2008/05/03

2008/04/20: The mid-SEB outbreaks in 2008
(Yuichi Iga)

The Feature of SEB-STrZ


同時に2個のmid-SEB outbreakが発生

mid-SEB outbreakはSEB内白斑突発現象であり、SEB(南赤道縞)南部に発生した明るい白斑が、シアーされた帯状流によって東西方向に引き伸ばされて、SEBを前進し続けて、SEBを白斑で埋めつくしていく現象である。

今回のmid-SEB outbreakは、3月13日の発生が観測された11日後には、別な場所にも同時に発生する様子が観測された。

  • 3月13日、II=99.8度の白斑がmid-SEB outbreak(A)を起こす[A.Wesley氏の画像]。
  • 3月24日、II=257.1度の白斑がmid-SEB outbreak(B)を起こす[F.Carvalho氏の画像]。
  • それぞれのmid-SEB outbreakでは、ゆっくりと前進する発生源から7〜10日間隔で明るい白斑が出現している。発生した白斑はシアーされた帯状流によって東西方向に引き伸ばされて、前方に拡がっていく。

    mid-SEB outbreakは、2000年以降は毎シーズンのように観測されているが、大赤斑の後方100度以内に発生していて、あまり活発なものではなかった。今回のように、大赤斑の前方に発生したoutbreakは1998年以来のことで、今シーズンは活発なoutbreakの活動が見られるかもしれない。

    その他のSEBの状況

  • II= 210度〜130度にかけて大赤斑後方擾乱領域の活動が活発である。
  • II= 300度から後方のSEB南縁にはSEBs jetstreamに乗って後退する暗斑群が見られる。
  • II= 320度付近に赤いbargeがあり、ゆっくりと後退している。
  • II= 20度付近に白斑がある。
  • 南熱帯の暗斑が大赤斑に飲み込まれる

    大赤斑直前のSTrZの暗斑は、 SEBs南縁のドーナツ状暗斑として、 2月25日に II=65.6度に、3月1日にII=71.6度に見つかった。このSTrZの暗斑はかなり高速で後退し、4月9日にII=109.9度の大赤斑の直前まで達し、その後大赤斑に飲み込まれたようだ。

    南熱帯攪乱STrD-1、STrD-2

    2月24日のII=242.2度と、2月26日のII=176.3度の南熱帯に暗斑が見つかった。阿久津富夫氏の観測から、この暗斑は近赤外画像でドーナツ状であり、メタン画像で明るい。可視光ではオレンジ色のドーナツ状で、高気圧性白斑(anticyclonic oval)である。

    2個の暗斑は、それぞれ昨シーズン発生した南熱帯攪乱STrD-1、STrD-2から形成されたようだ。

    STrD-2はドリフトがBAよりやや遅いために、近いうちにBAに追い越されるかもしれない。7月下旬ごろには大赤斑の後方に到達する。

    To PageTop

    Animation


    AnimationGIF
    Download QuickTime movie(198KB)

    To PageTop

    Cylindrical map


    To PageTop

    Drift chart of the mid-SEB outbreaks



    To PageTop