ALPO-Japan: Jupiter Section (August 21, 1998)

1998年 8月21日の木星

伊賀祐一・池村俊彦・忍穂井幸夫・奥田耕司・林 敏夫・堀川邦昭


August 21, 1998

●概況
Mid-SEB Outbreakの活動の盛んな第II系で180〜250度の観測です。SEBZのさらに後方で発生した白斑が次第に前進して、200度辺りから活動領域が北にシフトしている様子が捉えられています。これらの活動の終端は270度付近まで続いています。

池村氏の画像では、STBsの左にDark Spotが観測されています。好条件では小さな横長のDark Spotで、色も赤味を帯びていますので、Bargeと呼ぶ方が適切かもしれません。このDark Spotの前後のSTBが淡化していますが、190〜205度の領域のSTBには濃化部が見られます。さらに後方のSTZには'BE'が見えてきました。忍穂井氏の画像のCM右に、この'BE'が捉えられています。奥田氏の画像では、さらに後方の'FA'が捉えられています。

NTBは濃いBeltとして見えていますが、185度付近にGapがあり、この後方のNTZには、NTBから流れ込んでいる濃化部(Beltのようだ)が見えます。また335度付近にも同様のNTZ内のBeltが見られます。


池村俊彦 T.Ikemura (310mm Newtonian, Digital Camera NEC Picona)


極端な画像処理を適用(伊賀)

No.44 1998/08/20 14:53(UT)
I= 22.5 II=205.4 III=315.3
31cm F5 ニュートン
テレビュー5Xバーローレンズ 合成 F35
2゜プリズム NEC PICONA 1/7秒
DR655-Filter


極端な画像処理を適用(伊賀)

No.45 1998/08/20 15:04(UT)
I= 29.1 II=211.9 III=320.9
31cm F5 ニュートン
テレビュー5Xバーローレンズ 合成 F35
2゜プリズム NEC PICONA 1/7秒


忍穂井幸夫 Y.Oshihoi (200mm Newtonian, Digital Camera NEC Picona)


Image#42 1998/08/20 15:47(UT)
I= 54.8 II=237.4
NEC Picona 1/7 sec.、3枚コンポジット

極端な画像処理を適用(伊賀)

  • SEBZの白斑群はよく目立っている。2系190度と210度の白斑は、眼視ではSEBn側に開いたNotch状に見える。
  • EZのCM付近から、大きなFestoonが2本見られる。
  • NEBnのBarge-Notch-Bargeには変化が見られない。


奥田耕司 K.Okuda (250mm Newtonian, BITRAN BT-01 CCD Camera)


Image#43 1998/08/20 17:32(UT) I=118.1 II=300.1
Image#44 1998/08/20 17:55(UT) I=132.2 II=314.0
Image#45 1998/08/20 18:29(UT) I=152.9 II=334.6


画像強調を適用(伊賀)

S=5/10 T=6/10

  • STBはFAの前後が暗く幅広い
  • FAの明るさは鈍く、周りの暗部の取り巻きによって存在が確認できる
  • SEBはFAの経度あたりより暗く、Mid-SEB Outbreakの活動が鈍くなっているのが分かる
  • NEB NTB NNTBはあまり変化は無い


伊賀祐一 Y.Iga (280mm Schmidt-Cassegrain, Drawing)


No.41 1998/08/20 15:13(UT)
I= 34.6 II=217.4
Seeing:5-7/10 Transp.:2/5 x311
  • STBはCM左に暗部が見える。右後方は淡くShade状でよく分らない。
  • SEBZはMid-SEB Outbreakの活動が活発で、白斑が続く。CM付近で活動が、階段状に南にシフトする。
  • SEBsの右端にSTrZにかかる暗斑が見える。
  • NEBは細く、北縁のNEBnだけが濃い。右端に濃いBargeが出てきた。
  • NTBの左端にGapがあり、NTZに流れている。
  • NNTBのCM前方に30度程度のBarが濃く見える。


林 敏夫 T.Hayashi (355mm Schmidt-Cassegrain, Drawing)

No.21 1998/08/20 14:50(UT)
I= 20.8 II=203.5
Seeing:6/10 Transp.:4/5 x312



堀川邦昭 K.Horikawa (160mm Newtonian, Drawing)


No.41 1998/08/20 15h28m(UT)
ω1= 43.9 ω2=226.5
Seeing:5-7/10 Transp.:4/5 x200
  • SEB内部は白斑の連鎖状、後方ほど南寄り
  • BEは比較的明るく見える
  • この経度はfestoon、EBともはっきりしている
  • NEBは中央部がやや明るく、全体として二条になっている
CMT観測 (時刻はUT)
100. 1998/08/20 15:32EZN DFESTC1 46.3
101. 1998/08/20 15:45EZN DFESTC1 54.2
102. 1998/08/20 15:56NEBN DSPOTC2243.5
103. 1998/08/20 16:09STB WBE C2251.3
104. 1998/08/20 16:11EZN DFESTC1 70.1
105. 1998/08/20 16:20SEBS DPROJC2258.0
106. 1998/08/20 16:24NEBN DSPOTC2260.4


No.42 1998/08/20 16h43m(UT)
ω1= 89.6 ω2=271.9
Seeing:6/10 Transp.:4/5 x200
  • mid-SEB outbreakはCM上にある最後尾の白斑が最も目立つ、後方にはやや明るい部分もあるが、おおむね暗い
  • NEBにはriftのような明帯が見られ、一部は白斑状に明るい
CMT観測 (時刻はUT)
107. 1998/08/20 16:34EZN DFESTC1 84.1
108. 1998/08/20 16:39SEBZ WSPOTC2269.5
109. 1998/08/20 16:44SEBN DSECTP2272.5
110. 1998/08/20 17:14STB WFA C2290.6


No.43 1998/08/20 17h48m(UT)
ω1=129.3 ω2=311.1
Seeing:6-7/10 Transp.:4/5 x200
  • STBはFA後方で南へシフトしている
  • SSTB淡く不明瞭
  • NEB北縁にはbargeが多く乱れている
CMT観測 (時刻はUT)
111. 1998/08/20 17:40NEBN DSPOTC2306.3
112. 1998/08/20 18:33NEBN DBAR C2338.3


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