天文ガイド 惑星サロン2005年2月号 (No.29)阿久津 弘明

北国での惑星観測
北海道旭川では11月に入ると夜半過ぎには気温は氷点下になり、望遠鏡に付いた露が凍り付き望遠鏡が真っ白になります。さらに真冬の1月下旬から2月中旬にかけて最高気温でも氷点下10度、さらに無風快晴の夜は氷点下20度以下になる夜も珍しくありません。

この様な夜は2時間も外にいると手や足の指が悴んで感覚が無くなります。私は観測所を持っていないため、観測の度望遠鏡を自宅前の道路に組み立てます。鏡が外気温に馴染むためには最低2時間かかります。そこで30分くらいに1回室内に戻り手足を温め観測に備えています。

また、観測に使用するノートPCの液晶も凍り付き表示が出来なくなるためブラウン管のモニターが必須です。さらに、ノートPCの保温のためPCの下に発砲スチロールの板を敷きPCより発する熱で保温し寒さで停止するのを防いでいます。普段は季節風等によりシーイングが悪くなかなかまともな惑星像が得られませんが、この様な苦労をしても希に出会うすばらしいシーイングの下でのすばらしい惑星像が病みつきで止める事が出来ません


画像1 木星 (28cmニュートン反射)
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