ALPO-Japan: Jupiter Section (August 29, 1999)

1999年 8月29日の木星

安達 誠、伊賀祐一、池村俊彦
M.Adachi, Y.Iga, T.Ikemura


August 29, 1999(UT)

●Summary
第II系で200〜280度付近の観測です。STBはSTBnだけが細く後方に伸びていて、分岐して南にシフトしてSSTBに合流する箇所に斜めにRift状の明部が見られます(池村)。

SEBsのII=222度に10度ほどの長さのBayが見られますが、これはSEBsの暗斑が途切れているようです。II=225度のSEBcにRed Streakが7度ほどの長さに観測され、この北側のSEBnに明るくはない3個の白斑(229,239,255度)があります。SEBの北半分は淡化した状態です。

NEBは幅が狭く、中央部を横に白いRiftが長く伸びています。NEB北縁にはLittle Red Spot(LRS)のようなオレンジ色の斑点がII=199度に見られます。

NTBは南縁にNTC-Cに乗ったProjectionがあり、一見すると波打ったようなNTBに見えます。NTZのII=210度にBargeが観測されました。


Makoto Adachi (310mm Newton, Drawing)
No. 34 1999/08/29 14h57m(UT)
I=359.8 II=209.0 III= 57.4
310mm Newton, x400
Seeing:4/10 Transp.:5/5

  • SEBsには明るいStreak(II=220.6)があり、前後のSEBsが太く濃いためによく目立っている。
  • SEBの中央組織はかなり濃淡が見られるようになってきている。
  • NEBの凹凸はかなりはげしく感じる。
  • NTrZはモヤモヤして複雑だがよく分らない。
  • NNTB以北は目立ったものはない。

No. 35 1999/08/29 15h30m(UT)
I= 19.9 II=228.9 III= 77.3
310mm Newton, x400
Seeing:8/10 Transp.:5/5

  • SEBs直下に明るいStreakが見える。
  • SEBnは細かな濃淡が目立っている。またSEB北半分の白斑の連鎖もよくつかむことができた。


Toshihiko Ikemura (310mm Newton, Digital still camera NEC Picona)

No. 70 1999/08/29 15:41:48(UT)
I= 26.7 II=235.7 III= 84.1
De= +3.5 E.Dia=45.17"

強調画像作成:伊賀

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/40
2 deg. prism, NEC PICONA 1/7sec
4 frames composite



Yuichi Iga (280mm SC, Digital still camera NEC PICONA)
No. 57 1999/08/29 15h38m(UT)
I= 24.4 II=233.4 III= 81.8
280mm Schmidt-Cassegrain, XP24mm(f/39)
NEC Picona 1/7sec, 7 frames composite
Seeing:6/10 Transp.:4/5
  • STBが左端で分岐し、斜めにシフトしたものがSSTBに合流している。本来のSTBはSTBnだけが後方に続く。
  • SEBsに暗斑が連続しており、CM左のII=222度にSEBs Bayを形成している。
  • SEBは濃い南半分と、淡い白斑がある北半分に分離されている。
  • NEB北縁は大きく波打っていて、左端に拡散状のオレンジ色のNTrZの暗斑(II=197度)が見える。
  • NTZの左のII=209度にBargeが見えている。

No. 58 1999/08/29 16h00m(UT)
I= 37.8 II=246.7 III= 95.1
280mm Schmidt-Cassegrain, XP24mm(f/39)
NEC Picona 1/7sec, 4 frames composite
Seeing:7/10 Transp.:4/5
  • かなり条件は良い。
  • 細いSTBnが続いている。
  • SEBsには暗斑が連続している。
  • SEBZの北半分には小さな白斑がいくつかあり、全体として北半分は淡くなっている。
  • NEB北縁は波打っており、II=239度に濃いBargeが見える。
  • NNTBはほとんど見えない。

No. 59 1999/08/29 16h30m(UT)
I= 56.1 II=264.8 III=113.2
280mm Schmidt-Cassegrain, XP24mm(f/39)
NEC Picona 1/7sec, 5 frames composite
Seeing:8/10 Transp.:4/5
  • SSTBはCM後方から2重になっている。
  • SEBsの暗斑はまだ後方に続いている。
  • SEBZの南半分は赤味を帯び、北半分は黄色で淡くなっている。
  • NEB北縁の右のII=294度に明るい白斑が見えてきた。
  • NNTBはなく、CM付近に暗部がいくつかある。


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