ALPO-Japan: Jupiter Section (July 4, 1998)

1998年 7月 4日の木星

浅田秀人・伊賀祐一・池村俊彦・堀川邦昭・小山田博之


July 4, 1998

●概況
BEとFAが観測されました。BEは青味を帯びた経度方向に広がりを持ったOvalとして捉えられています。また、BE直後のSTB Riftは、浅田氏・池村氏の画像では小さくなっているように見えます。BEとFAの間のSTBが少し濃くなってきているようです。FAはSTBに湾入している様子が捉えられていて、FAから後方のSTBは濃くなっています。浅田氏の画像からの計測では、BEが272度、Riftが281度、FAが312度です。

Mid-SEB Outbreakの後端部の活動が捉えられています。白斑群は188度から275度までに活発に見られますが、その後方では穏やかになっています。SEBZの第II系303度に明るい白斑があります。その右上の312度にも白斑があり、この付近が後端部に思われます。これより後方ではSEBcが濃くなり、SEBsが10度付近まで赤味を帯びています。

第IV衛星カリストの影の経過が18h02mUTに始まりました。


浅田秀人 H.Asada (305mm Newtonian, MUTOH CV-04 CCD Camera)


極端な画像強調を適用(伊賀)


1998/07/03 17:03(UT)
I= 79 II=267



極端な画像強調を適用(伊賀)


1998/07/03 17:56(UT)
I=111 II=299



極端な画像強調を適用(伊賀)


1998/07/03 18:41(UT)
I=139 II=326



池村俊彦 T.Ikemura (310mm Newtonian, Digital Camera NEC Picona)


No.31 1998/07/03 17:35(UT)
I= 97.8 II=286.0
31cm F5 ニュートン テレビュー5xバーローレンズ 合成F39
1°プリズム NEC PICONA 1/7秒 3枚コンポジット

極端な画像処理を適用(伊賀)

  • CMやや左にBE、後方にFAがあります。
  • BEは左右にアーチができたと見るべきか、分解して消滅寸前と見るべきか。


No.32 1998/07/03 18:53(UT)
I=145.5 II=333.3
31cm F5 ニュートン テレビュー5xバーローレンズ 合成F35
1°プリズム NEC PICONA 1/7秒 4枚コンポジット

極端な画像処理を適用(伊賀)

  • FAが見えている。
  • SEBは赤みが少く、FAと同経度付近の白斑が目立つ。その付近からSEB内のオレンジ色の筋が少し折れ曲がって南寄りに流れてみえる。


伊賀祐一 Y.Iga (280mm Schmidt-Cassegrain, Drawing)


No.23 1998/07/03 17:40(UT)
I=101.1 II=289.3
Seeing:3-4/10 Transp.:2/5 x311
  • Mid-SEB Outbreakの後端部までの活動が見える。最後の白斑は明らかだが、それ以外はあまり明るくない。
  • CM左にBEとそれに続くSTB Riftが見える。すでにCMは過ぎていた。BEの右上のSSTBは右下に斜めに濃い状態で、前回の観測と変わっていない。FAはまだ見えない。


No.24 1998/07/03 18:03(UT)
I=115.1 II=303.2
Seeing:4-5/10 Transp.:2/5 x311
  • Mid-SEB Outbreakの後端部のSEBnの白斑(ω2=303.2)は、きらきらと輝いている。その右上に斜めにSEBsに流れる白雲も見える。これよりも後方のSEBZはSEBnが太く濃い。
  • FAはω2=314.7で、小さいがしっかりと見える。STBはFA以降で少し濃くなっている。
  • NTBは変化が少ない。
CMT観測
SEBZ WhiteSpot center 18h03m(UT) II=303.2
STB  FA        center 18h22m(UT) II=314.7


堀川邦昭 K.Horikawa (160mm Newtonian, Drawing)


No.19 1998/07/03 15:49(UT)
I= 33.7 II=222.4
Seeing:5/10 Transp.:2-3/5 x200
  • CM後方でSTBが太くなっている、濃度は低いが南側のSSTBにかけてもっと複雑になっているようだ
  • SEBは北組織沿いに不規則な明部が並んで活動的
  • NEBnのbarge-notch-bargeの3連構造は健在だが、中央のnotchはわからなくなっている
  • 右端に「BE」付近の明部が見え出している
CMT観測 (時刻はUT)
29. 1998/07/03 16:07EZN DFESTC1 44.7
30. 1998/07/03 16:28NEBN DSPOTC2246.0


No.20 1998/07/03 17:05(UT)
I= 80.0 II=268.3
Seeing:6/10 Transp.:3/5 x200
  • 初めて「BE」を見た。長さ20°ほどの明部の前側がBEと思われるが、かなり不明瞭で、一見I-Bandのイメージに似ている。無理をしてCMTを取ったが確度は低い
  • FAは小さいが、輪郭明瞭で明るい
  • SEBには明部が続くが、明瞭な白斑が後端にひとつあるのみ。後方に向かって明部が少しづつ南へ寄っている
CMT観測 (時刻はUT)
31. 1998/07/03 16:58NEBN DSPOTC2264.2
32. 1998/07/03 17:05STB WBE C2268.3
33. 1998/07/03 17:14EZN DFESTC1 85.5
34. 1998/07/03 17:35STB DSECTP2286.5
35. 1998/07/03 18:01SEBZ WOVALC2302.2
36. 1998/07/03 18:18STB WFA C2312.5


小山田博之 H.Oyamada (200mm VISAC, Drawing)

No.13 1998/07/03 16:42(UT)
I= 66.0 II=254.5
Seeing:7-6/10 Transp.:5-4/10


No.14 1998/07/03 17:38(UT)
I=100.2 II=288.3
Seeing:7-6/10 Transp.:5/10


No.15 1998/07/03 18:50(UT)
I=144.1 II=331.8
Seeing:7-6/10 Transp.:6-5/10

  • 永続白斑BE:この付近の緯度のSTBは濃化しているが、BEはこの縞がとぎれたように見えるところにある。しかし、白斑というよりは輪郭のはっきりしない明部に見え、形も楕円形が経度方向に引き延ばされたような形をしている。
  • 永続白斑FA:BEからFA付近にかけて、さらにFA後方のSTBは濃化している。FAはこの縞がとぎれたように見えるところにあるが、BEよりも明るく見やすい(BEと比べての話、昨年夏よりは見にくい)。
  • Mid-SEB Outbreak:SEBZに白斑状の暗部が見られる。この中でU=300゜付近のものが一番大きく、それより前方に白斑状の明部が連なっている。SEBsは、濃化しているが幅は狭く、SEBnはSEBs に比べ幅は広いが淡い。
  • NTB:幅をもった縞で、南側ほど濃化している。


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