ALPO-Japan: Jupiter Section (August 12, 1999)

1999年 8月12日の木星

安達 誠、忍穂井幸夫
M.Adachi, Y.Oshihoi


August 12, 1999(UT)

●Summary
忍穂井氏は徳島県那賀川町科学センターの25cm屈折を利用されてPICONAで撮影されました。条件も良かったのでしょうが、細部まで記録された素晴らしい画像です。

忍穂井氏自身も指摘されていますが、SSTBはこの経度では二条になっていて、CM付近は2本のベルトの間が淡くなっています。また、STBのCM付近には暗斑の連続が見られますが、どれかがSTBsの暗斑(#1)として追跡されていたものです。STBの右端に見えてきたものがSTBsの暗斑(#2、Streak)です。

SEBsのCM付近のII=339、347度にProjectionが見られます。SEBZは南半分が赤味が強いベルトで、北半分は淡い白斑が連なっているようで淡化しています。

NEBは内部を大きなRift構造が走っており、NEB北縁が濃く、Barge状の模様も見られます。

NTBはNTC-Cに乗った模様が随所に見られますが、CM付近には細長くNTBsの突起が見られます。このNTC-Cの模様は第2系に対して1日に10度ほど前進しますので、ずいぶんと変化しているように見えます。この北側のNTZには2個のBargeが仲良く並んでいます(II=333、352度)。


Makoto Adachi (310mm Newton, Drawing)
No. 15 1999/08/12 15h00m(UT)
I=196.5 II=139.1 III= 19.3
310mm Newton, x400
Seeing:3/10 Transp.:2/5

  • STBはCM中央で切れている。以前はこの位置に白斑があったが、今日は見られない。
  • SEBは中央ベルトがよく目立つ。
  • SEBnは白斑の連鎖状になっている。
  • NTBはやや幅が広くなっている。

No. 16 1999/08/12 16h22m(UT)
I=246.5 II=225.0 III= 68.9
310mm Newton, x400
Seeing:5/10 Transp.:3/5

  • SEBsはモヤモヤした暗部がたくさん並んでいる。
  • SEBの中央組織は案外幅が広く、streak状にはなっていない。
  • SEBnはシーイングが良いときにはかなり濃く見える。
  • NEBnは形がはっきりとつかめない。2つの大きめの暗斑の間は明るくなく、notchはないようだ。

No. 17 1999/08/12 17h15m(UT)
I=286.0 II=257.0 III=100.9
310mm Newton, x400
Seeing:5/10 Transp.:4-2/5

  • STBは極めて淡く目立つものはない。
  • STrZとNTrZがzoneの中では明るい。

No. 18 1999/08/12 17h50m(UT)
I=299.6 II=277.6 III=121.5
310mm Newton, x400
Seeing:6(8)/10 Transp.:4/5

  • STBは極めて単調であるが、淡く南北に分かれており、かなり幅がある。
  • SEBnに小さな白斑が目立つ。
  • NTBは極めて複雑に見える。

No. 19 1999/08/12 18h46m(UT)
I=334.4 II=312.0 III=155.4
310mm Newton, x400
Seeing:6/10 Transp.:3/5

  • 南半球は単調で目立った模様は認められない。
  • SEBsも同様で、目立つものはない。オレンジ色がよくわかる。
  • EBはEZのほぼ中央寄りに見られていて、よく目立つ。
  • NEBはCMから後方にかけて二重になっている。
  • NNTBはモヤモヤと模様が入り乱れていて面白い。

No. 20 1999/08/12 19h32m(UT)
I= 2.4 II=339.7 III=183.7
310mm Newton, x400
Seeing:3(4)/10 Transp.:3-1/5

  • STBのDSはこのシーイングでは時々見られる。
  • SEBの中央組織はほとんどわからない。


Yukio Oshihoi (250mm Refractor, Digital still camera NEC PICONA)

No. 13 1999/08/12 19:31:18-19:32:46(UT)
I= 1.8 II=339.2 III=183.2
250mm Refractor(F8.9)
Nakagawa Science Center
NEC Picona 1/7sec
6 frames composite


強調画像:伊賀
  • 徳島県 那賀川町科学センターにおいて、25cm屈折望遠鏡にて観測。ペルセウス流星群を観望後、空が明るくなり始めてからの撮像となった。
  • SSTB は II=10度付近まではっきりとしており、II=0度付近で濃くなりやや蛇行している。
  • STB は淡いが、CM 前後に暗斑(#1,#2,#3)が並んでいる。
  • SEB は南半分が赤く濃いが、北半分は淡くなっている。SEBn の CM付近にProjection様の突起が見られる。
  • EZ は活動が活発で Festoon が 4本見られ、CM前方のものが特に目立っている。
  • NEBnは波打っているが、II=346 II=355 に 赤味の強いbargeが2個並んでいる。
  • NTZ にbargeが並んでいる。(II=332 II=353)。
  • NNTBn に NTZのbargeと前後するように3個のbargeが見られる。


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