天文ガイド 惑星サロン
2016年10月号 (No.169)
堀川邦昭

木星探査機ジュノーへの期待

7月にNASAの木星探査機ジュノーが木星に到着し、周回軌道に入りました。 今年10月から2018年2月まで継続的に木星の観測を行います。 1970年代のパイオニアやボイジャー以来、木星の科学的な研究は探査機が行くたびに大きな進展がありましたので、今回も多くの科学的成果が得られることが期待されます。 ジュノー探査機の観測目的として、木星の重力場や磁場といったものがメインとして報じられていますが、ジュノーには高解像度のカメラも搭載されており、木星表面の連続的な撮像も行われます。 木星好きのアマチュアとしては、こちらにも大きな期待を寄せたいものです。

これから2018年2月までの間に木星面ではどんな現象が見られるでしょうか。 注目すべき現象や模様をいくつか上げてみたいと思います。

@北温帯縞(NTB)南縁のジェットストリーム・アウトブレーク。 木星面最速のジェットストリームで起こる攪乱活動で、NTBを急速に濃化させます。 5年周期の活動サイクルがあり、前回は2012年でしたので、来年発生することはほぼ確実と考えられています。 発生初期に見られるメタンブライトな白斑(Leading spot)の振舞いなどが注目されます。

A赤い大赤斑。 現在の大赤斑は大変赤みが強く鮮やかです。 これほど赤みのある時期に探査機が行くのはパイオニア以来となります。 間近で見る大赤斑の様子とともに、赤さの謎に少しでも近づければと期待されます。

B永続白斑BAとSTB Ghostの会合。 淡化した南温帯縞(STB)にはSTB Ghostと呼ばれる青いフィラメント領域があります。 この模様は2017年の後半にBAに衝突して、暗いベルトの一部に変化すると予想されています。 かなり激しい現象となるはずです。

他にも南南温帯縞(SSTB)の白斑(AWO)の合体やmid-SEB outbreakなど、確度は高くありませんが、面白い展開が期待される現象がたくさんあります。 この機会に地上からも観測に励んで、これらの現象の理解を深めたいものです。

[図1] 期待されるNTBsアウトブレーク
2007年のアウトブレーク(矢印)。撮像:ザック・ピュージック氏(オーストラリア)

前号へ INDEXへ 次号へ