ALPO-Japan

ALPO-Japan Meeting 2002/11/02(土)


2002年11月02(日) 13時〜17時 安達氏宅

    (滋賀県大津市本堅田4-8-11)




月惑星研究会関西支部通信  No. 35   2002年11月2日

 今回の例会は土曜日開催の第二回目の例会となりました。土曜日の奉加
参加が得やすいのか、日曜日の方が良いのかいろいろと論議のあるところ
ですが、今回は11名の参加を得て開催しました。また、今回は新しく入
会頂いた山岡さんも参加され、活気ある例会となりました。山岡さんは、
今年和歌山で行いました木星会議に参加された方で、そのときに参加の意
志を伝えておられ、今回から参加されることとなりました。
 木星は観測の好機を迎え、火星も東の空に美しく輝く!?ようになって
います。まだ3秒台ですが、これから観測が始まるだろうと思われます。
それにつれ、安達もコメントを付けたりと忙しい季節がもうすぐ始まりま
す。

1 自己紹介

山岡  豊中市から初めて参加しました。しょうわ40年生まれです。今
年は木星の観測を10月からはじめ現在20枚とっています。今までに3
00枚足らずの観測をしてきています。望遠鏡は口径が212mmのカセグ
レインを使っています。架台はタカハシです。マンションに住んでおり、
ベランダからの観測となっています。ベランダがL型に張り出しており、
2時間くらいの観測が可能です。

畑中  主に土星を写しています。現在、画像の処理をいろいろとやって
いるが、なかなか難しく、苦労しています。木星の方はまだ、大赤斑を見
ていません。金星の方は、望遠鏡を向けようとしているが、スカイセンサ
ーがうまく動かずに困っています。太陽の近くに行くとすぐに嫌がって逃
げていくので。

河原  観測はできる状況でなくなっている。多分2〜3ヶ月は出来ない
状態でしょう。30cmを二枚磨いているためです。将来の自分の望遠鏡にと
35cmから40cmの物を考えて調べてみましたが、パイレックスで20万円、
ゼロデュアーでは40万円かかることが分かり、高くて驚いています。

奥田  ついに気温が氷点下になりました。雪はまだ降っていません。フ
ィルターをRGBのアセテートフィルターをIDASのRGBのガラスフィルターに
かえました。また、それに合うようにフィルターボックスも作りました。
ついでに、メタンに挑戦しようとIR85を使いましたが、バンド幅が広すぎ
るのでIR88も(アセテート)も試してみました。しかし、これも広すぎて
Iバンドのようなかんじになりました。これからIR90を試してみるつもり
です。

新川  (山岡さんが入会されたけれど)二番目に若いです。五年程前
から狂ったように観測をしています。(ホンマや!)木星はピコナに任
せて、土星・火星・金星を撮っています。あさって発行の天文ガイドに
金星の紫外雲の観測の記事がでますから、買って下さい。

伊賀  木星バカです。池村さんにホームページをお願いしてから少し
余裕がでてきましたが、天文ガイドへの原稿の提出に追われ、大変です。
昨晩も木星を観測しましたが、ピントもでないようなひどい気流でだめ
でした。

安達  10月になって一生懸命観測をしてスケッチは44枚になりま
した。明け方に火星を拝んでいますが、観測できる状況にはなく、初観
測には今しばらくの時間が必要です。観測はやはり、明け方の方が気流
が良く、これから火星のでてくることですから、年内は明け方の観測を
続けることになると思います。

風本  望遠鏡を20cmから30cmにグレードアップしました。また、
ニッシンの直径2.8mのドームを屋上に取り付けて観測に入るようにな
りましたが、風も防げて、効率のいい観測ができるようになりました。
ただ、亜気になって気流のよくない日が続き残念です。ソニーのTRV900
のビデオを購入しました。これからビデオでも観測してみたいです。

林   今期は二回木星を観測しました。朝は起きにくく、土曜日と日
曜日の観測が中心となります。10年くらいドームの中での観測をして
いますが、ドームの載っている建物の西側が太陽からの輻射熱を受けて
非常に熱くなるため、気流が安定しません。そこで、壁に目隠しをつけ
てみました。少しましになった方に思います。来年の夏は火星を頑張り
たいと思います。撮影はミノルタのディマージュでやっています。最近、
マイクロソフトのADSLで薄出さんとチャットをやっています。参加しま
せんか?

森田  自転車で例会に参加しました。一番近くに住んでいます。25
分できました。10月半ばより観測は開始しました。自作の20cmで観
測をしています。最近になって観測の準備をしているときに架台のEM200
を倒してしまいました。クランプがまがってしまい、直すのに苦労しま
した。アイピースのXP14を買いました。また、15cmの鏡を現在修正研
摩をしています。

2 木星の状況 (伊賀)
 ホームページへの報告がだんだん多くなり、嬉しく思っている。報告
状況は次の通り。
 <木星>        <火星>
  8月ーー32画像   8月ーー14画像
  9月ー106画像   9月ーー34画像
 10月ーー75画像  10月ーー63画像
 10月からは海外からの観測の報告も増えてきている。これ以外にも
金星の観測が新川さん、天王星を風本さんが報告している。
 木星の展開図は、8月に2枚、9月に3枚、10月には5枚が作成で
きた。(プリントが配付された)この展開図などを元に報告する。

◎ BA

 かなり見難く、観測者によっては違う白斑をBAと見間違うケースもで
ている。(安達のことでしたm(_ _)m)
画像処理をしないと肉眼ではかなり厳しい見え方をしている。今までは
BAの直後に目立った暗部が存在していたが、その暗部がかなり小さくな
り、判別できにくくなったものと思われる。以下に位置を示すので、気
をつけてほしい。
 8/21   5.9°  9/ 2 359.7°  9/ 9 358.6°
 9/19 354.9°  9/28 351.5° 10/ 1 348.0°
10/ 8 347.9° 10/16 345.2° 10/22 343.0°

 一月に-12°移動している。

◎ SSTBについて
 SSTBに幾つか見られる小さな白斑の合体は良くあることで珍しいもの
ではない。ただ、今回気がついたことは、これらの小さな白斑は1箇所
に集まる傾向が見られる。現在幾つも見られるが、五個くらいは昨年か
ら同定できている。2=120-220°の間に6個ある。南よりに見られるもの
がこれまでのSSTBにあった白斑で北よりになっているものがSTZにでき
た白斑である。これらの様子はダミアン・ピーチの画像によく現れてい
る。これから先はSSTBにあった白斑がSTZに合った白斑を追いこしてい
くことだろう。
 また、大赤斑の左上の領域に注意して観測してほしい。

◎ 大赤斑
 現在82°にいる。眼視的にはかなり分かりにくく、CMTを正確に取る
のは難しいだろう。現に安達が間違った値を出している。
 安達注:10月30日にもかなり注意してCMTを取りましたが、77°
くらいになりました。みなさん。気をつけましょう。でも、自信あった
のになあ・・・。
 
◎ SEB
 大赤斑後方のSEBsは淡くなっており、2=220°位まで続いている。境目
ははっきりせず、10月の終わりには250°くらいになっている。このSEBs
が淡くなったとたんに、大赤斑が濃くなっている。これはSEBが淡くなる
と大赤斑が濃くなると言う過去の事実に忠実に従っている。最近になって、
SEBsが大赤斑の直後で濃くなってきているが、大赤斑が相変わらず濃く見
えるため、SEBの淡化が始まったのではないかと期待している。

◎ STrZ
 10月10日に2=300°位に暗斑が見られる。ゆっくり後方へ動いている。

◎ NEB
 ぐちゃぐちゃで言い様がない。┓(´_`)┏
 五月くらいに細くなりかけて、今もその傾向が続いている。Bargeと
Notchは次のようになっている。

Barge      0° 40° 110° 200° 240° 275° 310°
Notch              70°               320°

これらのうちBarge;110°、240°、275°
      Notch;70°、320°
以上の五つは昨年から続いている。NEBは中央にリフトも見られなくなり、
沈静化している。

◎ EZ
 EZsの幅が狭くなり、SEBnからEBに向かってたくさんの淡いフェストー
ンが見られる。また、EBそのものも幅が広くなり、活動的になっている。
(報告者;安達)

3 土星 
◎ 中緯度にできた白斑(伊賀)
 9月29日、グラフトンさんからの画像に見つかった。自転の分かる
ものは珍しく、伊賀はそれらの画像から動画を作成した。観測者はグラ
フトン以外にはいないらしい。直径5°位の小さな白斑だった。

◎ 土星の観測の方法
 土星を観測するときのガイドを池村さんが作成され、送ってこられた。
プリントを全員に配り、内容を確認した。(代読;新川)参加者全員問
題は感じられず、納得した。ホームページに出すならば、過去の観測の
画像を文字とともに張り付ける方が良いだろうとの意見があった。

◎ 最近の土星(新川)
 まず、模様の名称についての説明があった。STeBがやや濃くなってき
ているようだ。昨年10月位からはっきりしてきている。1月からはSEB
だけが暗くなっているように見え、9月まで続いた。その後、南半球は
青っぽくなり、明るくなったようだ。また、SEBnが若干濃くなったよう
だ。紫外線の画像によると昨年はSEBはかなり明るいベルトで目立ったが、
今年はSEBよりも北側全体が明るくなっている。
 このように、こからの土星観測は紫外線かんそくが面白いかも知れな
い。なお、使用している波長は550nmから390nmである。
 最近の傾向をまとめると
 1 STZ-STeB-STeZが明化している。
 2 SEBnが少し暗化
 3 EZが明化
 4 SPRの小さな領域が少し拡大した。

4 金星の観測 (新川)

◎ Airglow
 新川さんは、夕方に金星が見えている状態で観測を精力的に行われ、
かねてから考えておられた「灰色光」の撮像に成功されました。ただ、
明るい金星の画像の一部がぼんやりと広がったように写る様子をきちん
と撮るのに大変苦労されたこと、回折像等の光学的問題等をクリアする
ために苦労されたこと等が報告された。また、この英語での名称につい
てもAirglowとする方向で使っていくと報告された。この報告については
参加者のたくさんの方から質問がでて、活発な話し合いとなりました。
 畑中さんはDVに撮ったものがあるとの報告がありました。また、安達か
らはアイピースの端に金星の輝いている部分を見えないようにかくして観
測していたことが報告され、今後の撮影方法についても議論された。最も
良い方法はCCDのチップに直接マジック等で塗料を塗り、それで金星の輝
面をかくして撮影するのが良いだろうと言うことになった。しかし、カ
メラを完全にパーにしてしまうので、ちょっと現実的じゃないかなあと
話し合いました。
 Airglowの見られる日は、必ずしも透明度のよい日とは限らないこと、
赤っぽいと言う人もあること等も報告された。今回は9月24日に撮っ
ている。また、この日よりもあとにはみられていないらしい。

◎ 紫外雲の周期解析
 海外からも観測が寄せられるようになり、それらの観測等を使って紫
外雲の周期解析を行った。方法は、撮影された画像を次のようなパター
ンにわけ、その似たパターンがいつ見えてくるかをグラフを使って調べ
ていった。
  南北に二条の模様
  南側が濃いとき
  北側が濃いとき
  中央が濃いとき
  極冠が目立ちもようが不定なとき
 過去の観測からは4日の周期がでているが、3.51日という結果を導くこ
とができた。ただ、観測すうが決して多くなく、今後は観測数をふやして
検証する必要があると思われる。金星は400nmよりも短いものを使って撮
像している。

5 画像の報告と利用について 池村作成 伊賀代読

 池村さんが木星会議の時に議題として提供されたものが整理されたので、
それについての確認作業を行った。報告は書式を決めて行うことや、報告
された画像については無断使用禁止と明示しない限り自由に研究者は、会
員の内外に関わらず利用できる。と、するものです。ただし、使用した場
合は当会まで報告することを義務とします。と言うものです。参加者全員
の承諾を得ましたので、近いうちにホームページに掲載することになりま
す。
 ただ、利用した人の名前を公表することを義務化していますが、例えば、
天文ガイドの惑星観測のページにドリフトチャートを掲載するときに測定
させていただいた人の名前を全員書き上げることは無理ですから、このよ
うな誌面の制約がある場合は、関西支部に報告された画像から測定という
下りをつけてそれにかえることができると言うことにしたらいいだろうと
言うことになりました。
 例会の時に、画像から位置を測定するソフトがないか等質問がでました
が、伊賀さんが作っておられます。必要な人は伊賀さんまで連絡して下さ
い。たんに画像を撮影して報告するだけでなく、自分で測定できれば、面
白さは何倍にも膨らむことと思います。みなさん、頑張って下さい。

6 事務連絡
◎ 次回の例会は1月25日か26日かのどちらかにします。みなさんの
都合をお知らせ下さい。参加の多い日を選び、例会の日とします。
◎ 二次会は8名で参加しました。新しくやすくて美味しい店を開発しま
した。みんなはまったみたいです。予約を入れないといきなりでは席があ
りませんが、1月は新年会でーーす。

発行 520-0242  大津市本堅田4-8-11  月惑星研究会関西支部事務局


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