1999年 3月31日の火星

池村俊彦、忍穂井幸夫、新川勝仁
Toshihiko Ikemura, Yukio Oshihoi, Masahito Niikawa


Toshihiko Ikemura (310mm Newtonian, Digital still Camera NEC PICONA)
(Upper)
1999/03/31 14:50:42(UT) 
Ls=117.66゜CM=209.42゜De=+15.71゜Dia=13.92"

31cm F5 ニュートン テレビュー5Xバーローレンズ
 1゜プリズム  filter=DR655
合成 F38   NEC PICONA 1/7秒   8枚コンポジット
(強調画像:作成伊賀)
(Lower)
1999/03/31 16:21:58(UT)
Ls=117.69゜CM=231.67゜De=+15.71゜Dia=13.93"

31cm F5 ニュートン テレビュー5Xバーローレンズ
 1゜プリズム
合成 F48   NEC PICONA 1/7秒 4枚コンポジット
(強調画像:作成伊賀)
シーイングも久しぶりに良く、国道の車の振動と闘いながら「ぎょっ」とするような火星が観察できました。

消えてしまったカロン、ケルベルスあたりのエリシウム付近が中央に見え、エリシウムのあたりに強い白雲がよく見えました。午前2時に近づくにつれて、右側から大シルチスが青く染まった状態で見え始めてきました。


Yukio Oshihoi (200mm SC, Digital still camera NEC PICONA)

1999/03/31 15:05:21-15:06:32(UT)
Ls =116.7゚ CM=213.28゜De=+15.71゜Dia=13.92"
200mm F10 S.C(C8EX)  4 composite
Digital Camera NEC Picona 1/7"
強調画像作成:伊賀

Masahito Niikawa (280mm SC, Digital still camera Minolta DimageEx1500)
1999/03/31(UT)
Ls = 117.7, De = +15.7, Dia = 13.9"

17h28m00s(UT), CM = 247.8, 2 Flames composite
18h33m30s(UT), CM = 263.7, 2 Flames composite

Telescope : C11 (SC) D=280mm fl=2800mm
Camera : Minolta DimageEx1500 Digital Camera
         taking lens removed
Effective F No.: 100 (Or7mm Eyepiece Projection)
Filter: IR cut & Lowpass built-in the camera
Obs.site : Mozuhonmachi Sakai-City Osaka Japan
Exposure : 1/4 sec
Seeing:4/10-2/10 Trans 2/6


Image Processing:

  • the Maximum Entropy Method deconvolution after composite of the original taking images (the leftmost images)
  • Enhanced the leftmost images with the unsharp masking method (2nd left). The color of these images are simulation of naked eye.
  • Enhancing the Blue channel layer images with contrast adjustment. of the leftmost images for easy detection of atmospheric phenomena (3rd left)
  • Hue of the 3rd left images is inverted (the rightmost images )
Remarks:
  • Hellas was glittering very much.

青色強調画像はこちら

(JPEG 61KB)

Mars Today (Makoto Adachi)

明るく目だった雲がNix Olympica(オリンピア山)と,ELYSIUM(エリシウム)にかかっています。どちらも雲が頻繁に発生する部分ですが,ELYSIUMの雲はほとんど南中していてもこれだけはっきりと写っていますから,明け方や夕方に出る霧とは違って昼雲だということになります。すなわち,火星の北半球の大気の中にずいぶんたくさんの水蒸気が含まれていることがわかります。この雲は地形的にできている雲なので,移動することはありません。しかし,雲の濃さが濃くなったり,淡くなったりと変化しますから,できる限り追跡をお願いしたいと思います。もう1巡すると,水蒸気もピークになりますから,どれくらいの明るさになるか注意したいところです。

HELLAS(ヘラス)には明るい雲が見えてきていますが,やや暗めではないかという気がします。南中のときにどれくらいか見たいところでした。SYRTIS MAJOR(シルチス)の方にも淡い雲がかかっていますが,この部分は朝霧だと思われます。

南半球のMARE CIMMERIUMU(キンメリア)が見事に見えていますが,そのすぐ北東側にほんの少しはなれてSinus Gomer(ゴメル)が淡く認められます。今シーズンで最初の確認できた画像だと(池村)思います。かなり淡いのですが,まだ存在することが確認できました。また,MARE CIMMERIUMとMARE TYRRHENUM(ツィレナム)との間に,線状にあるHESPERIUM(ヘスペリウム)の北側半分が注意すると写っているのがわかります。気流がよくないと確認できにくいものですが,これについても確認できました。


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