天文ガイド 惑星サロン
2024年1月号 (No.256)
堀川邦昭

木星で起こる現象の周期性(5)

南赤道縞(SEB)の白雲活動といえば大赤斑(GRS)後方の定常的な白雲領域(post-GRS disturbance)が代表例ですが、mid-SEB outbreakは大赤斑の前方や離れた場所で突然白斑が出現して発生源となり、前方に広がりながら乱れた白雲領域を形成します。 SEB攪乱の活動とよく似ていますが、前段階となるSEBの淡化を伴わないため、別の現象と考えられています。

前回は2016年12月の発生でした。 乱れた白斑や暗柱が木星面の半周以上に広がり、活動が1年近く続いた、これまでで最大規模の現象となりました。

概ね1〜数年おきに発生しますが、SEB攪乱のような明確なパターンはなく、SEBが濃い時にゲリラ的に発生し、2008年のようにシーズン中に複数回発生することもあります。 周期的ではない現象の代表例かもしれません。 同じベルトの中で、大赤斑後方の定常的な活動と、周期性のあるSEB攪乱と、不定期に起こるmid-SEB outbreakという3つの現象が共存するのはとても不思議です。

前回の発生からすでに7年が経過し、今シーズンのSEBは全周で濃いベルトとして見えていますので、筆者としてはいつmid-SEB outbreakが発生してもおかしくないと考えています。

[表1] mid-SEB outbreakのリスト
2000年以降。*は不正確
[図1] 2016〜17年のmid-SEB outbreak

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