天文ガイド 惑星サロン2009年2月号 (No.77)柚木健吉

私の観測望遠鏡

2006年の秋、庭にスライディングルーフが完成し、それまで20年以上使ってきた 20cm反射から26cm反射に望遠鏡を変えました。惑星撮像にとっては光量の面から 大きな口径が有利です。特に、メタンバンドや紫外等の狭域のフィルターでの撮 像ともなると、少しでも大きな口径が欲しくなってきます。

鏡筒はアスコ製で大変頑丈なものですが、汎用仕様ですから連日の撮像を可能と するための道具として惑星撮像専用にチューンアップをしています。接眼部は撮 像時にはパソコンのモニターを観ながらピント合わせが出来るようにJMI'sの EV-1nMに交換しました。ファインダーも純正のものに加えて、5cmと7cmのものを 追加したので、どの位置からでも導入が楽に行えます。接眼部付近を鏡筒バンド で締め付けてタガをはめたようにして、鏡筒と接眼部取り付け部の補強をしてい ます。口径が大きくなると、鏡筒自体の重量のため方向によっては鏡筒の撓みが 発生しますので補強は必要です。

鏡面にややアスがあり負修正気味のため、先日IK技研の鏡と交換しました。この 鏡は大変優秀なものですが、斜鏡及び斜鏡のスパイダーは前のままですからまだ 性能を生かし切れていません。鏡筒内の気流コントロールファンも取り付けなけ ればと考えています。

ただ、特殊なフィルター使用時には26cmではまだ光量が足りないので、同じ拡大 率なら絞り一段分明るい口径35p以上の口径の望遠鏡を考え始めています。こう なると観測所の大きさや架台の搭載重量から考えて、カセグレン系になるでしょ う。遙か彼方からの光を集めるためには「もっと光を」というのが実感です。


[図1] 26cm反射とスライディングルーフの観測室(拡大)
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