火星 月惑星研究会 関西支部 (最新)

ALPO-Japan Latest

Mars Image 2001/04/06(UT)

永長英夫,風本明,安達誠,池村俊彦

H.Einaga,A.Kazemoto,M.Adachi,T.Ikemura


解説(安達)

 南極冠出現から3日目になりました。今回の観測では南極フード に変化を記録しました。  池村さんの画像のうち最初に出てくるものがよくわかりますが、 フードが上下2段になって写っているのがわかります。以前、フー ドのもっとも濃くなった部分はアルギレ1(Argyre1;30°,-50°) に位置していますが、それよりも東側にあるノアキス(Noachis; 350°,-40°)のかなり北側までフードが拡散してきたようです。 そのため、ノアキスに横縞ができているように写っています。 これはそろそろフードを形成している雲が塊になってきたことを 示しています。これから次第にSPCが成長していく段階になった のではないかと考えられます。  南極冠は前日の4月5日のように観測時間がたち、CM=30°付近 に来ると次第に見えにくくなる傾向があるようです。池村さんの 画像でも最初の方が南極点が明るく写っており、これを裏付ける 結果となりました。  赤道帯に広がる雲は相変わらず東西に横切っていますが、今回 はクリセ(Chryse;30°,+10°)が非常に明るく写っています。 池村さんの18:50の画像には明るい光点が2つ写っています。そ の他の画像では認められませんが、いずれも明るく写っています。 色が白くないことを考えると、砂嵐の可能性も有ります。ここし ばらくの注目点です。  肉眼では北極地方に薄い雲が覆っているのが確認されています が、画像ではなかなか厳しいようです。
Explanations M.Adachi
The change recored on the SP hood in this observation. SP hood is becoming 2 tiers. The clouds of SPR region are becoming a dense cloud. And, this hood spread through the southern Noachis. SPC was no appeared on CM30 degrees. But, It was appeared forward CM. This tendency was catched by Ikemura's image, too. There are two bright spot on Cryse (by Ikemura' s image). There is a possibility that it will dust storm.

Hideo Einaga (250mm Newton, Digital Still Camera NEC PICONA)





2001/04/06 19:13:56 (UT)
Ls = 141.79, CM =   1.58
De =  -0.03, Dia = 11.00"

7 frames composite
Seeing=4/10,Trans=2/5
25cm+Nagler7mm+prism 4d+Picona(1/7s)






2001/04/06 20:07:12 (UT)
Ls = 141.81, CM =  14.55
De =  -0.04, Dia = 11.01"

5 frames composite
Seeing=4/10,Trans=2/5
25cm+Nagler7mm+prism 4d+Picona(1/7s)

HIDEO EINAGA (永長英夫 兵庫・加西)



Akira Kazemoto(355mm SC, Digital still camera NEC PICONA)


Makoto Adachi (310mm Newtonian, Drawing)
   2001/04/06 19h20m(UT)      2001/04/06  20h00m(UT)     2001/04/06  20h30m(UT)
   CM=3.2  DE=+0.0  Ls=142    CM=13.0 DE=+0.0  Ls=142    CM=25.2 DE=+0.0  Ls=142
   Dia=10.9                   Dia=10.9                   Dia=10.9
   Seeing:2/10 Transp.2/5     Seeing:2/10 Transp.2/5     Seeing:2/10 Transp.2/5
 最初の19時20分の観測の時には南極冠がほんの小さなイメージ
(細い線状)になって見えていたが、その後は次第にわからなく
なっていった。南極フードはアルギレからノアキスの方に中心が
移っている。
 タルシス付近に顕著な朝霧が見えていたが、観測終了時にはも
うすっかり淡くなっていった。
 テンペの雲は今回はどういうわけか白っぽく感じられ、奇妙な
感じを受ける。ダストストームなら黄色くなっても白っぽく感じ
ることはなさそうだが、今回は何となく白っぽく感じた。しかし、
ダストストームの背が高かったら、リムではやや膨らんだ感じに
見えるため、そのように感じたのかもしれない。
 北極地方には青っぽい雲がはっきりと見えた。しかし、かなり
細い線状になっての見え方である。

 In 19h20m, SPC looked very slightly. But, it is becoming
fade out. The central part of SP hood shifted from Argyre 1
to Noachis region.
  I felt to colored whitish at dust storm of Tempe. Dust
storm may be tall.
  There is a blueish clouds on the NPR.

Toshihiko Ikemura (310mm Newtonian, Digital still Camera NEC PICONA)
seeing 8-6 /10

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