July 20, 1999(UT)

●Summary

梅雨のために観測が中断していましたが、10日ぶりの観測の報告が根市氏(青森県)と新川氏(堺市)から寄せられました。

大赤斑(経度II=66度)の南をSTBsの暗斑(#3)が通過しています。経度はII=57度で、かなり濃い楕円形に見られます。この暗斑の後方はSSTBと一体となっています。STBは大赤斑の後方に淡く見えており、右端には永続白斑BEが見えてきました。

大赤斑の前方のSEBZは、赤味の強いSEBsと淡化しているSEBnが見えます。大赤斑の後方では2個のあまり明るくないSEBZの白斑が見られ、SEBcを残して淡化しつつあるように思われます。

NEBはEZnの灰色のFestoonとNEBnのbarge状の模様とで複雑な様子に見えます。

今回から新川氏はIR-bandでの撮像に取り組まれています。波長域が840nm-960nmの木星像での成果が期待されます。

ガニメデの本体の経過が19h02m(UT)から始まりました。新川氏のIR画像の南極付近と、根市氏の画像の木星の右上に見えるのがガニメデです。

No.25 1999/07/20 17h59m23s(UT)
I=273.6 II= 67.0 III=264.8
8 frames composite

No.26 1999/07/20 18h33m00s(UT)
I=294.1 II= 87.3 III=285.2
3 frames composite

No.27 1999/07/20 18h39m40s(UT)
I=298.1 II= 91.4 III=289.2
3 frames composite

Telescope : C11 (SC) D=280mm fl=2800mm
Camera :Minolta DimageEx1500 Digital Camera 
        taking lens removed
Effective F No.: 25 (XP24mm Eyepiece Projection)
Filter: IR cut & Low-pass built-in the camera
Obs.site : Mozuhonmachi Sakai-City Osaka Japan
Exposure : 1/8 sec
Analog gain:18dB
Seeing:5/10 Transp.:3-2/6

The Maximum Entropy Method deconvolution after composite of the original taking images. And enhanced with the unsharp masking method.

Telescope : C11 (SC) D=280mm fl=2800mm
Camera :Minolta DimageEx1500 Digital Camera 
        taking lens removed
Effective F No.: 25 (XP24mm Eyepiece Projection)
Filter: Fuji IR84 (sharp-cut filter for infrared)
	Approx. imaging band is 840nm-960nm
Obs.site : Mozuhonmachi Sakai-City Osaka Japan
Exposure : 2 sec
Analog gain:18dB
Seeing:5/10 Transp.:3/6

Comment

古い撮像部は予告通り、赤外カットフィルタを外し、赤外域で撮りました。
ＩＲ８４という、富士のアセテートフィルタを介しています。（840nm-960nm位の撮像域です）
望ましくはメタンバンドの干渉フィルタがあればいいのですが、そこまでいかなくとも可視域と違う様子がうかがえるかと思います。
SSTB-SSSTBあたりに目立つ白斑がありました。