ALPO-Japan: Jupiter Section (June 18, 1998)

1998年 6月18日の木星

浅田秀人・伊賀祐一・奥田耕司・忍穂井幸夫・小山田博之・堀川邦昭・繭山浩司


June 18, 1998

●概況
大赤斑付近が観測されました。観測条件が良くなり、シーズン初めは淡く見えていた大赤斑もオレンジ色に輪郭も捉えられます。大赤斑の南側にはアーチが取り囲んでいます。

SEBはSEBsとSEBnに分離していて、その間のSEBZがやや明るい状態です。体系I=250〜325のSEBZはMid-SEB Outbreakで活発な活動の様子が見られますが、この経度の活動は穏やかです。少し気にかかるのは、浅田氏・奥田氏の画像の体系II=83度のSEBnに見られる明るい白斑です。その直後の体系II=85度から後方のSEBnが濃い状態が観測されています。奥田氏の画像から、さらに後方の体系II=135度付近からSEBnは太くなり、体系II=151度に白斑が見られます。後方の白斑はMid-SEB Outbreakの活動の前端部だと思われますが、それよりも前方のSEBnの濃化部、および83°の白斑は、Mid-SEB Outbreakの活動の影響が現われているようにも思われます。今後の追跡が必要です。

NEBは赤味が強い状態が続いています。昨年よりは幅も狭くなりましたが、Bargeがいくつか観測されています。

EZnには青味の強いFestoonやVeil(ベール)が随所に見られます。Festoonの根元にはNEBsに湾入している明るいPlumeと呼ばれる白斑が目立つようになりました。


浅田秀人 H.Asada (305mm Newtonian, MUTOH CV-04 CCD Camera)

Asada CCD Image JPEG 19KB
Original Image
Asada CCD Image JPEG 11KB
極端な画像強調を適用(伊賀)



忍穂井幸夫 Y.Oshihoi (200mm Schmidt-Cassegrain,Digital Camera NEC Picona)


1998/06/17 17:40(UT)
I= 93.3 II= 43.7
Seeing:6/10 Transp.:7/10
  • GRSは南側が濃い。
  • SEBZはGRS後方のSEBsが濃くなっており、その直後は淡く抜けて見える。
  • EZにやや長めのFestoonが2本目立っている。
  • NEBnのCM前方にBargeが2ヶ所あり。


Image#19 1998/06/17 18:14(UT)
I=114.3 II= 64.5
NEC Picona 1/7 sec.
池村氏のアンシャープマスクを適用

極端な画像処理を適用(伊賀)

  • GRS center が CM を少し越えた時刻の画像。
  • GRSはS側の1/3が濃く、N側は淡い。
  • SEBsの GRS後方は濃く、その直後のSEBnにかけて淡く抜けているが、その後に続いて いた白斑群の活動は鈍っている。


Image#20 1998/06/17 18:31(UT)
I=124.7 II= 74.7
NEC Picona 1/7 sec.
池村氏のアンシャープマスクを適用

極端な画像処理を適用(伊賀)

  • GRS f.e.がCMを少し越えた時刻の画像。
  • 上記のSEBzの白斑の先端がCM。
  • EZのfestoonが目立っている。
    池村氏のアンシャープマスクを適用


Image#21 1998/06/17 19:16(UT)
I=152.1 II=101.9
NEC Picona 1/7 sec.
池村氏のアンシャープマスクを適用

極端な画像処理を適用(伊賀)

  • SEBnの暗部の流れがよくわかる画像。
  • NTrZ のCM後方位置に、Projection 又はd.Columnが2本あるように見える。


奥田耕司 K.Okuda (250mm Newtonian, BITRAN BT-01 CCD Camera)


Image#22 1998/06/17 18:46(UT)
I=133.1 II= 83.1

Image#23 1998/06/17 19:34(UT)
I=162.4 II=112.1

Image#24 1998/06/17 20:00(UT)
I=178.2 II=127.8

極端な画像処理を適用(伊賀)


GRSからCM2=150度あたりまでCCD撮像しました。GRSは赤みはほとんど感じなく、右上7割が全体に暗く(眼視)、GRS後方は大きな白斑が3個確認できました。
SEBnがCM2=130度あたりで南に張り出しており、そのあたりがSEB Outbreakの先端のように思います。
Seeing:7-5/10 Transp.:5-7/10

  • GRSの赤味はあまり感じなかった、右上7割が暗い
  • STBはGRS前方が暗くはっきり見える
  • SSTBは暗く良く目立っている
  • SEBzは眼視ではGRS前部が明るく、後部は白斑がいくつも見える

伊賀祐一 Y.Iga (280mm Schmidt-Cassegrain, Drawing)


No.16 1998/06/17 18:08(UT)
I=111.7 II= 61.9
Seeing:4-5/10 Transp.:2/5 x311
  • 大赤斑がCMTのスケッチである(ω2=61.9)。
  • 大赤斑は淡いが赤味がある。南側に薄いアーチがかかっている様子。
  • 大赤斑の北のSEBnは濃い。大赤斑前方のSEBnは淡く、SEBZはやや明るい。大赤斑後方のSEBnは淡化しているが、白斑はSEBZに見られない。
  • STZの大赤斑の左上に小さな白斑が認められる。
  • NEBは赤味が強く濃い。
  • EZnにはNEBsにかぶさるようにFestoonが続き、一見するとNEBが太く見える。
  • NTrZ左に白斑が見えるが、Notchである。
CMT観測
STrZ GRS   p.e.   17h56m(UT) II= 54.6
STrZ GRS   center 18h08m(UT) II= 61.9
STrZ GRS   f.e.   18h22m(UT) II= 70.3


No.17 1998/06/17 18:47(UT)
I=135.4 II= 85.4
Seeing:4-5/10 Transp.:3/5 x311
  • SEBnの暗部の前端がCMTのスケッチ(ω2=85.4)。
  • SEBZは大赤斑直後が淡く、CMから右にSEBnが濃い。このSEBnは右にいくほど太くなる。
  • 大赤斑後方から右下にSTBが垂れ下がっているのが分る。
  • CM右のSSTBが部分的に濃い。
  • EZnはFestoonあるいはVeil(ベール)に見える。CM右のFestoonの根元にはPlumeが明るい。
  • NEBn右に2個のBargeが見える。
CMT観測
SEBn D.SECT p.e.  18h47m(UT) II= 85.4


小山田博之 H.Oyamada (200mm VISAC, Drawing)


No.7 1998/06/17 18:58(UT)
I=142.5 II= 92.3
Seeing:6-7/10 Transp.:5-6/10
  • 大赤斑:かなり淡い(特に6時から8時の方向にかけて)
  • シーイングのせいか、後部がSEBsに接しているように見える。

No.8 1998/06/17 19:18(UT)
I=154.7 II=104.3
Seeing:6-7/10 Transp.:5/10


堀川邦昭 K.Horikawa (160mm Newtonian, Drawing)


No.12 1998/06/17 18:31(UT)
I=126.0 II= 75.9
Seeing:5/10 Transp.:1-2/5 x200
  • RSはSEBに埋もれているが楕円形の本体が見えている
  • RS後方のSEBは淡いが明瞭な白斑はない
  • CM後方でNTZ明るい
  • 6月9日、長男誕生、亮太朗と命名
    ※おめでとうございます!
CMT観測 (時刻はUT)
12. 1998/06/17 18:12STRZ DRS C2 64.5
13. 1998/06/17 18:27STRZ DRS F2 73.5


繭山浩司 K.Mayuyama (200mm VISAC, Drawing)


No.3 1998/06/17 17:36(UT)
I= 92.5 II= 42.4
Seeing:5/10 Transp.:2/5 x257

ALPO-Japan HomePage Jupiter Section