今シーズンの木星

安達 誠

今シーズンの観測開始
1/10 山田(東海大学)
1/26 河北(月惑研関西)
3/4 安達(月惑研関西)
昨年までの木星(安達)
  • 永続白斑が大赤斑を通過。
  • 7月ごろに大赤斑後方に白斑出現。
  • SEBs Bayが見えていた。
  • STBも全体に見えていた。
  • 今シーズンも全体的に昨年と変わっていないように思われる。
1月〜2月の観測
  • 3月までは先シーズンとほぼ同じ状況(堀川)。
  • NTBが今シーズンは太くなっているが、この時期は気がつかなかった(堀川)。
  • 3/4の観測でNTBが太いことに気がついた(安達)。
  • ピック・デュ・ミディの近赤外写真(以降ピックと表記)でもNTBは同じ太さか、やや太くなっている。
3月の観測
  • LEBS(永続白斑)
    3/3にBCが239.7(II)、白斑が270(II)でSTBに湾入している(堀川)。
  • GRS(大赤斑)
    CMT	3/4	40.2	堀川(前端)
    	3/9	51	浅田(中央)
    	3/25	52.7	安達(中央)
  • SEBs(南赤道縞南組織)
    SEBsに凸凹がある(堀川)。
    SEBsに暗班があったのではないか?(松田)
    240(II)後方に暗部があった(安達)。
    大赤斑後方では細いひも状に見えていた(安達)
  • SEBs Bay(SEBsに湾入した南熱帯の白斑)
    CMT観測 2/12 340付近 浅田
    1995年にも見えていた(伊賀)。
    1994年にも見えていた可能性がある(伊賀:ピック+HST)。
  • NEB(北赤道縞)
    210(II)ぐらいにRift状模様が見える(浅田、堀川)
    200(II)ぐらいに白斑(浅田)。
    Rift状の活動が多い(安達)。
  • NTB(北温帯縞)
    北組織と南組織の濃度が逆転している部分がある(安達)。
    経度は269(II)付近である
    9月頃にはNTBが切れてみえる現象と関係があるか?
4月の観測
  • SEB
    4/7 SEBnに白斑(浅田CCD)。
    4/22 SEBsに明部(繭山)。
    4/24 SEBnの90(II)付近から白斑が並んで見える(安達、宮崎)。
    SEBnに白斑があるとそれより後方のSEBnが濃くなる現象がある(安達)。
    大赤斑直後のSEBに白斑がある(宮崎)
  • SEBs Bay
    CMT	4/16	350.1	堀川
    	4/27	352	安達
    	4/28	352.8	浅田
  • GRS
    CMT	4/24	52	河北
    		58.2	浅田
    		56	石橋写真
    	4/25	54.7	伊賀
    	4/27	55.0	安達
    中心部の赤味が強く濃い(安達)。
  • LEBS
           永続白斑とその付近の白斑の名称を以下のように統一する
                      BC  DE        FA
                     -O--O---o---O---
                   _____O________O_____
                        WS1   WS2 WS3
    BC	4/13	248.3	堀川
    DE	4/23	267.9	堀川
    DE	4/23	261.2	繭山(月惑研)
    WS3	4/23	293.2	堀川
    1995年からも白斑はたくさん見えていた(安達)。
  • NEB
    Rift状の模様がぼこぼこ見えていた(安達)。
    北縁が凸凹している(堀川)。
    NEBnが1本のひも状のベルトに見える(安達)。
    NEBの幅が広くなっている(安達)。
    5月になって気が付いた(堀川)。
    NTrZは明るく見えている(安達)。
  • EZ(赤道帯)
    4月頃からFestoonが濃く見えてきた(浅田)。
5月の観測
  • NEB
    幅が太くなってきた(堀川)。
    200(II)から後方が北に広がった(安達)。
    5/2 145(II)後方のNEBnが北に膨らんだ(宮崎)。
    90(II)前後に白斑(安達)。
  • GRS
    CMT	5/10	56.1	堀川
    	5/14	56.2	奥田(月惑研関西)
    	5/21	55.2	堀川
    	5/23	56.5	浅田
    	5/24	58.8	奥田
    	5/25	57.1	浅田
  • LEBS
    WS3	5/5	295.2	堀川
    BC	5/22	231.0	堀川
    FA	5/22	290	浅田
    FA	5/25	292.1	宮崎
  • SEB
    CMT観測 WS 5/26 67(II) 安達
    GRS後方の明部はそのまま残っている(安達)
  • NTrZ
    5/2 赤く暗くなる。205(II)(浅田写真)。
6月の観測
  • NEB
    幅が広く見え、Rift状の模様が見える(安達)。
    GRS前方の経度には幅が狭い部分がある(安達)。
  • GRS
    南側にアーチがかかる(安達)。
    CMT観測	6/2	54.4	堀川
    	6/16	59.3	浅田
  • SEB
    SEBの北・南組織も同じ濃い状態で見えた(安達)。
    Zone中央が東西に広がって見える。
    SEBsもSEBnもそれぞれ2本に分離して見える(安達)。
  • LEBS
    FA	6/6	284.5	繭山
    	6/15	280.4	浅田
    BC	6/15	202.9	堀川
  • SEBs Bay
    CMT	6/6	0.1	浅田
    	6/14	2.9	安達
  • NTrZ
    シーイングが良いとひげ状模様(Festoon)が見える(安達)
  • NTB
    300〜10(II)の部分が2条に見える(安達)。
    ピックだと240〜30(II)ぐらい(伊賀)。
7月の観測
  • NTB
    NTBが二条に見える(宮崎)。
    NTBの北に1本のベルトが見える(宮崎)。
    シーイングが良ければ16cmでも見える(堀川)。
    濃い/薄い部分、幅が太い/狭い部分がある(安達)。
    北組織は全周見えていた(安達)。
  • SEB
    GRS直後は白斑がいくつかあって活動的であった(安達)。
    7/12 白斑顕著(阿久津写真)。
    7/13 SEBZの白斑が北に湾入、南にも進入している(浅田、堀川)。
    7/15 SEBの白斑がGRSの東側から北を通過した(浅田)。
    7/18 白斑がGRSの北を通過した(石橋写真)。
    8/9 GRS後方の白斑がびっしりと並ぶ(安達:ダイニック60cm)。
    GRS前方に白斑が通過したように見える。
    通過した白斑がSEBsのほうに上がっている。
    GRS後方の白斑は白い、GRS前方の白斑は赤い(7/12 阿久津写真)。
    浅田も観測している。
    140°ぐらいに白斑が出現。
    7/18 宮崎
    7/26 堀川(白斑とは気が付かなかった)
    8/2 浅田(写真)140度に白斑(黄色)
  • SEBs Bay
    CMT	7/1	1.8	松田
    	7/13	5.9	堀川、松田
    	7/15	7.2	浅田
    	7/18	7.0	堀川
    	7/26	7.8	浅田
    衝(7/4)の前後で位相効果で10度ぐらい異なる場合があるので注意が必要である(堀川)。
  • NEB
    7/25 Rift状模様が見える(安達)。
    7/18 300(II)のNEBsに白斑が湾入している(宮崎)。
    シーイングが良いといっぱい白斑が見える(安達)。
  • STB
    GRS前方のSEBs Bayの北からGRSを超えてSTBにつながるベルトが見える(安達)
    どれがSTBなのかが、わからない状況だった。
    大赤斑前方のSTBは6月は凸凹していたが、7月にはフラットになった(安達)。
  • GRS
    CMT	7/1	58.0	堀川
    	7/1	56.9	松田
    	7/1	60.6	佐藤
    	7/13	59.0	堀川
    		60.9	松田
    	7/15	59.7	浅田
    	7/18	63.2	仙台
    	7/25	61.3	仙台
  • LEBS
    BC	7/12	208.8	安達
    		212.5	堀川
    	7/14	211.3	浅田
    		207.0	松田
    	7/26	205.9	堀川
    WS1	7/12	219.8	安達
    	7/14	219.8	浅田
    		219.7	松田
    	7/24	216.9	松田
    DE	7/2	248.7	松田
    	7/12	231.8	安達
    		231.8	堀川
    	7/14	231.3	浅田
    		230.0	松田
    	7/17	230.5	堀川
    	7/24	224.8	松田
    	7/26	227.0	堀川
    WS2	7/14	254.8	松田
    	7/24	251.9	松田
    WS3	7/12	260.8	堀川
    	7/17	259.5	堀川
    FA	7/2	274.9	松田
    	7/12	269.9	堀川
    	7/17	269.0	浅田
    		268.6	堀川
    	7/24	264.7	浅田
    		264.0	松田
    	7/26	266.3	堀川
    	7/29	260.7	安達
  • STB
    7/26 BCの前に濃化部、その前に白斑、さらにその前のSTB淡化。(阿久津写真)
    BCの前方にSTBが伸びてきている(安達)。
    7/19 淡化部-白斑-白斑-濃化部-BC の順に写っている(宮崎)。
    BC(S)-WS1(N)-DE(S)-WS2(S)-WS3(N)-FA(S) 交互に南北に並んでいる(浅田)。
8月の観測
  • シーイング9で見ると、(安達)
    EZにフィラメント状の模様がいっぱい見える。
    NTZに暗柱(?)状の模様がいっぱい見える。
    SEBnが2条でくっきり見えている、
  • SEB
    大赤斑後方60(II)から140(II)ぐらいまで非常に活発な活動(安達)。
    8/7 120(II)まで白斑前進(堀川)。
    8/10 120(II)に白斑(白斑は前進していた)(安達)。
    8/12 100(II)に白斑(安達)。
    8/22 大赤斑後方の白斑と合体して区別がつかない(安達)。
  • SEBs Bay
    270(II)前後に白斑出現(安達)。
  • NEBn
    ベルト状、半暗部に見える部分もある(安達)。
    8/22 NTrZに白斑が見える(安達)。
    NEBZ中央に白帯ができた(安達)。
    8/25 NEBZ中央にいくつかの白斑が見える(宮崎)。
    大きなRift状の模様が減ってきた(安達)。
  • NTB
    BCの前方の経度のNTBsが2条に見える(安達)。
    NTBsとNNTBとの間に淡いベルトが見えているが、NTBnとは思えない。(安達)
    ドリフトからNTCurrentAだと思われるので、NTBnだと考えられる.(堀川)
  • NNTB
    やや暗くなって比較的見やすかった(安達、堀川)。
  • NTrZ
    8月頃から暗くなってみえる(安達)。
    9/2 50(II)で赤味が強い(浅田)。
    8/25 南北方向のCCD画像の濃度曲線からSTrZよりもNTrZが暗い(竹内)。
    8月後半はNTrZは黄色に写っている(宮崎)。
  • GRS
    CMT	8/1	59.4	松田
    	8/4	56.7	石橋
    	8/9	59.1	浅田
    	8/16	57.1	安達
    7月の大赤斑はアーチが取り巻いていたが、8月にはアーチがなくなって大赤斑がむき出しになってみえた(堀川)。
    南部の青黒い部分が見えなくなっている。
    8/4 まだアーチが見えている(石橋)。
  • SEBs Bay
    CMT	8/1	5.6	松田
    	8/1	6.2	繭山
    	8/8	8.5	堀川
    	8/10	9.5	仙台
    	8/11	10.6	浅田
    	8/18	10.2	堀川
    	        11.5	浅田
    	8/20	11.7	安達
  • STB
    8/24 BC前方の濃化部が伸びてきている(安達)。
    伸びる際にはもやもやになって伸びてくる。
    9/3 BC前方は濃い状態で急に伸びている(安達)。
  • LEBS
    BC	8/2	201.7	安達
    	8/10	199.8	浅田
    		199.1	堀川
    	8/17	197.0	浅田
    	8/22	201.5	安達
    		194.4	浅田
    		194.5	堀川
    	8/24	195.3	安達
    DE	8/2	222.3	安達
    	8/5	222.1	浅田
    	8/10	219.7	浅田
    	8/17	216.4	浅田
    	8/22	212.6	安達
    		214.4	浅田
    		214.4	堀川
    FA	8/8	258.6	安達
    	8/18	255.5	堀川
    	8/20	255.2	浅田
    	8/22	256.1	安達
    		254.3	浅田
    WS1	8/2	212.0	安達
    	8/22	213.6	安達
    		194.4	浅田
    WS2	8/22	224.0	安達
    		226.5	浅田
    WS3	8/8	253.2	安達
    	8/10	245.7	浅田
    	8/22	237.9	安達
    		241.0	浅田
    		235.7	堀川
9月の観測
  • SEB
    白斑はあまり明るくないが同様に見える(北部分が明るい)(安達)。
    SEBsが不連続に見える(安達)。
    9/3 SEB中央が南側が濃く太く見えている(宮崎)。
    大赤斑後方150(II)。
    SEB中央組織(SEBnとは言いにくい)と思われる(堀川)。
    Pic du Midiの展開図でも見えている(伊賀)。
    200(II)のSEBsからSTrZにプロジェクションが出ている(9/3〜9/18)
    安達、松田、丸山、石橋(写真)
    9/10 青っぽい濃化部として写っている(宮崎)。
  • NEB
    8月と同様な見えかたが続いている(安達)。
  • NTB
    NTBの北にNTBnといえるベルトがくっきりと見える(安達)。
    部分的にNTBnが淡くなっている(宮崎)。
    9/5 270(II)ぐらいのNTBsが30度程度淡化している(宮崎)。
    8/22 NTB淡化部に白斑が見られる(?)(浅田)。
  • GRS
    CMT	9/2	60.7	浅田
    	9/7	62.1	浅田
    		59.1	安達
    	9/14	60.2	浅田
    	9/19	59.8	繭山
    	9/24	62.0	浅田
    大赤斑の南側がはっきりして、北側が見えにくい(宮崎、安達)。
    どこでCMTを取ってよいのかわかりにくい状況だった(安達)。
  • SEBs Bay
    CMT	9/2	16.0	浅田
    	9/15	15.3	堀川
    急激に後退しているように思われる(安達)。
  • LEBS
    BC	9/3	191.0	浅田
    	9/15	184.6	安達
    		187.0	浅田
    DE	9/3	207.9	安達
    		209.1	浅田
    		208.0	松田
    	9/15	207.6	浅田
    FA	9/3	246.5	安達
    		249.6	堀川
    WS1	9/3	201.9	安達
    		202.5	浅田
    WS2	9/15	223.4	安達
    WS3	9/3	232.7	安達
    		235.7	堀川
    	9/15	228.2	安達
10月の観測
  • SEB
    中央付近のベルトが濃く見えている(10/5,10/13)(安達)。
  • STB
    10/21 BC前方にSTBが濃化している(安達)。
    STBの濃化が始まっているのか?
  • GRS
    10/6 大赤斑の北側がまたはっきり見えている(宮崎)。
    10/13 大赤斑が赤く大きく見え、アーチは見えない(堀川)。
    CMT	10/13	61.3	堀川
    	10/13	(65)	河北
    10/13 東端だが大赤斑の形はくっきり見えている(安達)。
  • SEBs Bay
    10/13 Bayの前方に新たな小さな白斑が湾入している(安達)。
    Bayの経度はスケッチから20(II)。
  • NTB
    シーイングが悪く確認できなかった(安達、堀川)。