ALPO-Japan

ALPO-Japan Meeting 2003/04/20(日)


2003年04月20日 13時〜 安達氏宅

    (滋賀県大津市本堅田4-8-11)
 4月20日(日) 午後1時〜 例会を行いました。

月惑星研究会関西支部通信  No. 37          2003年4月20日

 本年2回目の例会になりました。木星会議直前ですが、木星には話題が集中し
ています。火星もすでに模様がよく見えるようになり、観測も順調に進んでいま
す。また、今回は支部の活動の活性化を目指して、会費の値上げを検討すること
にしました。会費を全員に還元するためにもみなさんに御承諾頂きたく思ってい
ます。会費の値上げについては、会則もない会ですから、正式な決定機関はあり
ません。従って、例会の時のみなさんの意向を参考にして決めたいと思います。
どのような会費の使い道になるかは最後にお知らせしますので、参加できなかっ
た会員の中で御意見のある方は支部メーリングリストで御意見を下さい。

参加者(順不同)
  河原/新川/中田/伊賀/前田/風本/畑中/安達/福井/大橋/小島/
  柚木/奥田/薄出

1 近況報告

 新川 堺の仁徳天皇陵の近くからやってきました。古墳や池が多く、蚊の多い
   地域です。私の勤めている会社は近いうちにあるフィルム会社合併するの
   で大変な状況です。火星は1971年から観測しているます。仕事の都合上、
   さすがにToUcomは信用していません。特長として自転の速い木星には使え
   るかなと思っています。ただ、他の惑星にはまだまだいいカメラがあるよ
   うに思います。近々違うものを試してみようと思っています。今日は、例
   会でそう言った話をしようと思っています。来月号の天文ガイドに記事が
   出るので見てほしいと思います。なぜかやってもいない冷却 CCDとのこと
   ですから驚いています。

 河原 56才になります。今は、IOーdataのカメラを手に入れて撮ってみました
   が感度が低くがっかりしています。ToUcomをもう一台買おうと思っていま
   す。中西さんの望遠鏡の30cmがなかなか磨けなくて、まだできていませ
   ん。会社もがんばらないといけないのでなかなか大変です。
    ToUcomは3/15にファーストライトを行いました。望遠鏡は全自作の物を
   使ってやっています。

 中田 神戸からきました。初めて入会しました。画像については永長さんが師
   匠です。永長さんから新しいカメラを教えてもらいました。もともとは冷  
   却CCDでを使い、夜天光を撮ることから入った。これからはメタンの方も
   やってみたいと思います。去年の秋に主鏡を入れ替えました。火星を撮
   ったのですがプリズムが必要だと思っています。鏡はNTKで磨き直してもら
   いました。およそ2mの長さの望遠鏡を使って観測しています。

 畑中 学校現場から熊野少年自然の家に転勤になりました。木星を見ている暇
   がなくて困っています。スカイセンサーの調子が悪く悩んでいいます。西
   村製45cmカセグレインがあまりによく見えているので写してみたが1/
   250でよく写りました。望遠鏡の設置場所は海抜180m位の高台にあって
   気流にはいいようです。

 福井 山科にすんでいます。例会には初めて来ました。伊賀さんにメールを送
   ったのがきっかけで入会することになりました。大学までは札幌にすんで
   いました。会社員になってから山科にきました。ひさしぶりにサークルに
   入っての活動になります。観測は階段の踊り場で観測をしています。今ま
   ではビデオでやっていましたがToUcomに代えました。今はアダプターもな
   いですが、もう少しやってみたいと思っています。

 前田 1年半振りに例会にやってきました。今年になって単身赴任から自宅帰
   ってきました。帰ってきてMLを見たらわけの分からないカメラがいっぱい
   出ていて驚きました。池村さんまでが始められたので、これはいかんと思
   い、自分も始めることにしました。しかしなかなかうまく撮れていません。
   自宅から見ると木星と土星の間をジェット機が飛んで気流を乱しているの
   が気になっている。どうも気流がよくない。

 風本 3月からカメラを代えました。後発の永長さんにすごいのを撮られてシ
   ョックを受けています。画像の処理は迷路の中に入った感じです。今日は
   みなさんにパラメーターを聞きたいと思っています。赤道儀の調子が悪く
   困っています。

 伊賀 木星とwebの担当をしています。木星はベランダから見えなくなり、対
   象外になりましたが48枚画像を撮りました、後半はToUcomで11枚撮り
   ましたが思ったよりよく撮れました。ToUcomで2週間がんばりました。中
   にはいいものも撮れました。みなさんに広がってよかったと思っています。
   しかも木星に面白い現象が出てタイムリーだったと思っています。観測の
   主体は火星になりつつあります。これからは火星しか見えないのですがみ
   なさんには木星を撮っておいて欲しいと思います。
    天文ガイドの原稿についてですが、レオングさんの来日の事をたくさん
   書いていますから見て下さい。

 薄出 ひさしぶりに例会にやってきました。新しいカメラでがんばっています。

 小島 勤務している所の町長が変わって「天文台はいらない」と言うので困っ
   ています。どうなるか分からない状態です。天文台の存続についてはいく
   つか山があるのだろうと思いますが、しばらくするとひょっとして単なる
   事務職になっているかも知れません。身の上がこれからどうなるか心配で
   す。ここ1年ではっきりするのじゃないかと思います。2年ぐらい我慢す
   れば先が見えると思います。町は合併の話が決まっています。 
    カメラはフジプロを買って風景などもとろうと思っています。天体用に
   はアダプターがないから手持ち撮って試しています。デジタルカメラに慣
   れたいと思っています。最近は得に月にはまっていて、月齢ごとの写真を
   撮ろうとがんばっています。銀塩の方は止めていません。

大橋 メールは読んでいます。自分の望遠鏡でいろいろ見ています。木星土星と
   M42を見ました。望遠鏡を自分で組みたてられず、小嶋さんに組んでもら
   って見ました。自分でできるようにがんばりたいです。木星より土星の方
   がよく見えました。福岡の木星会議には行きたいです。
 
柚木 新川さんの近くからきました。小学校の高学年から天体は見てきましたが、
  惑星を見るには鏡を磨かないといけないような感覚があります。鏡磨きは河
  原さんに教えてもらいたいと思います。鏡をBK7で磨いていますが癖があっ
  て大変だと思っています。現在、最終の整形をやっています。
   今日は1981年の木星のスケッチを持ってきました。安達さんの欠測の年に
  あたります。比べられなくて残念です。このころはがんばって観測していま
  した。冷却CCD,ST5でがんばろうと思っています。ただ観測場所が電線だらけ
  になるので困っています。コンポジットは眼で見て画像を選択しているので
  時間がおもいきりかかってこまっています。名古屋で木星会議があったとき
  に参加し、やっぱり入会しようと思い入会しました。先日あった西はりまの
  ワークショップにも参加しました。これからはメタンバンドでやりたいと思
  います。観測地の西の空に電線が一杯あるので、これからやりにくいのでま
  いっています。火星も撮っていますがいいものが撮れていません。ピントが
  出しにくくて大変です。

安達 今年は火星の当たり年で、いろいろなところから問い合わせがきています。
  とりわけ高校生天体観測ネットワークの火星観測のオブザーバとして招請さ
  れ、参加することになりました。この夏は支部の活動だけでなく、このまと
  めをすることもでてきて、かなり忙しくなりそうです。木星の観測もしてか
  はいるますが、頭の中は2/3が火星で占められています。また、火星の大
  気についても少しずつ勉強を始めています。先週西はりま天文台公園であっ
  た火星のワークショップに池村さんとともに参加しました。

木星の観測から(担当:伊賀)

(1) STrZ white Spot とGRSとの会合
 伊賀さんのまとめた動画を使っての説明。(HPにアップされたものの改良版。)
    WSは3/7に最初に見つかった。(堀川さんとは違った見解ですが)
    gapを過ぎたところでドーナツ状になって見つかった。
    4/13にBAYの左肩にやってきた。
    4/15、二人が左肩にやってきている。
    4/16に永長さんが決め手を撮った。
    4/16ペリエさんのもの。
    4/17レオングさんのもの。
    4/18グラフトンさん。
    4/18永長さん。
    4/19ラザロッティ。     地球から1周ごとに観測されてい
                    る。
 おそらくGRS Bayの右肩にでて一時期止まるだろう。そこからSEBsに行くかGRS
に回り込むかは分からない? 4/21から22あたりが要注意だ。

(2)BAについて
 一時期見えなくなったとの情報が流れたが、様子は解明された。
 1月27日 315°エッジははっきりしていた。
 2月10日 エッジが見にくくなっていた。
 3月10日 前方のエッジが見えなくなってきた。輝度も低く分かりにくい。
       白斑の内部は暖色系の色になって見えにくくなっている。
  BAはメタンでよく写る。まだ現在は見えているだろうが、確認はとれていな
い。

(3)mid - SEB outbreak

 GRSの前方の2=140°に白斑が生まれ、それが前方に広がっていった。白斑の発
生時期は次のようだった。
  第1回目12/14
   2回目12/23
       3回目 1/4
   4回目1/20
   5回目1/28  動画を見ながら検討。
         2月途中で終わっていると思われるが、4月16日に再び出
         てきた。(永長/安達)
          まだ、完全に活動が収束したとは断定できない。

(4)NTBの淡化

 昨年の11月ごろ一気に消えていった。約2週間で見えなくなり、2つの赤っ
ぽいBARが残った。NEBの北側にできたベルトは、淡く見える状態で残った。とて
も速い自転周期を持っている。
 このあたりの帯流について、伊賀さんから詳しい説明があった。

(5)NTrZの白斑 (白斑Z)

 かなり長く留まっているが、今まではNEBのBARGEを潰してきていたが、現在の
ところBARGEに追い付いたがそのままランデブー状態を維持している。白斑の本
体は見かけよりもいくぶん北によっている。また、非常に勢力が強いようだ。

火星の観測から(担当:安達)

2003年4月までの火星面

2月の火星面
 3月に入り、視直径は6秒を越えた。肉眼では依然として模様の検出は難しく、
大きな模様の存在が分かる程度だった。
 画像では、厳しい条件ながらいくつもの報告が寄せられた。1973年の大黄雲の
発生の後、南半球のソリスのすぐ西に位置するダエダリアが暗い斑点となって出
現したが、今回もこの部分に大きな変化が期待された。しかしながら、2月では
確認できなかった。
 全体として目立った大きな模様の消長は、ダエダリアを除いてみられない。し
かし、視直径が小さいながらも小規模な雲が観測された。1月2日にイギリスの
ダミアン・ピ−チ氏がエリシウムのすぐ北に雲を捉えた。エリシウムは高地にな
っており、しばしば山岳雲が出現するが、そのすぐ北側に雲が出現して、まるで
「ひょうたん」のような明部ができた。その一月後にも同じ部分に雲が残ってい
た。南極は極冠が形成される途中にあたるが、明瞭な極雲を認めることはできな
かった。

3月の火星面
 視直径は6秒を越えた。
 3月の最大の関心事は、なんと言っても南極冠の姿を確認することだ。南極冠
が最大になるのはLsが140°くらいの時期に当たるから、3月はまさしく南極冠
が最大になって見える時に相当する。しかし、日本は天候の関係で3月中旬にな
るまで観測結果を得ることができなかった。
 3月の最初の報告は名古屋の池村氏が最初となった。(池村氏3月15日の画像)
この画像では、南極に雲のかかっていることがよく分かる。よい気流の時の画像
ではなく、模様は今一つ出ていない。しかし、南極の雲がはっきりと認められ、
よく見るとこの雲のようなものは東西二つに明るいところが分かれているのが分
かる。一つは南極の雲。さらにもう一つは西の端から出てきた霧とよってできた
ものだ。おそらく左側(東)の明るい部分は極冠だと思われる。
 3月20日は気流がよかったようで、南極冠がしっかり白く見えている。3月22
日の観測では、明らかに南極冠が捉えられた。
このあと、火星の季節は春になり南極冠がしだいに融けて小さくなって行く様子
がみられる。また、2001年の大黄雲の影響を受け、新しい模様が出現するのでは
ないかと期待される、南半球のダエダリアの様子
もはっきりするだろう。

 なるべくブルーのフィルターを使って撮像をして欲しい。

 西はりまであった火星ワークショップの報告を、当日使ったパワーポイントの
画像を使いながら説明した。画像からどのように火星面の情報を読み取るかを説
明した。

会員の話題

畑中
   火星の近赤外像で何がわかるか
  近赤外で撮影すると少々のダストなら、火星の表面まで光が透過し、白色光
  で模様が写らないときでも、かなり模様がよく見えるようになる。原因は波
  長が長いからで、地球上でも黄砂がでてきて見通しが悪い状況の中でも、近
  赤外なら遠くも景色まで比較的よく写ることが実験で確認された。今回はそ
  の画像を提示し、火星面での見え方を検討した。

前田 ToUcomのシャッタースピード試行
    1/25  1/33  1/60s の3種類を試行したが、結果的には1/25が
  最もよかった。
    (安達は何の話か分かりませんでした。かけないのでごめんなさい。聞
     きたい人は前田さんに連絡をとって下さい。)

新川 火星のフィルター観測と、画像処理ソフト
     火星の撮像はフィルターを使って撮影することに非常に価値があるが、
  とりわけ、ブルーで撮影する場合、赤外もれの無いものを使わないとせっか
  くの情報の価値を大きく下げることになる。従ってフィルターを使う場合は
  そのことを十分に考慮して選んだ方がよい。波長は440nmよりも短いものが
  よく次のフィルターが手に入りやすくよいと思われる。
    B370 赤外もれがある
        B390 赤外もれがない  観測に相応しい。ケンコーフィルター
                ケンコートキナーのHPを見る。
                協栄産業でも手にはいるかも知れない。
    赤外はFUJIのアセテートフィルターで簡単に手に入る。ただし、ピント
  が大きくずでるのでよう
注意
   西はりま天文台のplanet-BのHpに良くわかるグラフが出ている。
    
事務連絡

◎ 例会の会場
 会場について、会議室を借りてやってはどうかと思います。京都国際交流会館
(第2候補)か京都アバンティ(第1候補)にしてはどうかと考えています。次
回の例会は7月13日にする。会場について詳しいことが決まったらメーリングリ
ストで通知します。
 最近参加社が15名程になり今の会場では手狭になりました。よって、京都駅
の近くの会場に変更します。ただ、駐車場はありませんから、とめると高くつき
ます。とにかく、有料駐車場は全国一高い所ですから、電車でお越しになること
をお勧めします。
◎ 会費について
 年間500円の金額で運営することは問題はないが、会のこれからの振興の事
を考え、年間1000円にしたいと考えています。
  用途は資料の送付などに使う通信費/資料保管のファイル購入費/例会時の
コピー代/例会時の茶菓子代に当てていますが、全国にいる会員さんに還元でき
ていません。

 今後は会費が少したまったところで、惑星研究者を講師に招いて講演を依頼し、
そのときの講師料にあて、その後その講演の内容や画像をCDRに焼いて全会員に
配付する費用として使いたいと思います。
 今年はできれば7月に京都大学の大学院で火星の研究をし、この春に博士号を
取得された中串さんに講演をお願いできないかと考えています。すでに御本人か
らは内諾を得ていますが、会員の承諾が得られれば、この話をすすめて行きたい
と思っています。

◎ お伺いします。

 現在年間500円頂いていますが、未納になっている人が相当数おられます。
新しい1000円の会費を実施するとして、これは2003年分から実施したいと思
いますが、この金額でお願いできないでしょうか。例会を行う時は、みなさんか
らの会費をみなさんに少しでも還元したいので、会場費は参加者で頭割りにして
いきたいと思います。この方法は本部も採っている方式ですが、受益者負担とい
うことです。もしも御意見がありましたら、お聞かせ下さい。一応、5月一杯を
メドにして決定したいと思います。

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 発行
 月惑星研究会関西支部 
 520-0242  大津市本堅田4-8-11
 電話 077-573-7605  
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