ALPO-Japan

Methane Band Imaging Technical discussions
メタンバンド画像技術の情報交換

Japanese Edition only 日本語版

2003/11/20

月惑星研究会


阿久津富夫  2003/11/20 00:46(JST)

---------------------T.Akutsu--2003/11/20------------------- メタン画像など
今の処、メタン画像を得るには冷却CCDカメラが必要と思っています。メタンバンド
フィルターはしばらく前に日本真空光学で40mmの円形で作ってもらいました。メ
タンバンドで木星を場合は32cm反射 F=32で10?20秒(2ビニング)が掛かります
ので気流+追尾精度が必要です。解像度は露出時間が長いので期待できませんが、RS
や永続白斑の高い場所の模様が得られますので情報としては貴重です。現在はBJ-41L
で撮像していますが、このカメラのチップは全体的に高い感度がありますので、以前
使っていたSSI社telris2よりも少ない時間で撮像できる様になってきました。とは
言っても10?20秒露出は惑星撮像としては異常な時間ですので神経を使っています。
メタンバンドは半値幅は狭い方が良いのですがそうするとますます長い露出が必要と
なりましので10nm程度が良いと思います。私のは6.5nmですが1μ以上のカットを省
いたものですので木星のフェェストーンが多少写ってしまうのが特徴です。またそれ
以外にセットして紫外光(340nm)と近赤外(820nm)も撮っています。地味な画像ですが
分光画像としては面白く乳剤フィルムでは1mの口径が必要な観測機材が30cm+
冷却CCDカメラで観測可能になったのは夢のようです。
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-----------------------K.Yunoki---2003/11/21-----------------
柚木です。
メタンのフィルターは大阪府の科学教育センター所有のものを貸し出してもらい、私
の望遠鏡でテストしました。
これはシュメーカーレビーの木星面激突の際に購入したものです。
手に取ってみて驚きました。大変暗いからです。家に帰って光にかざしましたが所有
している日食用のD4のフィルターよりも暗いのでこれでは使い物にはならないと感じ
ました。
私の望遠鏡は20センチですが、ビニングなしには全く使い物になりません。もっと
も、冷却CCDの使い方も良くわかっていなかったこともありますが。追尾性能の良い
赤道儀なしには大変な苦労を強いられそうで早々に返却しました。
しかし、メタンでのデーターには今もとても興味があります。
(11/23)
私が借用してテストしたメタンバンドフィルターのデータがファイルの中から出てきたので追記します。
透過波長は910nm〜880nmでピークは893nmです。メーカーはアメリカのOMEGA OPTICAL社製で西村製作所を
通して購入したとのことでした。半値巾は記載されていませんがグラフで読むと5nm程です。
ガラス厚も3mm以上あります。とにかく暗いと思いましたが阿久津さんや奥田さんの情報で、20センチ
ではやはり無理だったようだったなと納得しました。

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-----------------------K.Okuda---2003/11/21-----------------
奥田です:
2003/11月上旬に、メタンバンドフィルターを入手したところですが、
届いた日の翌朝(11/13)に、木星をとりあえず写した程度です。
まず、ピント位置が分からないので、IDASのLRGBフィルターと
同じ位置で写しました。
今は、手元にメタンバンドフィルターとほぼ同じ厚みのムーンフィルター
があるので、それでそこそこピント合わせが出来るんじゃないかと思っています。
露出時間は、木星で25cm合成F約38で10秒でなんとか写ったという感じです。
できれば30秒はほしいところです。
土星は暗いので、現在合成Fについて思案中です。
Custom社製、1.25インチ(アメリカンサイズ)
889nm/18nm 880nmから898nmまで感度があります。
http://www.buytelescopes.com/product.asp?t=&pid=3389&m=21
国際光機で取り寄せてもらいました。届くのに2ヶ月かかりました。
価格は、送料税込みの41790円でした。
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---------------------T.Akutsu--2003/11/22-------------------
メタンバンド撮影
バンドパスフィルターを使っての撮像にメタンバンドに限らず、ほとんど真っ黒でピント合わせは
眼視ピントアダプターが使えず、私も奥田さん同様にほぼ同じ厚みのフィルターで合わせてから
メタンバンドフルターに変えています。
現在のコンビネーションは32cmニュートン反射  F=32で標準は下記です。
 
木星          IR(820nmFuji filter) 0.8-2seconds   
                         Methan(893/6.5)     10-20seconds  2×2ビニング
                         UV(340nm)IDAS       50-10seconds 2×2ビニング
 
土星        IR(820nmFuji filter)  2-3-2seconds   
                         Methan(893/6.5)     10-40seconds  2×2ビニング
                         UV(340nm)IDAS       10-40seconds 2×2ビニング
 
MethanとUVは10-20枚撮像しますが、成功率は50パ−セント程度あれば良い方です。
回転のズレはトータル露出時間が長いのでありますが、像そのものがボケているので気になりません。
IRフィルターは少しでも露出時間短縮のため今後820から800へ変えます。
 
阿久津富夫



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