ALPO-Japan

ALPO-Japan Meeting 2003/10/26(日)


2003年10月26日 13時〜 京都市生涯学習総合センター『アスニー山科』

    (JR山科駅下車徒歩2分)
 10月26日(日) 午後1時〜 関西支部例会を行いました。 
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後列左から 瀧本/中田/風本/伊賀/柚木/森田/畑中
前列左から 奥田/梅畑/林/安達/福井

1 例会参加者 12名
  福井・伊賀・柚木・畑中・森田・風本・奥田・中田・安達・林・瀧本・
 梅畑(ビジター)

2 近況報告
  参加者各人に、近況報告をして頂きました。

3 木星の近況

◎ シーズン最初の観測
 2003年9月8日が最初の観測。(伊賀・堀川氏の観測)
 合が過ぎて観測できるようになったがmid-SEB outbreakが観測され、前シー
ズンにはなかった新たな活動が確認された。GRSの後方が明るくなっており、
次第に全面の様子がはっきりつかめてきた。

◎ mid-SEB outbreakの観測
 10月8日 青黒い暗柱が立っているのが観測され、SEBに白斑が並んでい
       るのが確認されている。
 10月10日 2系=185度くらいに発生源がありそうだ。
 10月15日福井氏の画像でよく写っている。245度くらいに赤い斑点が
       写っている。 
      BAは220度くらいにいるのじゃないかと考えられる。
 10月17日にはSTrZの南に見られる。
 10月18にちにはhome-Zが捉えられた。
 10月19日mid-SEB outbreakの白斑がきれいに並んで確認された。模様の
      移動量からさかのぼり、8月の中旬くらいに発生したのではない
      かと考えられる。STBの暗斑がしっかり見える。小さいが濃くは
      っきりした存在だ。
◎ BAの観測
 10月23日にBAらしものがはっきり確認されている。STBに2つの湾があ
り、どちらかがBAだ。しかし、今のところ、どちらとも確認できない。今後メ
タンバンドで撮ることによって確認されるだろう。
◎ その他の観測
NTrZにNTBではないかと思われるベルトが青っぽく見えてきている。位置はま
だ測定できていないから、決定的ではない。
GRSの赤色が濃くなっている。SEBが濃いときにGRSが赤いというのは珍しいこ
とだ。
4 火星の近況(安達)
◎ 大黄雲の今後の見通し
 今シーズンは、2001年の大黄雲の発生の後をうけ、1971年のときの大接近時
に起こった大黄雲の発生のときとよく似た状況にあり、2回目の大黄雲の発生
をみんなが期待している中での観測となりましたが、残念ながら全球的な大黄
雲は発生していません。現在のLsは270度になっていますが、今後の見通しに
ついて、安達なりの仮説を立てましたから、それを含めて報告します。

○ 中規模の黄雲の発生

1 Hellas付近で活動
7月1日にHellas付近に発生した黄雲は、その後東へ広がり、Ausonia付近にま
で進行したが、その後拡散状になり位置関係など観測ができなくなった。
2 Cryse~Margaritifer付近の活動
   7月29日に発生し、これは赤道を越え、南半球に侵入し、拡散した。
 これら、2回の黄雲の活動は、過去の例から見ると一般的なものだが、この
後、興味深い現象が見られた。2001年はピコナ全盛の時代だったため、低緯度
付近の氷晶雲の様子がよく記録されてきたが、今回はToUcamの時代になり、氷
晶雲の観測よりもダストベールの記録がいままでになくなされるようになった。
その観測記録を分析すると、黄雲のたびに火星の暗色模様のコントラストが低
くなり、火星面全体がベールをかぶったような状態になっていることがわかっ
てきた。
 今年の火星面は、いままでになく黄色い火星で、赤さをあまり感じない。こ
の原因は、このダストベールにあるように思われる。また、黄雲として明らか
には観測されなくても弱い砂嵐はおそらく各所で頻発しているはずだ。なにし
ろ2001年に大黄雲が発生し、大気中に非常に細かな粒子が浮遊し、あたかも黄
砂が日本付近の上空を覆うようになっていると思われるからだ。こういった状
況は、大気の温度を上昇させることにつながり、しれだけに。地上付近に嵐を
起こしやすい気象条件を作ると思われる。

○ 大気の温度
 大気について書かれた論文から、黄雲が出ると大気の中層以上の温度は、初
期において上昇するも、その後は下降に転じること。また地上付近は初期段階
では温度が下がり、逆転状態になることが、バイキングの観測で明らかになっ
ている。(配布プリントを使って説明)
 このことから考えると、今シーズンの比較的厚いダストベールの覆っている
状況から、地上付近の温度はあまり高くなく、大黄雲は起こりにくい状況にな
ってるのではないかと安達は予想した。

◎ 大黄雲の下部には下降気流が
 大規模な黄雲が起こると、低気圧的な気流の流れが火星面に起こるが、周囲
から大気が集まるときに、すべてが上昇気流に移行するわけではなく、一部は
下降気流になることがわかっている。そういたことから、Hellasを見ると、中
心付近に時々見られたZeaが、今シーズンは非常に暗くなっており、2001年の
ときの大黄雲の影響をたくさん受けた可能性がある。ひとつのセルが20km
くらいの大きさではないかというのが一般的だから、Hellas全体に下降気流が
起こり、Zeaが大きくなたとは考えられないが、部分的にはかなり乱れた可能
性がある。探査機によるHellas内部の詳しい観測がほしいところだ。
◎ 南極冠のゆくえ
 永久南極冠が見えてきている。いつまで見え続けるだろうか。今後の観測で
ついせきしていただきたい。経度で60度方向に大きく傾いているから、
Cimmeriumの見えている方向では確認できないことになる。したがって、経度で
60度が正面に来ているころには注意して観測してほしい。
◎ ミッチェル山
 最終観測は9月28日くらいか?

5 土星の近況(伊賀)
◎ 白斑について
 フランスのPellier氏が発見した小さな白斑について、伊賀氏からまとめの
画像の紹介があった。この白斑は、一時的に出現した模様である。最近は分解
能においても優秀な画像が多くなり、小さな模様も捉えられるようになってき
ている。ただし、気流との関係があり、国内では難しいかもしれない。
◎ ベルトの観測について
 EBだと思われているベルトは、測定の結果、南緯10度くらいに位置してい
た。赤道にないことは驚きだった。(一般に、土星の赤道帯は木星に比べて非
常に広いことが多い。)
◎ SEBにかかわって
 SEBは赤道の白く広い帯の部分からもっとも近い暗いバンド言います。また、
NEBもこれに準じています。

6 ホームページのアップデート方法について
 観測者各人が作業の一部を負担し、全面的にお世話頂いている池村さんの負
担を軽減していく方法が話し合われた。















太陽観望会の時の写真です。太陽画像は明暗の差が極端で処理が難しいです。(福井英人)

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=============== 詳細な例会模様=========================================
月惑星研究会関西支部通信  No.38 2003年10月26日
 今年最後の例会となりました。8月27日に再接近を迎えた火星ですが、
その後次第に視直径は小さくなり、さびしくなってきました。一方、木星はそ
れとは反対に、SEBにoutbreakが発生し、にぎやかな状態になってきています。
観測も土星や木星の報告が多くなってきました。
 今回は奈良から、高校生の梅畑さんがビジターとしてこられ、新鮮な感じの
例会となりました。また、例会に先立ち、福井氏のコロナドフィルターでの太
陽の観望会がリベンジされ、幸いにも好天に恵まれ、素晴らしい太陽の観望会
が行われました。例会のときにそのときの画像などが公開されましたが、われ
われのホームページにも公開されることでしょう。
(Oplanetsの10/26に掲載しました)

1参加者(参加12名)
 福井・伊賀・柚木・畑中・森田・風本・奥田・中田・安達・林・瀧本・
 梅畑(ビジター)
 出欠の返事をメールで25名の方々からいただきました。
2近況報告
安達: 木星が東に昇ってきているが、火星に専念しており、土星や木星など
のその他の天体は観測していない。まだまだ観測がたくさん送られてきており、
時間が足りない状況だ。京都大学講師の中串さん、西はりま天文台研究員の時
政さん、そして私の3人で2003年の火星のレポートを作成することになり、
現在、それに載せるための内容を検討している。今後、皆さんの画像を提供し
てほしいというお願いを出すことになると思うので、そのときは協力してほし
い。
柚木: ベランダでの観測を行っている。火星を観測した日は86日になった。
今シーズン中に100日は越えたいと思っている。今年の火星は白っぽく、模
様がなかなか出てこない。おまけにSCはピントが出しにくく大変だ。25cmのア
スコの赤道儀が手に入るかもしれないので、それが手に入ったら、庭に据え付
けたいと思っている。支部ではドームを使っている人が多いが、私はスライデ
ィングルーフを考えている。作りやすくていいのじゃないかと思っている。(
土地のある人がうらやましいby:M.A.)最近はPCにデータがたまりすぎるので、
DVDに焼きこんでいる。一日のほとんどがこういた作業に費やされており大変だ
が、来シーズンはブルーに挑戦したい。
奥田: 観測はST5だけで観測している。(貴重な存在です。やめないでねby:
M.A.)火星はシーイングがよくなれば必ず見るようにしている。発色が難しい
が、透明度がよくなってきたので、これからはやりやすくなるだろう。木星は
先週から観測活動を開始した。しかし、今日の朝は雨だった。最近メタンバン
ドのフィルター(889nm±10nm)を注文した。もうそろそろ届くのじゃないかと
思っている。やや幅が広いが、これからはこれを使っていくつもりだ。発注先
は国際光器。
瀧本: 初めて例会に参加した。(香川県から来られました)7月上旬はデジ
カメでやっていたが、作業が大変なので、ToUcamを入手して、使用し始めた。
おかげで安定した観測ができるようになり、観測日数も50日を越えた。レジ
スタックスの使い方やパラメーターが扱いにくく、今日はいろいろ教えていた
だきたい。土星は最近になってようやく見るようになった。自分のメインの観
測は太陽で、年間200日くらい観測をしている。その傍ら、惑星の観測をし
ているので、観測活動は夜半までに限られている。
森田: 久しぶりに例会に出席した。観測は自作の20cmの鏡筒を使って観測し
ている。1週間前まではピコナを使っていたが、ToUcamに乗り換えた。まだ数
画像しか撮れていない。火星はシーイングが悪くなってしまったが、ピコナよ
りもいいようだ。ただ、ピコナもシーイングがよければ非常によく写っている。
土星にも挑戦したが、いいものは撮れていない。木星はまだ観測していない。
天王星にも挑戦した。
福井: 望遠鏡が21cmから25cmになった。7月に新調でき大接近には間に合っ
た。今まではベランダでの観測だったが、とうとうベランダからは見えなくな
り、台車に望遠鏡を載せて近くの公園での観測となった。火星を追いかけ、誠
報社のツアーでオーストラリアに火星を見に行った。向こうの望遠鏡で画像を
撮り、昼はどこも見物しないで、ひたすら画像処理をしていたとのことで、み
んな感心するやら・・・。(ともあれ、ゆらぎの少ない生画像をみんなで拝見
しました。)
伊賀: 自宅からは、日曜日でない限り、火星は見えなくなった。観測活動は
自然に木星に移った。天文ガイドに記事を長く書き続けているが、なぜか星ナ
ビからレジスタックスの使い方を紹介してほしいと頼まれ、発刊された。(み
なさん買ってあげてくださいby:M.A.)天文ガイドは火星の特集がなくなり、
落ち着いた。今は、去り行く火星を見送っている。(安達さん!火星の今シー
ズン前半のまとめが天文ガイドに出たけれども、後半もでるんだよね。なんて
話がちらほら出ています。伊賀さん、どうするの?)
畑中: 今までは火星に合わせた観測をしてきた。赤外と近赤外を撮っている。
いまは、カラー合成の仕方に苦労している。今シーズンはIRですばらしい画像
を得ることができた。現在は仕事の都合で、帰宅が遅くなり、観測活動がやり
にくくなってきた。
(甘くておいしいみかんをたくさん持っていていただきました。おおきに。)
風本: 望遠鏡のモーターが故障して、7月から2ヶ月も観測ができなくなって
しまった。せっかくの大接近が見られなかった。ようやくモーターが直って帰
ってきたが、1?2週間くらいで今度はノッキングを起こすようになり、現在
もその症状が続いている。どうかすると、しばらくの間症状が出なくなること
があり、その間を狙って画像を撮っている状
態だ。火星はシーイングが悪いと模様が浮き上がってこない。
中田: 神戸から来た。火星は30日観測した。まだ、手元に未処理の画像が
ある。7月に望遠鏡の架台が壊れ、応急処置をして使っている。8月20日に
ベストの画像が撮れた。時々いいものが撮れるが、処理が大変な作業になって
いる。外づけHDもいっぱいになって、新たには撮れない状況になっている。土
星も木星もやっているが、最近は仕事都合で帰宅が遅くなり、観測活動はやり
にくくなっている。10月からはあまり観測できていない。
梅畑: 高校2年生です。望遠鏡は20cmを使っている。伊賀さんの紹介で
奈良からやってきた。初心者だけれども、伊賀さんからToUcamの使い方を習っ
て撮影をしている。光軸合わせに苦労している。10日くらい観測した。今日
は勉強させてほしい。(安達が高校生のときは白黒の写真が主流でした。そし
て、梅畑さんと同じように勉強しに、大阪まで行ったことを思い出しました。
)(天文ガイド。18歳以下の部で載っている。by;Iga)
林  : 火星のみの観測活動をしてきた。まだ、木星や土星は見ていない。
2001年はデジカメだったがいまはToUcamになった。大接近以降は撮れるよ
うになった。9月11日にベストショットが撮れた.。火星が10秒を切るま
では観測を続けたい。

3木星の近況
◎ シーズン最初の観測
 2003年9月8日が最初の観測。(伊賀・堀川氏の観測)
      9月17日に堀川氏の観測で、SEBの中に明るい部分を捉えた。
      9月26日に堀川氏が観測。
 以上の観測などから、mid-SEB outbreakが観測され、新たな活動が確認さ
れた。BAAのロジャースからは発表は確認されるまで待ての支持があったが、
ここに来てしっかり確認された。GRSの後方が明るくなっており、次第に全面
の様子がはっきりしてきた。
◎ mid-SEB outbreakの観測
 10月8日 青黒い暗柱が立っているのが観測され、SEBに白斑が並んでい
       るのが確認されている。
 10月10日 2系=185度くらいに発生源がありそうだ。
 10月15日福井氏の画像でよく写っている。245度くらいに赤い斑点が
       写っている。 
      BAは220度くらいにいるのじゃないかと考えられる。
 10月17日にはSTrZの南に見られる。
 10月18にちにはhome-Zが捉えられた。
 10月19日mid-SEB outbreakの白斑がきれいに並んで確認された。模様の
      移動量からさかのぼり、8月の中旬くらいに発生したのではない
      かと考えられる。STBの暗斑がしっかり見える。小さいが濃くは
      っきりした存在だ。
◎ BAの観測
 10月23日にBAらしものがはっきり確認されている。STBに2つの湾があ
り、どちらかがBAだ。しかし、今のところ、どちらとも確認できない。今後メ
タンバンドで撮ることによって確認されるだろう。
◎ その他の観測
NTrZにNTBではないかと思われるベルトが青っぽく見えてきている。位置はま
だ測定できていないから、決定的ではない。
GRSの赤色が濃くなっている。SEBが濃いときにGRSが赤いというのは珍しいこ
とだ。
○ mid-SEB outbreakの解説(伊賀)
   初めての方のために、伊賀氏がこの現象の解説を行った。初発の白斑
の噴出源があり、そこから次々に白斑が形成され、白斑は、次々に前進して
いくことが、説明された。今回の観測では、先頭の部分に青黒い暗柱が出た
ことは珍しいことだった。

4 火星の近況(安達)
◎ 大黄雲の今後の見通し
 今シーズンは、2001年の大黄雲の発生の後をうけ、1971年のときの大接近時
に起こった大黄雲の発生のときとよく似た状況にあり、2回目の大黄雲の発生
をみんなが期待している中での観測となりましたが、残念ながら全球的な大黄
雲は発生していません。現在のLsは270度になっていますが、今後の見通しに
ついて、安達なりの仮説を立てましたから、それを含めて報告します。
○ 中規模の黄雲の発生
1 Hellas付近で活動
7月1日にHellas付近に発生した黄雲は、その後東へ広がり、Ausonia付近にま
で進行したが、その後拡散状になり位置関係など観測ができなくなった。
  2 Cryse~Margaritifer付近の活動
   7月29日に発生し、これは赤道を越え、南半球に侵入し、拡散した。
 これら、2回の黄雲の活動は、過去の例から見ると一般的なものだが、この
後、興味深い現象が見られた。2001年はピコナ全盛の時代だったため、低緯度
付近の氷晶雲の様子がよく記録されてきたが、今回はToUcamの時代になり、氷
晶雲の観測よりもダストベールの記録がいままでになくなされるようになった。
その観測記録を分析すると、黄雲のたびに火星の暗色模様のコントラストが低
くなり、火星面全体がベールをかぶったような状態になっていることがわかっ
てきた。
 今年の火星面は、いままでになく黄色い火星で、赤さをあまり感じない。こ
の原因は、このダストベールにあるように思われる。また、黄雲として明らか
には観測されなくても弱い砂嵐はおそらく各所で頻発しているはずだ。なにし
ろ2001年に大黄雲が発生し、大気中に非常に細かな粒子が浮遊し、あたかも黄
砂が日本付近の上空を覆うようになっていると思われるからだ。こういった状
況は、大気の温度を上昇させることにつながり、しれだけに。地上付近に嵐を
起こしやすい気象条件を作ると思われる。
○ 大気の温度
 大気について書かれた論文から、黄雲が出ると大気の中層以上の温度は、初
期において上昇するも、その後は下降に転じること。また地上付近は初期段階
では温度が下がり、逆転状態になることが、バイキングの観測で明らかになっ
ている。(配布プリントを使って説明)
 このことから考えると、今シーズンの比較的厚いダストベールの覆っている
状況から、地上付近の温度はあまり高くなく、大黄雲は起こりにくい状況にな
ってるのではないかと
安達は予想した。
◎ ダストベールの確認 
 会員から報告されてきた画像から、明らかにダストベールだと思われるもの
の確認を行った。安達はいくつかの例を参加者に示したが、参加者の方の中か
らはレジスタックスの処理過程で、リムにダストベールのようなものが出る可
能性が高く、信頼するには疑問があるとの指摘をたくさんいただいた。
 冷却CCDでの観測があったり、その他の観測機器の情報があれば助かるから、
そういった情報をほしいと安達から依頼があった。今回の火星の観測では重要
な観測テーマのひとつになると思われ、安達は、集まった画像の解析を進めて
いる。
◎ 大黄雲の下部には下降気流が
 大規模な黄雲が起こると、低気圧的な気流の流れが火星面に起こるが、周囲
から大気が集まるときに、すべてが上昇気流に移行するわけではなく、一部は
下降気流になることがわかっている。そういたことから、Hellasを見ると、中
心付近に時々見られたZeaが、今シーズンは非常に暗くなっており、2001年の
ときの大黄雲の影響をたくさん受けた可能性がある。ひとつのセルが20km
くらいの大きさではないかというのが一般的だから、Hellas全体に下降気流が
起こり、Zeaが大きくなたとは考えられないが、部分的にはかなり乱れた可能
性がある。探査機によるHellas内部の詳しい観測がほしいところだ。
◎ 南極冠のゆくえ
 永久南極冠が見えてきている。いつまで見え続けるだろうか。今後の観測で
ついせきしていただきたい。経度で60度方向に大きく傾いているから、
Cimmeriumの見えている方向では確認できないことになる。したがって、経度で
60度が正面に来ているころには注意して観測してほしい。
◎ ミッチェル山
 最終観測は9月28日くらいか?

5 土星の近況(伊賀)
◎ 白斑について
 フランスのPellier氏が発見した小さな白斑について、伊賀氏からまとめの
画像の紹介があった。この白斑は、一時的に出現した模様である。最近は分解
能においても優秀な画像が多くなり、小さな模様も捉えられるようになってき
ている。ただし、気流との関係があり、国内では難しいかもしれない。
◎ ベルトの観測について
 EBだと思われているベルトは、測定の結果、南緯10度くらいに位置してい
た。赤道にないことは驚きだった。(一般に、土星の赤道帯は木星に比べて非
常に広いことが多い。)
◎ SEBにかかわって
 SEBは赤道の白く広い帯の部分からもっとも近い暗いバンド言います。また、
NEBもこれに準じています。

6 ホームページのアップデートについて
 かねてからの懸案です。現在の私たちのホームページは、伊賀さんの会社の
サーバーに保管され、ほとんどの作業を池村さんお一人に任せたかたちになっ
ています。そのため、池村さんご自身の家庭生活の時間や、観測時間をこの作
業のために奪い取っていることになっています。万が一、このお二人の都合で
作業ができなくなると、たちまちホームページの存続ができなくなります。
 この危機的な状況を回避するためにどのような方策があるかを例会で話し合
いました。話し合いの経過はいろいろありますが、結論的なことをここに知ら
せいたします。
◎ 外からの書き込みができるようにする。方法は、伊賀さんが年内をめどに
考えていくことになりました。皆さん方の中に、よいアイデアがある方はメー
リングリストに紹介してください。
◎ 形式(書式)を決めて、指定された人は直接書き込みできるようにする。
◎ 観測者各人で、ある程度の作業の負担をしていただき、アップする作業を
できるだけ簡素化する。
以上のようなことになりました。セキュリティーの問題や、間違ってアップし
たものを訂正する方法はどうするのかなど、問題が山積しています。また、デ
ータアーカイブの作業は誰が担当するか。レポートや支部通信などのアップも
決まっていません。まだまだ未確定な部分が多くありますが、皆さんの協力を
得ながら、発展させていきたいものです。

7 事務連絡
◎ 次回の例会
  1月25日(日)1時から5時まで。同じ会場で行います。会場は、JR山
科駅を降りて正面の駅前とおりを200m下ったところの左側のビルの2階に
ある研修室です。交差点の角(本当に角です。)にエレベーターがあり、それ
で2階に上がります。
  いつものとおり、例会までに議題になりそうなことがあれば知らせてくだ
さい。今回の例会の配布物はプリントが3枚あります。必要な方はメールでお
知らせください。
◎ 会費について
 全員の話し合いの結果、高校生会員(18歳以下)は年間500円(高校生
以上の半額)にすることで了解していただきました。
 会計の事務引継ぎの作業上、会費の整理をしています。たくさんの方々から
協力いただきました。2,003年までの完納率は約60パーセントになっています。
皆さんには、それぞれ事務局から個人宛に会費の納入状況を知らせるメールを
送りましたが、4名の方々には不達メールになって帰ってきています。会費の
納入状況のメールがついていない方は、事務局まで照会ください。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 代表者 安達 誠
 月惑星研究会関西支部 
 520-0242  大津市本堅田4-8-11
 電話 077-573-7605  
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

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