ALPO-Japan: Jupiter Section (July 18, 1998)

1998年 7月18日の木星

浅田秀人・忍穂井幸夫・薄出敏彦・堀川邦昭・林 敏夫


July 18, 1998

●概況
BEとFAが観測されました。

BEはさらに拡散状で輪郭がはっきりしません。浅田氏のCMTではBEはω2=267.1°で、経度方向の長さは約10度です。一方、FAは輪郭もしっかりとしていて、ω2=305.8°に見えています。経度方向の長さは約6度です。

BEの直後にあったSTB Riftですが、RiftというよりはSTB内の白斑のように見えます。あまり明るくない白斑ですが、浅田氏の画像からの測定では、3個の白斑として、ω2=278,288,297に位置しています。これはSTBがBEからFAの間で淡化しているといえるかもしれません。ただ、BE直後のSTBsは明るくなっています。詳しい形状ですが、6月17日(JST)の観測では、BEから右斜めに垂れ下がったRift構造が見えていましたが、7月6日(JST)の観測ではBEからFAまでのSTB内が明るくなっていました。7月18日(JST)でも状況は同じようです。

変化があるのは、BEの直後(STB Riftの南)のSTBsに7月6日(JST)頃に暗斑が出現し、7月18日(JST)にはこの暗斑は後方のFAまでのSTBsを濃化させていることです。7月18日(JST)の暗斑の位置は、浅田氏の画像からの測定でω2=282度です。

Mid-SEB Outbreakの後端部の活動も捉えられました。活動域の最後部の白斑が、7月18日(JST)の画像では2個に分離したか、もしくはSEBsにあった白斑がSEBZに移動したようです。2個の白斑の経度は、浅田氏の画像からの計測ではω2=296度と303度で、7月上旬の観測と比較して輝度が落ちたように思われます。

メンバーの薄出敏彦氏が冷却CCDカメラを購入されて、初めての木星画像を送っていただきました。これからの活躍に期待したいと思います。


浅田秀人 H.Asada (305mm Newtonian, MUTOH CV-04 CCD Camera)


極端な画像強調を適用(伊賀)


1998/07/17 18:00(UT)
I=165 II=246



極端な画像強調を適用(伊賀)


1998/07/17 19:14(UT)
I=210 II=291



極端な画像強調を適用(伊賀)


1998/07/17 19:32(UT)
I=221 II=302



忍穂井幸夫 Y.Oshihoi (200mm Schmidt-Cassegrain,Digital Camera NEC Picona)


Image#32 1998/07/17 18:44(UT)
I=191.1 II=272.1
NEC Picona 1/7 sec.、2枚コンポジット
Tele Vue 3倍バローレンズ

極端な画像処理を適用(伊賀)

  • あいかわらず、シャープ さに欠けた画像ですが SEBnに白斑群がつながっていて淡くなっている様子や、STBの白斑BEと思われる淡いヌケやその直後の黒化部が何とか捉えられていると思います。


薄出敏彦 T.Usude (250mm Newtonian, SBIG ST-7 Cooled CCD Camera)


Image#1 1998/07/17 17:30(UT)
I=145 II=226
25cmニュートン(F7、苗村鏡)
SBIG社冷却CCDカメラ ST7
  • 冷却CCDの「筆おろし」を送らせていただきました。よろしくお願いします。
  • ピントが不十分な点と露出不足のため階調が不足しているようです。
  • シーイングが良かっただけに悔しい思いをしています。


堀川邦昭 K.Horikawa (160mm Newtonian, Drawing)


No.22 1998/07/17 17:19(UT)
I=139.8 II=221.1
Seeing:6-7/10 Transp.:2-5/5 x200
  • STBの暗部はどれも拡散してはっきりしない
  • SEBの北半分に不規則な暗部が続いて活動的
  • CM後方のSEBs edgeにかなり大きなprojectionがある
CMT観測 (時刻はUT)
42. 1998/07/17 16:58EZN DFESTC1127.0
43. 1998/07/17 17:56NEBN DSPOTC2243.5
44. 1998/07/17 18:00EZN DFESTC1164.8


林 敏夫 T.Hayashi (350mm Schmidt-Cassegrain, Drawing)

No. 7 1998/07/17 15:55(UT)
I=116.0 II=197.6
Seeing:4/10 Transp.:3/5 x312

  • STBのCMに暗斑がはっきり見える。
  • SEBのCMに暗柱として目立って、STRzに薄く飛び出している様。
  • 暗柱から右の後方は白斑のマダラ模様で所々濃淡がある。


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