ALPO-Japan: Jupiter Section (January 31, 1999)

1999年 1月31日の木星

伊賀祐一・池村俊彦・奥田耕司・小山田博之・林 敏夫・堀川邦昭・前田和儀


January 31, 1999

●概況
大赤斑の後方の観測です。大赤斑に接近しているSTBsの暗斑は縁に近いために見にくいですが、堀川氏は濃度のある暗斑と眼視で観測され、前田氏のNo.57や池村氏のNo.134の画像ではII=90度付近にいます。大赤斑の後端が78度付近ですから、2月後半には暗斑が追いつきそうです。この暗斑の後方のII=121度には長さ15度ほどのDark Sectionが見られ、さらに後方のII=139度のSTZにもSTZの暗斑が見られます(前田・林・池村)。これらが大赤斑の後方に達するのは、それぞれ4月下旬、6月上旬と予想されます。

大赤斑直後のSEBZもやや白い状態ですが、1月22日のすばる望遠鏡First-Light画像に見られるような活発な白斑は認められません。前田・池村氏の画像と林・堀川氏のスケッチからII=122度と130度のSEBZの白斑は顕著ですが、昨年からのMid-SEB Outbreakの最後の活動域だと思われますが、新たな活動なのかもしれません。

この経度ではNTBとNNTBは濃いベルトとして見えています。NTZの白い帯も見られます。


前田和儀 K.Maeda (310mm Newtonian, Digital Still Camera NEC Picona)


極端な画像処理を適用(伊賀)

No.57 1999/01/31 08:18(UT)
I=108.8 II=122.4 III=274.9
NEC PICONA 1/7秒



極端な画像処理を適用(伊賀)

No.58 1999/01/31 08:38(UT)
I=121.0 II=134.5 III=287.0
NEC PICONA 1/7秒



極端な画像処理を適用(伊賀)

No.59 1999/01/31 08:48(UT)
I=126.6 II=140.2 III=292.6
NEC PICONA 1/7秒



堀川邦昭 K.Horikawa (160mm Newtonian, Drawing)


No.115 1999/01/31 08h24m(UT)
ω1=111.9 ω2=125.6
Seeing:4-6/10 Transp.:5/5 x200
  • この季節にしては好シーイング
  • RS後方にSTBの暗斑がせまっている、まだかなり濃度があるようだ
  • CM後方のSEB暗く、後方50-60°に渡り明るい模様は見られない、mid-SEB outbreakは消失したか、CM付近の明部が名残りか?
CMT観測 (時刻はUT)
378. 1999/01/31 08:37EZN DFESTC1119.9
379. 1999/01/31 08:40SEBN DSECTP2135.3
380. 1999/01/31 09:12EZN DFESTC1141.2
381. 1999/01/31 09:29EZN DFESTC1151.6


奥田耕司 K.Okuda (250mm Newtonian, BITRAN BT-01 CCD Camera)


Image#125 1999/01/31 08:59(UT) I= 85.2 II=205.5
Image#126 1999/01/31 09:15(UT) I=94.94 II=215.1

画像強調を適用(伊賀)

S=3/10-2/10 T=9/10(曇がよく通る)ND4-FIL

  • 空が明るい状態での撮像のため、細部及びシーイングの状態が不明


池村俊彦 T.Ikemura (310mm Newtonian, Digital Still Camera NEC Picona)



極端な画像処理を適用(伊賀)

No.133 1999/01/31 08:38:22(UT)
I=121.0 II=134.5 III=287.0
De= +2.0゜E.Dia=35.27"
31cm F5 ニュートン
テレビュー5Xバーローレンズ
2゜プリズム 合成 F36

NEC PICONA 1/7秒 4枚コンポジット



極端な画像処理を適用(伊賀)

No.134 1999/01/31 08:41:56(UT)
I=123.1 II=136.7 III=289.2
De= +2.0゜E.Dia=35.27"
31cm F5 ニュートン
テレビュー5Xバーローレンズ
2゜プリズム 合成 F35
NEC PICONA 1/7秒 4枚コンポジット



林 敏夫 T.Hayashi (355mm Schmidt-Cassegrain, Drawing)

No.83 1999/01/31 08:45(UT)
I=124.1 II=137.7
Seeing:4/10 Transp.:5/5 x380,x410

  • SEB内のCMから左にmid-outbreakの残りがSEBの南と北を分けている。左に行くに従って北に流れている。
  • STBがCM付近で暗班となっている。


伊賀祐一 Y.Iga (280mm SC, Digital Still Camera NEC Picona)


No.78 1999/01/31 09h24m(UT)
I=148.3 II=161.6 III=314.2
Seeing:3/10 Transp.:4/5 LV15mm
2 images composite
  • この経度のSTBは淡くて見えない。
  • EZnのCM付近のFestoonは濃い。
  • NTrZは明るく、NTBは濃いベルトとして見えている。


小山田博之 H.Oyamada (200mm VISAC, Drawing)


No.47 1999/01/31 09:26(UT)
I=149.8 II=163.1
Seeing:5/10 Transp.:6/10
  • NEB:NEBsが濃くなっており、NEBnに近づくほど淡くなっている(CM手前まで)。CM後方ではNEBnが濃くなっているもののNEBsは淡くなっている。
  • SEB:NEBより太い。SEBsが濃くなっており、SEBnも少し濃くなっている。

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