ALPO-Japan

ALPO-Japan Meeting 2003/01/26(日)


2003年01月26日 13時〜17時 安達氏宅

    (滋賀県大津市本堅田4-8-11)
 1月26日(日) 午後1時から5時まで 例会を行いました。
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Iga   Oohashi Morita  Hayashi Kazemoto Yamaoka  Nakanishi
         Kojima         Adachi     Hatanaka     Okuda
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伊賀 大橋    森田    林     風本    山岡    中西
      小嶋        安達      畑中      奥田

月惑星研究会関西支部通信  No. 36   2003年1月26日
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M.Adachi
安達さん
 2003年最初の例会を行いました。本年は火星の大接近を控え、忙しい年になります。
また、新しいカメラやフィルター、また、最近話題になってきている処理の方法など
進歩が期待されます。これからのみなさんの活躍に大いに期待したいと思います。
 今回の例会は11名の方が参加され、新年会にも8名が参加し、新しい情報など、た
くさんの情報交換を行いました。また、新年会の席上ではありましたが、例会のあり
方についての希望も出て、新年を迎え実りの多い例会となりました。
 今まで例会と言えば、各惑星の状態を整理することが主体になっていましたが、参
加いただいた方々からの発表をほとんど入れることがなく、近況報告としてのみお話
いただいておりましたが、参加者からの発表の時間を確保したらどうかという意見が
出ました。そこで、この意見を尊重し、次回からは参加者からの発表の時間を確保し、
会員のみなさんの発表をいただくことにします。もちろん、参加されて聞くだけになっ
ていただいてもかまいませんが、なにか発表していただける、あるいは紹介していた
だければ嬉しく思います。

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1 参加者
    中西/小嶋/大橋/森田/伊賀/山岡/林/奥田/風本/畑中/安達
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2 近況報告
◎伊賀さん
    月に一度くらいしか観測はできておらず、さぼり気味だ。原稿の提出が忙
    しく、惑星サロンに原稿をいただきたい。堀川さんや平林会長にはお願いし、
    いただいているが、他の方にも情報をお願いしたい。取り分け火星の原稿に
    困っている。(惑星のコーナーですから、火星で、読む人を焚き付けるもの
    を書いてほしいと頼まれているとか。by.A)
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T.Hayashi
◎林さん

 現在、忙しく何もできていない。天文観測年表を買って、心の準備をして
 いる。シーイングが悪い上に、曇天続きで参っている。


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I .Oohashi
◎大橋さん

  1月12日に今シーズン初めて木星を見た。天候の都合など、これから春
  まで冬眠に入る。

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T.Kojima
◎小嶋さん

 大気の状態が悪く木星などボケボケの状態で、銀塩では写真をとれない状
 態になっている。そこで、この状態から脱却しようとキャノンのパワーショッ
 トのデジカメを買った。今年の火星は気合いを入れて撮ろうと思う。最近は
 月を月齢ごとに写そうとがんばってる。(ついに銀塩をやめたか。と、言わ
 れていましたがスローシャターの必要がなくなれば、再び銀塩に戻るそうで
 す。by:A)


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A.Kazemoto
◎風本さん

  晴れてさえいればドームをあけて撮影している。よいシーイングを探す方
 法はないかと思っているが、最近はTrV900(デジタルビデオ)で撮影も始め、
 もっと良い画像が得られないかと工夫している。アイピースをラディアン 
 の10mmにかえて良くなった。ピコナ以上のものを狙っている。そこで、最近
 になって外国製のカメラを注文した。


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K.Okuda
◎奥田さん

 まだ木星は見ていない。去年の暮れからシャープカットフィルターでメタ
 ンを試みたが、断念した。アイラスがフィルターを春に出すようなので買い
 たい。特注したら10万円以上するらしい。


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A.Hatanaka
◎畑中さん

 2時間から3時間処理して、こんなものかと、がっかりしている。目で見
 ると見えているが、なかなか画像にならない。ピコナは拡大撮影だが、私は
 コリメートで、良くとれない原因がこれに関係ないかと考えている。また、
 風の影響(海風、陸風)も関係があるかもしれない。


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T.Yamaoka
◎山岡さん

 12月は全く観測できていない。1月になって再開し、8枚スケッチをとった。
 今年からはスケッチを報告しようと思っている。(報告がんばってください。
 by:A)


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H.Nakanishi
◎中西さん

  伊吹おろし(西風)の影響がなくなってきている。2時から3時までねばっ
 ていると、シーイングのとまる時のあるのが分かった。この時の自宅付近の
 煙突の煙を調べると煙の流れている向きが狭い範囲で違っていることが分かっ
 た。冷却CCDがUSB転送にできた。10分から20分で100枚くらい撮って中から
 良いものを選ぶようにしたら良くなった。


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M.Morita
◎森田さん

 天気の良い日には撮影をすることにしている。15cmを磨きなおしたものが
 出来上がり、今年はそれを使っている。シーングがよくなったら20cmで撮影
 しているようにしている。


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◎旭川の阿久津さんから(メールでの報告)
  旭川は晴れません。今年は雪がとても多く、毎日のように雪がふっています。完
 全に冬眠状態です。旭川に平成17年度に青少年科学館ができます。60cm級の望遠
 鏡が設置されます。惑星観測に使えるように働きかけています。
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3 木星観測のまとめ(担当:伊賀)
◎ SSTB
 大赤斑の南側にいくつも並んでいる白斑だが、現在は5個ある。2000年は7つあっ
て180°くらいの広がりを持っていた。その後、しだいにせばまってきている。昨
年3月の終わり頃2個がマージ(合体)した。都合6個に減った。現在は5個になっ
ている。広がりは短縮傾向にある。(2年間で半分くらいに減少した。)このまま行
くと2004年か2005年にはなくなってしまうかも知れない。
◎  STB
 大赤斑後方に階段状のものができている。BAは9月2日に国内では最初に認められ、
-12°/月で移動している。10月には343°、11月330°で、現在は305°くらいにいて、
やや小さくなったようだ。
◎ GRS(大赤斑)
 前後に暗部ができたりなくなったりしている。CMTは眼視では非常に捕らえにくい
だろう。前方から接近してきたSEBsは大赤斑からの渦に飛ばされ、前方のSTrZ
にstreakになって見えるかもしれない。
◎ STrZ
 大赤斑の前方にあったドーナツ状の暗斑が9月24日くらいからSEBsにでき大赤斑
湾の肩にきてその後湾を大赤斑後方に向かって滑り込んでいく現象が観測された。今
までは同様の現象はおよそ2週間くらいで経過していたが、今回はなんと2ヶ月もか
かって異例な状態が続いた。
   9月24日 左肩
  11月23日 中央(最も北より)
  11月28日 右肩
◎ SEB
 10月には2=240°まで淡化していたが、淡化はそこでゆっくりになった。12
月になって、260°くらいになり、大赤斑からその位置までのSEBsは不安定な状態が
続いている。
 12月22日になってBAAから報告が入り、2=143°のSEB中央に白斑の出現したこ
とが報告されてきた。サンチェスも撮影している。これはmid-SEB outbreakではない
かと考えられている。この現象は1999年にもあって2=350°に出現した。この時は大
赤斑後方撹乱の部分まで白斑がのびていった。今回はこれからの追跡が大事だ。
◎ NEB
 北側が次第に細くなる傾向が続いている。0°付近と260°付近がやや広いが後はすっ
かり細くなった。NEBnは切れ切れになってきている。Bargeもなくなってきている。
◎ NTB
 11月中旬に淡化した。3個の暗部だけが残った。9h54m33s位の自転周期を持ってお
り、かなり速く動いている。メタンでも見えなくなっているのでアンモニアの雲が出
ているようだ。2週間程で劇的に淡化は進んだ。14年ぶりの淡化でロジャーズから
は14年かかって暗くなったので、これからは当分見えなくなるのじゃないかと考えら
れている。(これからはNTBのある木星を見たら『なつかしい』と、思うようになる
かも。by:A)
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4 火星の近況(担当:安達)
Change Mars map
火星の説明図

 世界各地から報告が集まりはじめている。会員の観測もあるが、主な情報源はなん
といってもダミアン・ピ?の画像だ。安達も観測しているが、気流が強烈に悪くはっ
きりしたことが分からない。昔と違い、小さな火星はCCDにはかなわない。
 火星面の様子は、最も気になるソリスからダエダリア付近を除いて、およそつかめ
た。概要は、現在の所ほとんど2001年の大黄雲の出る前の状態と大きな変化はないよ
うに見受けられている。ただし、部分的には濃くなったように思われる地域もある。
シルチスの東にあるアルキオニウス付近やアラビアの北側にやや暗くなった部分が出
現している可能性もある。ピーチの画像はコントラストが非常に強くつけてあるため、
そのままの濃さで認知しないように留意したい。ただ、視直径が5秒しかないのにニ
クスオリンピカの白雲が画像に出ておりぶったまげた。
 視直径はしだいに大きくなってくるが、これからだんだん細部の確認ができるもの
と考えられる。やはり、ソリスとダエダリアの付近は大いに気になる所で、早く情報
が欲しいものである。
◎ 南極冠の変化の観測
 今年の大接近の特徴は南極冠の解けていく様子を観測することにある。おもに、大
接近の時は南半球の観察に適しており、特に南極冠の消失過程を詳しく観測できる。
大接近の年は火星の軌道の近日点が太陽に最も近くなるため、南極は北極にくらべて
太陽からの輻射熱を大きく受け、完全に解けてなくなってしまう。従って、それらの
過程を詳しく観測することによって南極の様子を観察できる。
 このことは今までから言われてきていることだが、まとめをしている安達は別の観
点から火星の南極冠の消失過程を整理してみたいと考えている。
 南極の地形は起伏に富み、太陽に向かって傾斜している所は速くに溶解し、極冠の
割れ目として観測されている。このことは今回の接近でもかわらない。反対になかな
か解けずに残る、極冠のはり出した部分は単に高度が低いだけだろうか。地下に保存
されている水との関連はないのだろうか。このことについて今回は注目していこうと
思っている。また、極冠付近に発生する霧と地下に残されている水とのかかわりも大
いに気になる所だ。
 11月には日本の「のぞみ」も到着し、火星の画像を送ってくれることだろう。また、
アメリカの探査機からもたくさんの情報が届けられるだろう。地上からの観測とあわ
せてまとめていきたい。
◎ 西はりま天文台公園でのワークショップ案内 
 2003年4月12(土)から4月13日(日)にかけて西はりま天文台公園でワーク
ショップが開かれる。テーマは「火星大接近で何が探れるか」と言うもの。支部から
は池村さんが画像の担当で講師をされると思う。安達は参加する。みなさんの中で参
加希望の方がおられたら、事務局まで申し出てほしい。申し込みなどを送らせていた
だく。
◎ 高校生天体観測ネットワーク
 上記のネットワークのアドバイザーをと、安達の所に依頼通知がきました。東亜天
文学会の会員として受けることになった。高校生達ができる火星観測のあれこれをア
ドバイスすることになり、3月に仙台まで行くことになった。情報源として当会のHP
を紹介する。もちろん東亜天文学会の会員として行くので、東亜天文学会の火星課
のHPも、海外のものもまとめて紹介してこようと思っている。
 初心者の観測で、難しいことはもちろんできないが、極冠の変化や、雲の観測など
を説明しようと考えている。
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5 土星の近況(担当:伊賀)
 探査機のカッシーニが2004年7月に土星に行くのに当たり、現在の場所から見た土
星の画像を送ってきた。参加者でその画像を見た。HSTもたまに撮影しているよう
で439nmと814nm(近赤外)の2まい。それにより斑点が記録されていた。
 9月の終わり STB -41.5°に白斑 3=100°
11月にピーチやグラフトンの画像で写ったものもHSTのものと同じものだった。SEB
のまん中にも白斑が出ているが、これは12月10日のものとつながっている。それら
から2本のドリフトチャートが描けた。
 地上からは10月にピーチが動画を作っている。(伊賀のPCで動画を確認)HSTに近
いイメージが得られている。12月8日と12日にグラフトンが撮っている。動画にし
て調べているが写っていない。静止画にすると分かりにくいが、動画を作成すると判
断がしやすくなるようだ。国内では12月22日に中西さんがこの白斑の撮影に成功し
ている。この白斑は全部で3回見えて次のように観測された。

  9月27日から10月12日  3=94°
  12月22日         3=310°
  1月4日          3=220°
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6 事務局から
◎ 会費徴集
 例会に参加された6人の方々から会費をいただいた。未納になっておられる方はお
願いしたい。1年分500円。納入状況は問い合わせを。
◎ 池村さんからの検討事項
 1 海外の報告者に向けてのコンセプト、画像の取扱い
  勝手に使用されることを承知しているものとすることを、英文で明示してほしい
と言う件でしたが、安達が一応担当してやってみることにする。
 2 webcomの情報
  みなさん調査中とのことで、これと言ってかけるようなものが見つからない。こ
れについてはML(メーリングリスト)で情報交換をしてほしい。
 3 HPに出ている観測報告方法の掲載について
  観測部門と報告部門をわけて整理して掲載してはどうかという提案だったがこれ
も安達の方でわけてみることにする。
◎ 次回の例会
 まだ、決定と言うわけではないが4月20日に実施することになると思う。
◎ 木星会議交通費情報
 新大阪駅発博多までひかり号で一月前に4枚つづりの切符を買う。要するに二人の
往復切符を買うと一人片道11000円(往復22000円)になるもののあることが分
かった。もちろん乗車券と新幹線。みなさん、積み立てましょう”!
  新幹線レールスター カルテット切符 使用の前月発売。
 高速バスの状況
  京都駅から福岡まで 京阪バス(京都駅発)22:00 博多着7:20
  往復18800円 京都駅予約電話番号075-661-8200
  一月前から発売
◎ 例会配付資料
 伊賀さんから1部配付されました。必要な方は申し出て下さい。
 内容:2002年8月から12月の木星のまとめの一覧表と展開図。
    土星の白斑とその画像およびドリフトチャート
◎The A.B.S.(Astro Bakuro Service)
 事務局のPCがみなさんの期待を裏切ってi-Macになりました。今までよりも早く調
子よく動きます。奥田さんのおかげです。さらにYahoo BBに申し込みをしました。何
しろ電話局から直線で300mない所ですから、どんなことが起こるのか楽しみです。

発行 520-0242  大津市本堅田4-8-11 月惑星研究会関西支部
      代表者 安達 誠
   電話 077-573-7605  E-mail @「VZD07247@nifty.ne.jp}@

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