月惑星研究会例会報告 1993年6月9日(水) 世田谷区立烏山区民センター ■出席者 田部、松浦、佐藤(怪鳥)、池田、白木、佐藤(ぱ)、長谷川、高橋、浜田、 岩瀬、堀川、石橋、市川、吉川(きっかわ)、渡辺(惑星分科会会長)、田村、 平林 ■木星面近況 佐藤(怪鳥) 堀川氏より4月9日-10日の7枚のスケッチから作成された全面展開図が配布さ れた。 安達氏の作成した4月27日までの1日毎のSEBの展開図が堀川氏から紹介さ れた。 ◎SEB撹乱 「天文ガイド」6月号に載っている4月6日(撹乱発生日)のカラー写真に撹乱 が写っているが、どうやら日付が4月16日の間違いであると結論された。 最初の暗柱は4月20日ごろまでは追跡できたが、だんだん背が低くなった。 最初の暗柱のドリフトは-2.37deg/dayである。このレートで移動すると5/20には 260(II)まで移動しているはずだが、次第にSEBsがSEBnに近づくように下がって 見える。この先頭は5月29日で270(II)ぐらいである(堀川)。 大赤斑の前あたりは淡化前のSEBに匹敵するぐらい暗化している。ディティー ルはあまりない。SEBは青っぽい。 暗柱(1st column)の寿命は今回の場合、2週間ぐらいであった。1975年はたしか 1カ月ぐらいだったような。 南分岐は大赤斑にせき止められたようになっていて、大赤斑後方ではほとんど見 られない。大赤斑はまだ赤く、本格的な淡化の傾向は今のところ見られない。 第2撹乱の発生は特に見られなかった。単一のソースであろう。 北分岐は全周にわたったようである。SEBnがほぼ全周にわたって見える。5月1 6日に先頭が130(II)、6月3日には大赤斑のすぐ後ろであった。ドリフトは -4deg/day程度 ◎STr撹乱 4月大赤斑の後ろのSTrZにshadeがあった。後ろの方にぼーっと広がっている。 後ろは160(II)ぐらいまで。 4/14 74.9 Horikawa これはゆっくりと前進していた。9h55m30s程度 5月15日、大赤斑の後ろのSEBsが濃くなった(おたまじゃくしのよう)。   繭山氏によるとこのころから大赤斑の前にshadeがあった。 5月17日、宮崎氏より連絡があった。STrZに真っ黒な模様がある。暗柱状。 まるでSTrDの前端のようである。 5月20日、大赤斑と一部が接触。 5月27日、大赤斑の前側にshadeが出てきたように見える。   後ろの方のshadeは淡くよくわからない。 過去のSTrDの例では大赤斑の前のみで発生している。 宮崎氏のコメント:  暗部の前端は大赤斑に向かって開いたU字型に見える。 ◎STB 多少の濃淡があるもののSTBはほぼ全周にわたって復活した。 4月から5月にかけて(堀川の観測では)。 復活そのものは先シーズンからじわじわと進行していた。 STB --- STZB --- SSTBと螺旋状につながっている。 (床屋の看板、経度増加方向に行くに従って緯度が高くなっている、過去にも こういう傾向は観測されている) ◎小赤斑(Little Red Spot) 大きさは経度方向に7-8度程度。NEBnに湾を作っている。 NEBnの突起としてそれまでに見えていたが、同一のものか不明。 3月20日 257(II) BAA 日本では3月22日に繭山、堀川が存在に気付いた。 4月10日前後で、240(II) NTr Current - A(?) drift -0.8/day 9h55m10s前後 他のNEBn突起は9h55m20-30s前後。 4月中旬にはあまり目だたなくなった。 5月には復活したりもしたが、最近はよくわからない。NEBに引っ込んできた(?)。 ■彗星と木星の衝突 (長谷川) ■次回例会 9月12日 (長谷川均 記)