ALPO-Japan: Jupiter Section (October 11, 1999)

1999年10月11日の木星

安達 誠、池村俊彦、新川勝仁
M.Adachi, T.Ikemura, M.Niikawa


October 11, 1999(UT)

Summary
大赤斑の直後に迫ったBE/FAを池村氏は観測されました。BEはII=84度、FAは98度に位置し、間隔は14度あります。やはりBEが大赤斑に接近したことでやや加速したことで間隔が広がったようです。相変わらずBEとFAの間のSTBの小白斑(II=92度)も見えていますが、BEの直前の暗柱がはっきりしなくなりました(10月5日と比較)。BE内部の模様も見えており、BE前方のSTBが少し濃く見ています。

大赤斑後方のSEBZの大赤斑後方撹乱の活動は、明るくはない白斑がいくつか見られますが、活発ではありません。大赤斑自身の中心の経度は、10月5日に69度でしたが、8日と11日には67度と明らかに少し前進しています。BEの接近の影響が出ているのでしょうか。

NEBnのII=85度にあったLittle Red Spotに成長しそうだった斑点は、II=81度に前進し、NEBnの暗部と一体化したようです。II=88度と114度にはNEBnの湾入に白斑(白雲)が見られます。

安達氏はFAの後方のSTBsに明るい白斑が見えていることを指摘されています。この白斑は7月30日の池村氏の画像に初めて見つかり、その後も継続して見えていますが、指摘の通り、最近は明るさを増してきています。

また、STrZのbargeが見られると指摘されていますが、これは9月24日にII=183度に見つかったものが前進している暗斑です。経度測定から、以下の結果が得られています。

Date Longitude
Sys-II
Observer
1999/09/24 183 K.Maeda
1999/09/27 176 T.Ikemura
1999/09/29 167 Y.Oshihoi
1999/10/01 159 M.Niikawa
1999/10/08 144 M.Niikawa
1999/10/11 135 M.Adachi
これらのデータから平均の自転周期は9h53m46s、ドリフトは-84.1度/30日(-2.8度/日)になります。STBn jetstreamに乗った暗斑と考えられます。

Toshihiko Ikemura (310mm Newton, Digital still camera NEC Picona)

No.113 1999/10/11 11:57:34(UT)
I=205.0 II= 87.1 III=306.9
De= +3.6 E.Dia=49.45"

Enhanced by Y.Iga

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/40
NEC PICONA 1/7sec
3 frames composite



No.114 1999/10/11 12:02:56(UT)
I=208.3 II= 90.3 III=310.1
De= +3.6 E.Dia=49.45"

Enhanced by Y.Iga

310mm Newton(F5)
TeleVue barlow 5x f/40
NEC PICONA 1/7sec
3 frames composite



Masahito Niikawa (280mm SC, Digital still camera Minolta DimageEx1500)
1999/10/11 12h48m47s(UT) I=236.2 II=118.0 III=337.9 9 frames composite
1999/10/11 12h51m53s(UT) I=238.1 II=119.9 III=339.7 9 frames composite
1999/10/11 12h55m22s(UT) I=240.3 II=122.0 III=341.8 8 frames composite
1999/10/11 13h45m25s(UT) I=270.8 II=152.2 III= 12.1 12 frames composite
1999/10/11 13h49m05s(UT) I=273.0 II=154.5 III= 14.3 11 frames composite
1999/10/11 13h55m25s(UT) I=276.9 II=158.3 III= 18.1 12 frames composite
1999/10/11 13h59m23s(UT) I=279.3 II=160.7 III= 20.5 8 frames composite


Telescope : C11 (SC) D=280mm fl=2800mm
Camera :Minolta DimageEx1500 Digital Camera taking lens removed
Effective F No.: 25 (XP24mm Eyepiece Projection)
Filter: IR cut & Low-pass built-in the camera
Obs.site : Mozuhonmachi Sakai-City Osaka Japan
Exposure : 1/8 sec
Analog gain:6dB
Seeing:7/10 Transp.:3/6
Image Processing
The Maximum Entropy Method deconvolution after composite of the original taking images. And enhanced with the unsharp masking method.
Remarks
Good seeing.

Makoto Adachi (310mm Newton, Drawing)
No. 66 1999/10/11 13h15m(UT)
I=252.2 II=133.8 III=353.6
310mm Newton, x400
Seeing:9->4/10 Transp.:3->1/5

  • FAはとても明るい。BEは大きくなっていて広く見え、マージはまだである。中間の白斑はリムに近く見えない。
  • 今までに見られないbargeがSTrZに現われた。CMTでII=135.6度。緯度はSTrZのほとんど中央に見える。
  • STBsの白斑は非常に明るい。
  • NEBのCM直後にある白斑は大変明るく、リフトとともにとてもよく目立っている。


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