地球からの反射光を観測することになる。 ・陸地からの反射光には地表の植物の影響が反映されており、海洋からの反射光にはそれは無い。 ・植物からの反射光は、植物の葉緑体の吸収帯である680nm付近は弱く、750nm付近で最大となる。 その間の急増をレッドエッジと称し、植物の反射光の特長となっている。 ・西側がユーロシア大陸で東が太平洋となる日本では、夕方の三日月の地球衝は大陸の反射光であり 明け方の細い月の地球照は太平洋の反射光と見なせる。 ・今年の4月から6月の三日月を観測することにしたが、天気が悪く快晴だったのは5月21日だけだった。 ・30cmのニュートンに分光機器を付けて観測した。観測の説明画像でSKYの位置は間違いで、実際は Moonの右側です。 ・観測結果は、紫外光と赤外光の部分が高くなっている。紫外光は大気散乱を、赤外光は大陸の砂漠の 鉄分影響と思われる。明確なレッドエッジは掴めなかった。 ・波長較正には水銀灯の観測が有効なので、明治大学の生田校舎の水銀灯を4月に観測した。 その照明は5月にLEDに替わっており、4月のデータは貴重なものになった。 ・この地球照観測は太陽系外惑星に植物が存在するかの観測に繋げる目的のものです。 龍華氏の講演資料 → 龍華氏の講演資料(PDFファイル) 5.月惑星研究会の惑星報告サイトの更新に関して(鈴木重則、米山)1)サイト更新の意義 ・月惑星研究会の形ある資産としての価値 ・新鮮な報告をいち早く知れる役得がある。 ・アーカイブとして日本では観測できない時間帯を含め、世界中から観測報告を送ってもらえる ・堀川さんや三品さんを始めとして、惑星研究を行っている惑星天文家に有益な情報が集まる ・世界中の惑星研究家と交流できる可能性がある ・惑星観測に興味を感じ始めた方々にとってよい刺激になる ・各自の惑星観測の技術的な向上に役立つ 2)更新者の募集 ・HPの更新作業には定例的な作業と非定例作業に分かれる。 ・定例作業としては、サイト更新作業と更新された画像のチェックがあり、非定例作業としては 報告者DBへの新規報告者の登録やトラブル対応で英語やその他言語対応が必要。撮影時刻間違えや 鏡像イメージ対応 ・報告結果のチェック作業は、作業前提としてはパソコンを使えることだけ。撮影日時や 鏡像か否かの確認、掲載漏れ、画像が表示されていない、報告者間違いなど。 ・HP更新作業の実際は右ののYouTubeに掲載されています。→ HP更新作業 ・この作業を対応してくれる方を募集しています。更新作業でなくても、更新結果をチェックして 貰える方も募集しています。 ・更新作業を行う前提としては、データは20GM程度、Macは駄目でWin7以上なら可、エディタが使える、 セキュリティ対策が十分、健康な方、HTML言語は知らなくて良い、など。 ・リンク報告に関して、リンクされた画像をダウンロードして送ってくれるだけでも助かる。 ・作業効率化のアイデアも歓迎。英語や多言語に強い方も歓迎。短期間の応援も歓迎。 6.火星の近況(三品)火 星 の 近 況 2016.8.28 三品利郎 6月14日にブラジルのアヴァニ・ソアレさん、7月23日はのブラジルのカルバロさんが、高層プルームを撮影 しました。これらは、2012年の3月から4月にかけて、たびたび観測された、不思議な雲と同じもののと考えらま す。高層プルームの高さは250kmと言われています。探査機が観測した高層雲の高さは、55kmから75km[1]なので、 それより3〜4倍高いところで高層プルームが発生しています。 2016年6月14日、アヴァニ・ソアレ(Avani Soares)さん撮影 2016年7月23日、ファビオ・カルバロさんとガブリエラ・カルバロさん(Gabriela and Fabio Carvalho)撮影 続いて、2012年に撮影された画像も並べてみましょう。 アメリカのWayne Jaeschke氏が3月19日UTに撮影した火星のアニメーションが、3月21日に報告されました。 その知らせを受け、フランスで12日に撮影されていたことがわかりました。 3月21日には、ドン・パーカーさんが撮影しました。 この不思議な高層のプルームについて、今年の春に発表されたレポート[2]で、マーズエクスプレスが 観測したデータから、高層プルーム(high-altitude plume)が発生したのと同時刻に同じ場所で、 大規模な太陽からのCME(コロナ質量放出)が火星まで到達していたことが明らかになりました。 出典 アストロアーツ天文ニュース 2016年5月25日 HSTがとらえた火星の最新画像と、火星の津波や高層雲に関する研究成果 ESA プレスリリース 2016年5月23日 ARE MYSTERY MARS PLUMES CAUSED BY SPACE WEATHER? 下に載せたものは、ESAのプレスリリースで紹介されている図です。上は、地上からの観測、 下はMEXの観測です。右上の画像は、2012年3月21日にドン・パーカーさんが撮影したものです。 中央に上下二つの火星の地場を現した図に、白線で囲まれた領域が問題の高層プルーム (high-altitude plume)が発生した場所です。そこには、火星の地場があります。 この図で、緑は地球から見える半球、グレーは見えない半球です。 (出典: ESA プレスリリース 2016年5月23日 ARE MYSTERY MARS PLUMES CAUSED BY SPACE WEATHER?) 下の右側のグラフは、太陽風の状態をa,b,cで表しています。dの赤いXは、プルームが観測された時間と 発生した経度です。縦の水色のラインの部分が、今回解析されています。 太陽風の状態は、MEXに搭載されているASPERA-3 (Analyser of Space Plasma and Energetic Atoms)という 装置で観測されたものです。 3月10日から17日にかけて太陽風が活発になり、その直後に、高層プルームが撮影されています。 そのことから太陽風と高層プルームには因果関係があることが明らかになりました。 (出典: ESA プレスリリース 2016年5月23日 ARE MYSTERY MARS PLUMES CAUSED BY SPACE WEATHER?) [1] R.T.Clancy,M,J,Wolff,B.Whitney,and B.Cantor(2004), The Distribution of High Altitude (70KM) Ice Clouds in the Mars Atmospere from MGS TES and MOC LIMB Observations Bulletinof the AmericanAstronomicalSociety, Vol.36, p.1128 (アメリカ天文学会の発表の予稿集---2004年11月) [2] D.J.Andrews, S.Barabash, N.J.T.Edberg,他 (2016) Plasma observations during the Mars atmospheric "plume" event of March-April 2012 Journal of Geophsycal Research Vol.121, p.3139?3154,(15 April 2016) 以上 7.その他木星会議は、10月の8日・9日、静岡にて開催。 次回例会は12月の第1週か第2週の予定。 2次会:御茶ノ水駅近くで懇親会でした |
|