天文ガイド 惑星サロン2006年5月号 (No.44)安達 誠

火星に佐伯クレーター命名へ

日本人が火星のクレーターに正式に名前がついたのは初めてのことです。故・佐伯恒夫先生(1916-1996)は、私が火星観測を教わった直接の恩師です。1971年に最初にお目にかかって以来、何度となく指導を受け、火星表面の見え方やスケッチについて、懇切丁寧な指導を受けました。自宅に連れていって頂いたり、食事をしたりしながら、火星のことをたくさんうかがったことを懐かしく思い出します。先生は、東亜天文学会大阪支部例会に毎回来られ、火星面の状態を紹介され、火星の興味深い現象の紹介をされてきました。写真はそのときの1コマです。

このたび、元東亜天文学会木星・土星課長の佐藤健氏(広島県)の推薦で、火星のクレーター(経度287°、緯度22°S、直径85km)に名前が命名されました。佐伯先生は、火星の運河の研究で有名ですが、私には運河のことではなく、暗色模様の形や季節変化のことを指導頂き、現在の活動の基礎を作ってくださいました。日本のアマチュア火星観測の中にあり、研究や観測者の指導等大変熱心に取り組まれ、たくさんの観測者に影響を与えて下さいました。お名前がクレーターに命名され、本当に嬉しく思っています。

画像1 故・佐伯恒夫先生


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