ALPO-Japan: Jupiter Section (July 6, 1998)

1998年 7月 6日の木星

浅田秀人・伊賀祐一・忍穂井幸夫・奥田耕司


July 6, 1998

●概況
Mid-SEB Outbreakの活動の盛んな経度の観測です。

BEとFAが詳細に捉えられました。BEは、浅田氏と奥田氏の画像から、輪郭がはっきりしないOvalとして撮影されています。奥田氏の画像では、FAはOvalを暗く取り巻いていて、STBに湾入している様子が捉えられています。また、BEの後方に存在していたSTB Riftは、BE直後だけでなくて、BE−FA間に拡張している様子です。さらに、BE直後のSTBsに顕著な暗斑が出現し、このSTB Riftを分断しかけている様子です。この暗斑は、浅田氏の画像や伊賀のスケッチにあるω2=200度の暗斑と良く似ています。

第III衛星ガニメデの影の経過が15h30mから始まり、離出が18h34mでした。


浅田秀人 H.Asada (305mm Newtonian, MUTOH CV-04 CCD Camera)


極端な画像強調を適用(伊賀)


1998/07/05 18:04(UT)
I= 72 II=245



忍穂井幸夫 Y.Oshihoi (200mm Schmidt-Cassegrain,Digital Camera NEC Picona)


1998/07/05 17:10(UT)
I= 37.4 II=210.6
Seeing:7/10 Transp.:7/10
  • IIIガニメデの影がCM後方にある。
  • STBはCM後方で北側にシフトしている。
  • SEBZはCM後方で淡くなっており、特にリム付近が淡く感じる。白斑が続いているようだ。
  • EZのCM後方に大きめのFestoonが2本ある。
  • NNTBはCM後方が濃くなっているが、前方ははっきりしない。


Image#27 1998/07/05 17:56(UT)
I= 65.8 II=238.6
NEC Picona 1/7 sec.、3枚コンポジット

極端な画像処理を適用(伊賀)


奥田耕司 K.Okuda (250mm Newtonian, BITRAN BT-01 CCD Camera)


Image#28 1998/07/05 19:03(UT)
I=105.9 II=278.4

Image#29 1998/07/05 19:34(UT)
I=121.1 II=293.5

Image#30 1998/07/05 20:00(UT)
I=136.4 II=308.6


S=6/10 T=8/10-3/10(薄雲)

  • 白斑BEを見ることができた。眼視では明るく良く目立っていたが、CCD赤フィルターでは、ぼやけて形がはっきりとしない。
  • 白斑がBE直後とFAとの間にいくつかありそうだ。FAは周りに暗い取り巻きがあり良く目立つ。

伊賀祐一 Y.Iga (280mm Schmidt-Cassegrain, Drawing)


No.26 1998/07/05 17:43(UT)
I= 58.8 II=231.7
Seeing:5-6/10 Transp.:2/5 x311
  • 第III衛星ガニメデの影の左上に、STB Dark Spotが隠れている。
  • Mid-SEB Outbreakの活動の盛んな経度である。SEBcが3段階に緯度を変えている。
  • 左のSEBnは暗いが、はっきりと明部もある。
  • やや右寄りのSEBZの白斑は明るい。
  • 中央右のEZnの白斑も明るい。
  • NEBはRiftも見える。


No.27 1998/07/05 18:12(UT)
I= 76.4 II=249.3
Seeing:4-5/10 Transp.:2/5 x311
  • Mid-SEB Outbreakの白斑の活動が盛んである。
  • CM右のSEBZの白斑は明るい。この白斑の左ではSEBnに明部、右ではSEBsに明部がある。
  • STBの左端の衛星ガニメデの影の上に、Dark Spotが見える。右端のSTBに短い濃化部があり、その南のSTZに白斑が見える。
CMT観測
EZn  WhiteSpot center 18h04m(UT)  I= 71.6
NEBn Barge     center 18h04m(UT) II=244.4


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