月惑星研究会
火星撮影に関する Philips ToUcam の考察 (日本語版)


Goto English Edition Thoughts on the Philips ToUcam for imaging Mars.
Damian Peach & Tan Wei Leong.

火星撮影に関する Philips ToUcam の考察 (日本語版)



Philips ToUcam Iに使用しているICX098 CCD チップの分光感度特性

このCCDの 分光特性図からわかるように、適切な分光フィルタを使って
得られるRGB イメージと同様な画像品質にはなりません。
この図を見ると青感度領域部と緑感度領域部が470nm付近で重複しています。
また、赤画像では450nm付近まで感度があります。
赤外線カットフィルターは緑、青の赤外感光域カットの対策はできても、
依然として緑、青の重複の問題と、赤が500nm付近にも感度があると
いう問題があります。
つまり、緑と、赤の画像には、青の画像要素が混入しています。
(赤外カットフィルターを使用しても、表面の特徴が出ている) 
また。緑画像には赤の画像要素が混入しています。

さらに、画像解析をする際には緑画像には赤色も感光しており、同様に
その、2倍以上、青色光も感光していることを考慮しなければなりません。
我々はこれについて、ひとつの解決方法を思いつきました。
 

上の図をみてください。
ICX098 CCD に赤外線カットを含むマゼンタフィルターを装着すると、
赤画像と青画像に混入する500nm 〜 600nmを取り除くことができると思われ、
赤、青での感光効率の損失は最小限に抑えられると思います。

緑画像は、赤と青画像から容易に作り出すことができますし、緑画像は、
火星観測にとって重要なデータを含んでいないので、都合が良いです。
このように、ほんの少しの改造を加えるだけでToUcamの青と赤の画像
報告は、たいへん有用な画像として推奨されます。

我々の結論としては、フィルター選択による冷却CCDでの単色光画像
の(分光特性において)鋭いエッジを持つ火星画像がたいへん多く望まれて
いる現在、高画質のカラー画像が得られるToUcamは素晴らしい選択で
だと思います。

Damian Peach
Tan Wei Leong.
Toucam_info.doc

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