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ALPO-Japan Meeting 2004/10/17(日)


2004年10月17日 13時〜17時 京都市生涯学習総合センター『アスニー山科』

 



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月惑星研究会関西支部通信 No.41          2004年10月17日

 本年最後の例会となった。今年は例年になく台風がたくさん襲来し、各地に甚大な被害を与えている。この支部通信を仕上げている間にも、香川の瀧本氏
の家では、納屋が浸水の被害を受けたとか。お見舞い申し上げます。
 幸いにもドームなどの天文施設の被害はまだ聞きませんが、十分な備えをしてください。安達の自宅のドームは、回転部の上と、回転部の基台はしっかり
したアンカーがありますが、肝心の観測小屋全体とガレージの上の鉄板の固定は甘いので、近いうちに新たな補強工事を行います。
 今回の例会は、参加者は13名だったが、特筆すべき事として、横浜の三品氏から例会用にプレゼンを提供してくださり、ご本人は欠席なれど発表が行わ
れたことだ。

1 近況報告

大橋: 子ども(大橋さんの)が夏の理科の自由研究で星の研究をすることになり、星座の写真を撮った。今は月や太陽を見ている。
小嶋: 現在は公民館の嘱託職員だ。今年一杯でかわべ天文公園はなくなる可能性が50パーセントとなった。来年は無職になっているかもしれない。
      日没の写真はまだ継続して撮影している。

安達: 木星はまだ自宅からは見えない。1970年代前半の木星観測のスケッチに書かれているコメントに英文をつけ、スキャナーで読み取る作業
      を続けている。だいぶたくさんたまってきた。時間を見つけてさらに作業を進めたい。

柚木: 今期はまだ観測できていない。現在、観測所を作っている。2m80cm角のもので、基礎は業者に頼んだ。木製のドームを作りかけている。
     (安達から:木製は雨の対策をしっかりしてください。木製の自作ドームの場合、数年して漏水でベニヤが腐ってきます)

瀧本: 今シーズンの観測は土星から始め、1週間たった。最近家がシロアリのえさになっていることが分かりまいっている。ドームは「ふるやのも
      り」になり、ベニヤが浮いてきている。現在改修をもくろんでいる。  (安達:我が家も同じようになった部分があり、なやんどります。)

福井: 昨シーズンの木星観測は8月14日まで行った。今シーズンは10月6日にはじめた。金星や土星を中心に観測しているが、先日の日食は休
      み時間に見ることができた。

伊賀: 体調がよくなく首にコルセットをして通勤している。先日、検査入院をした。頚椎の病気にかかっている。木星が出ているが、マンション工
      事のためできない状況になっている。天文ガイドの惑星ページの惑星サロンに入れる原稿がなくて困っている。誰かかいてほしい。(安達:み
      なさん手伝ってください!)

森田: 1年ぶりに参加した。観測は減っている。先日土星にトライしたが強風のために撮像できなかった。新しいカメラ(ソフト?)が手に入り、
      女郎蜘蛛を撮影して画像処理のテストをしている。

池村: 金星の日面通過は一日中雨で、長年期待していたが、見れなくてショック状態に陥り、無気力状態が続いた。そこで、ATK(カメラ)を購入
      し、新たな気持ちで取り組んでいる。

奥田: 昨日、やっと早起きした。気温は4℃だった。最近はPTAの役で忙しくなってしまった。木星観測はしばらくはだめだろう。

風本: 9月14日に土星の観測を始めた。それ以来、早起きできるときは起きて観測するようにしている。しかし、シーイングが悪く成果はあがって
      いない。ATKを購入した。金星・天王星・海王星にチャレンジしている。

永長: 台風が連続でやってきてドームが飛ばされないかとひやひやしていた。最近ドームのゆがみに気がついた。不良箇所を直すまもなく次の台風が
      来てしまった。しかし、ドームは飛ばされず、ほっとしている。毎朝4時起床の生活を送っている。西はりま天文台の2mを見てきた。まるで
      ロボットのように大きかった。

2 惑星の近況(池村)

○ 水星 緑色の単色光で撮影して色ずれを回避している。カラーは難しい。
   8月に水星の探査機が打ち上げられた。メッセンジャーという名称だ。

○ 金星5月ごろにクリストフ・ペリエが夜の側に模様を捉えた。世界最初の快挙2.3ミクロンの窓で撮影できるという情報から1ミクロンのフィルターをか
  けてとって、撮影に成功した。5月20日と21日に撮影した。模様は地上の模様ではないかとスカイアンドテレスコープで紹介された。近赤外では模様が
  映った。紫外線でも模様が写った。ピント合わせも困難。4日で一回転しているので、同じ日に時間差をつけて撮影したい。どこかの国とタイアップす
  るとか国内の両端で挑戦するなどの工夫がいるだろう。

○ 火星は合で見えない。

○ 木星は見え始めていたが、気流が悪く詳細不明。

○ 土星は、3時半ぐらいに起きて観測すると条件がよい。カッシーニが撮っているが、スポークが見られない。なぜか分からない。タイタンのことがこれ
 から話題になるだろう。

○ 天王星はオランダの人が大きく撮って模様が出たといっているが、判断しにくい。いろんな画像が出ているが、いずれもはっきりしない。画像処理の
 過程で出てきている可能性もある。大気差の色ずれの可能性も否定できない。天王星は、これから北半球に太陽の光が当たるようになってくる。長い間見
 えなかった部分が見えるようになって来るので、楽しみである。

○ 海王星の記録はないように思う。

○ 冥王星は、三品さんのレポートがあとであるが、青色が強いことが分かった。口径2mで見たら2等星くらいの明るさに見えるはずだ。
 カロンをアマチュアで撮影した人もいる(海外)。

3 今年の木星観測の焦点(伊賀)
 10月6日の福井さんの画像が、HPに最初にアップされた。宮崎さんが国内では最初に撮影に成功している。福井さんの画像ではGRSの付近が捉えられたBA
も確認できる。永長さんの画像では、GRSがほんのり赤く写っている。(10月13日)STBの淡化に注目したい。
 BAはメタンバンドで挑戦し、淡化したときも観測をしてほしい。NTrZとNTBの付近に明るい白斑が出て広がる可能性があり、堀川さんが注意を喚起し
ている。

4 次の火星観測の焦点(安達)
 今回の火星は10月30日に最接近になる。視直径は20秒になる。また、夏から10月にかけて南極冠の縮小していく過程を観測することができる。そのた
 め、南極冠関連の観測がいくつか考えられる。

・ 南極冠の縮小過程の詳しい観測
・ 永久南極冠の記録
・ 南極地方の観測
・ 南極冠を回るダストの観測
・ 2003年に変化した模様の観測
・ 新しいダストの観測。ちょうど今回の接近は、再接近のころにダストの発生の観測好機を迎える。
・ 










5 観測機材(ATK-2C ATK-2HS) について 池村
 ATK-2C と ATK-2HSを購入した。構造を調べてみたところToUcam2型の基盤にICを2個上向きに取り付け、0.5秒以上の長時間露出を可能になるよう改造した
もの。ICの発熱を心配して、ファンがつけられている。
この新型の惑星撮影用カメラ ATK-2C ATK-2HSは、ToUcam-proと同じ露出でも、ToUcam-proより感度が2倍ほど高いようなので、金星の紫外線撮影やメタンバン
ドで威力が発揮できそう、とのことです。
金星の紫外線撮影では、ピントを合わせるのは非常に苦労している。気流の影響かもしれない。

くわしくはこちらをご覧ください。

<おまけ>
 セレストロンがカメラを出したが、それに使うソフトは、なんとレジスタックスだった!(伊賀)

6 参加者から発表
安達:ペルセウス座流星群の流星物質が月面に当たり、発光する現象を捉え、国立天文台のニュースに出た。
伊賀:スカイアンドテレスコープから金星の日面通過からブラックドロップ現象がかすかに存在し、呼称の提案のような記事があったことが紹介された。
瀧本:6cmの望遠鏡でM42などをキャノンのイオス(kissデジタル)で撮影された画像。
   非常によく撮れており、みんな感心しました。

7 冥王星の色(三品)
 三品さんから、冥王星の色は何色が正しいのかというプレゼンが提出され、それを安達が代読しながら、全体を見てきました。冥王星は青色であること
は、国内はもちろん海外のサイトにも探した限りでは記述されたものはなく、初めて、科学的に指摘できたものと思う。
 フランスのクリストフ・ペリエが冥王星を撮影して、青色の画像を得ているが、果たして本当に青色であるかどうかの検証を行ったものである。今回のレ
ポートによって、この青色が解明されたが、この手法を使って新たな観測対象ができるかもしれないと、三品さんは結んでいる。くわしくはHPを見てくださ
い。英文も掲載されています。

8 金星の大気について(安達)
 栃木県の阿久津さんが金星の画像で素晴らしい成果を上げておられます。そこで、阿久津富夫さんにお願いして、波長と雲の高さのことをお尋ねしたので
すが、2008年に日本が打ち上げる予定のplanet-C(探査ロケット)のHPに非常に良く判る記事が出ていると、紹介していただきました。早速そこのHPに掲載
されている記事を拝借し、みんなで勉強会をしました。
 フランスのクリストフ・ペリエさんが撮影された。金星の夜側の、通称灰色光(かいしょっこう)の中に暗部を撮影に成功され、アマチュアでは初めての
金星表面の模様の撮影成功例だとスカイアンドテレスコープに紹介されましたが、なぜ、あの画像が表面の模様を捉えたものであるかどうかも、分かりました。
 金星の地表から出てくる赤外線や熱線を近赤外で撮影すると、上空にかかかっている雲を通して下の模様が写ることが理解できました。また、UVで撮影し
ている画像は金星のどの高さの雲を撮影しているのかも理解できます。非常に有益な図だと、みなさん感心させられました。
 金星の大気には3つの目立った大気の窓があり、その窓に関わる波長もグラフが出ており、非常によく分かりました。これらの情報は下記サイトに出ていま
すから、一度は見ておいてください。

 金星の雲の反射光や、地熱の輻射などについて
http://www.stp.isas.jaxa.jp/venus/plan_meteor.html
 
 金星大気の窓のスペクトル
http://educkrk21.educ.kumamoto-u.ac.jp/~satoh/RESEARCH/proj_astro3_j.html



事務局から
○ 次回例会は、 1月30日(日)山科のこの会場で行います。日程を確保しておいてください。
○ 伊賀さんから。
 自動アップシステムにいよいよ移行したい。そこで、テストアップの場所をつくるので、テストに協力してほしい。
  各惑星ごとに担当者を決めたい(海外対策)。各個人ごとにIDとパスワードを登録して管理していただくことになる。
○ 会務報告
  組織上の役員として、下記のかたがたにお願いすることにしました。正式には役員として決めてはいませんでしたが、今回を機に以下のようにするこ
 とで、例会参加者の承諾を得ましたので、そのようにさせていただきます。
  なお、議決に関することは、三役(支部長と副支部長と会計)の間で協議し、まずは、MLに掲載して、皆さんでMLを通して協議し、最終的には例会出
 席者の協議の上決めたいと思います。今後ともよろしくお願いします。
 支部長 安達 誠
     副支部長 伊賀
     会計   福井
○ 会費徴収について、会計の帳簿上の引継ぎをしました。会費徴収についての現状の説明をしました。未納の方にはメールで督促状を送るが、しつこ
 く請求はしていない。良心に任せていることを話しました。 みなさん。よろしくお願いいたします。


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 代表者 安達 誠
 月惑星研究会関西支部 
 520-0242  大津市本堅田4-8-11
 電話 077-573-7605  
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以下は懇親会の模様











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