月惑星研究会 1997年4月20日(日) 13時から 場所:世田谷区立烏山区民センター第3会議室 参加者: 斎藤、成田、堀川、三谷、五十嵐、石橋、竹内、鈴木達、鈴木カパ、 仙台、田部、村上、上代、唐沢、酒井、長谷川 ■ 自己紹介 木星を見ていないけど、Hale-Bopp彗星を見ている人が多い。 ■ 木星面近況 (堀川) SEBはNEBよりは淡い。 ただし淡化の兆しはない。 大赤斑(RS)のCMT 4/11 20:22UT 63.2 STrZ白斑のCMT 4/11 19:55UT 46.8 RSは淡く、形が不明瞭。 STrZの白斑はRSのすぐ前方に接している。 STrZ白斑とRS北部のSEBが淡 くなっている。 Pic du Midiの同じ日の画像では、RSがドーナツ状になっていて、STrZ の白斑の位置の SEBに湾ができている。白斑はRSにまだ接していない。 大赤斑後方のSEBZには白斑の連なりが見られる。 ドリフトチャートを見る限り順調に接近している。 永続白斑は3つとも健在。(Pic du Midi画像より) DE-FA間距離 < 30deg (先シーズンより接近) STB 200 - RS まで淡化 NEB南縁に突起模様が多い。南組織が濃い。 NTBは先シーズンに比べて淡く細い。 NTB以北が暗い。先シーズン末から石橋氏写真より。 ■ 火星の写真観測報告 (石橋) 火星ビデオの上映。 火星の他、HB彗星のクローズアップ。 家庭用ビデオと拡大レンズ系でもHB彗星核近傍の波状構造が見事に写っ ていた。 部分日食の映像も。 石橋氏の写真、浅田秀人氏のCCD画像の回覧。 ■ 火星近況 (村上) HSTが観測したダストストームの画像の説明。 北極冠の縁に一部が残ることがある。 さらにポツンと残る部分があるが、 そこにはKorolev(73N 198W)というクレータがある。 極冠の消え方には再現性があり、地形的なものだろう。 ヘラスに雲が出ている。 地形性の雲 S.A. Smitth, and B.A. Smith Icarus 16, 509, 1972 B, V (位相角 < 25deg)の写真で雲を観測 Hellas 40S 日変化しない。 Elysium 28N 午後から明るくなる 山の雲 Orympica 18N 午後から明るくなる 山の雲 Activity ^ | OOOOOOOO |OEEEHHHHHH| OE E | HHHHHHH | +----------+----------+----------+----------+ Ls 0 90 180 270 360 春分 夏至 秋分 冬至 春分 Ls, 位相角、時間変換によって見え方が異なる。 飛騨天文台の赤羽氏らが、雲の光学的厚さの日変化をとられている。(長谷川コメント) アマチュアの火星のCCD画像では、赤外部がカットされていないものが ほとんど 雲の観測には使えない。IRカットフィルターを入れるべき。 ■ 太陽黒点 (村上) 1996 9/12 - 10/21 40日 無黒点記録 これは、1933年以来。 1913年に92日という記録がある。 ■ 火星のビデオ (五十嵐) ビデオ画像のコンポジットの実例紹介 画像の位置合わせ、自動でやってくれるものを利用。 ■ ビデオ上映(唐沢) ヘールボップ彗星、火星、木星のビデオ画像。 ■ STrZ白斑の運動 (堀川) 1995-1997年のドリフトを過去に延長してみたが、該当する白斑は1994年の画像には 見られなかった。しかし、1994年のHSTの画像に延長とは 少し外れたSTrZにコンパク トな白斑がある。これは同一のものではないか。 関西支部の伊賀氏も指摘しているが、同一のものとは言及して いない? 1995-1997年のドリフトは、+0.14deg/day。 そうすると、1995年4月に後退を開始したことになる。 1995年3月 SEBs 活動化 projectionが多数出現。 STrZ白斑の後退開始と関連はないか? ■ 木星会議案内 (田部) 8月23/24日 京都、西本願寺 興正(こうしょう)会館 CalTechの A.P. Ingersoll 先生を呼び、講演をお願いしている。 Dynamics of Jupiter's Atmosphere ポスター発表をお願いする。 田部 STrZ白斑 長谷川 衝突痕跡の赤外分光 竹内 赤道対流 堀川 STrZ白斑 石橋 木星写真 大天連 とにかくやる。 ■ JUPOSの紹介 (田部) ドイツのアマチュア団体でCMTデータを集めている。 月惑で集めたデータも送ったらどうか。 堀川が送る。 大天連は、仙台が引き継いで現在集計している。 ■ 赤道の対流 Plume and Festoon (竹内) ガリレオのプローブ探査で木星に水がない。( --23bar) プローブは、festoonに落ちた。そこは下降気流の乾燥領域と多くの人 が考えている。 しかし、地球の積乱雲のモデルを用いて説明を試みると水の雲の底部 (5bar)より下を 乾燥させることはできていない。 鉛直シアーのある流れの中のでの熱対流の数値モデル(Lipps, 1970, Hasegawa, 1989)で、 赤道の力学構造、すなわち上昇、下降流の空間分布を説明することができる。これに 水蒸気を置いた時にどうなるかを調 べてみたい。 木星で赤道成層圏に準4年半振動が 観測されている。対流圏の内部重力波が、上層に伝搬して温度構造を周期的に変えて いるのではないか。 ■ Hale-Bopp彗星の近赤外観測 (長谷川) 1996 7/28-8/3 岡山 撮像、分光 (6/7) 1997 3/1-3/2 木曽 撮像 (1/2) 3/17-3/19 木曽 偏光撮像 (2/3 (5/3?)) 3/28-4/2 岡山 分光 (3/6) 4/26-4/27 木曽 偏光撮像(?/2) 勝率 12/18 (15/18) 撮像 J(1.25μm), H(1.65μm), K(2.2μm)バンドによる測光 J-H 0.4 - 0.5 H-K 0.05 - 0.1 P/Halleyとよく似た色をしている。 今年3月の観測では、色に変化がある? 赤外カラー分布。 中心から離れるにしたがって、赤くなっている。 ダストの崩壊? ジェットの構造。 偏光撮像 J, H, Kバンドでの偏光撮像。 ジェットで偏光度の違い。 --> ジェットでサイズ分布が異なる。 分光観測 1996年 J, H, Kバンドでの分光 氷ダストの探索 --> 見つからない。(まだ調査中) 1997年 J, H, Kバンドでの分光 親分子の検出 --> これから解析。 ■ プレゼント 三谷より、 大福餅 田部より、 PASJに出版された論文の別刷 THE NEO NEWS 少年少女新聞 サイアス 長谷川より、 「日経サイエンス」4月号 4冊 25周年記念論文、「彗星の木星への衝突」掲載誌 「JAVAアプレットスタンダードスタイル」 1冊 長谷川均 監訳 ■ 大天連新入生歓迎合宿 (仙台) 5月17-19日 秋山川 分科会誌 「JUPITER」にOBに寄稿してほしい。 連絡先: 仙台敬典(Takanori SENDAI) j1695065@ed.kagu.sut.ac.jp ■ 感想 今回は、木星、火星、太陽、ヘールボップ彗星などの話題があり、時間が足りなくなる ほどであった。 ■ 次回例会 6月22日(日) 世田谷区立烏山区民センター第3会議室 13時から18時 ビデオ、OHPを予約しました。 ■ 二次会 「つぼ八」にて、 その後、三次会 「南の麦」にて。