火星には赤道に平行な縞模様やリングなどがないため、撮影モニターやファインダー で火星像を見て、直接南極方向を上に合わせるのは、大変困難です。模様がほとんど ない面が見えていて、視直径が小さく、シーイングが悪い場合はなおさら、無理です。 そこで、日周運動方向、または、赤経微動で動く方向を、撮影画面の横に合わせて 撮影します。画像処理時または、画像処理後に傾き角度を戻すように画像回転して、 南極を正しく上に合わせるのです。この傾き角度は北極方向角として、天文観測年表 ではP 天文年鑑ではA で掲載されています。真上を向いているときが0゜で、そ こから左回りに表します。 たとえばP=36.42゜のとき、赤経方向を水平とすると、火星の極方向は左に36.42゜ 傾いています。 撮影するときは、撮影に専念します。画角とピントと撮影時刻の記録に集中します。 カメラの画角の底辺に接触する位置に火星を持ってきます。 赤経の微動を動かして、底辺と平行に動くように、画角を合わせます。 カメラの画各クランプを留めて、火星を画面の中央に持っていって撮影します。 撮影の後、画像処理の最初または最後に 火星画像を36.42゜右へ回転させます。 これで極が真上になります。 2003年の接近期では、2003火星シミュレーションにP角を掲載してあります。 火星シミュレーション2002/12-2004/05 月惑星研究会では、南極を上にそろえています。 撮影データーテキストをつけて報告します。 -------------------------------------------------------------------------- 参考 火星のコンポジット許容時間 (197000÷視直径÷口径cm)秒