月惑星研究会関西支部例会・支部通信 No.712012年07月08日 |
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木星の大異変が起こりつつあります。集まってくる情報にドキドキしながら、木星のすごさに改めて感心しています。今回の例会は直前まで参加者が少なくやきもきしましたが、5人の参加者を得ました。
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自己紹介と近況報告
と、ここまでは一人ひとりの感じでしたが、あとは、柚木さん畑中さん、そして安達がめいめい誰とはなく発言し、まとまりませんでした。柚木さんのところは自宅の観測所が映し出され、結構はれていたようで、組写真を大急ぎで作られたようです。大急ぎといいながら出来上がりを見せてもらい「さすがや!」と思ったのは安達だけだったでしょうか。 柚木さんの観測 薄出さんの観測 木星の近況安達が忙しく、今回は木星の近況をほとんどまとめることができないままの開催となりました。伊賀さんからのレポートや、ロジャースのレポートを下に、木星状況を振り返りました。例会の行われた7月現在、木星の赤道以北は着色現象が進み、めったに見られない状況になっています。昨年はNEBが非常に細くなり、なくなるのじゃないかと思われましたが、その後まったく逆に転じ、NTBを含めたような幅の広いバンドに成長していきました。 (1) NEBの変化
今からおよそ100年前(1893年〜1918年)3年周期で濃化と淡化を繰り返したときがあった。 (2)
NTBs jetstream outbreak
以前はNT-Cの活動と読んでいましたが、ロジャースは上記のような表現をしています。Manos KardasisはNEBとNTBsに注目すべき攪乱を昼間に記録しました。今までは昼間の観測例はほとんどなく、今回は重要な観測となりました。日の出直後の木星を低空の悪気流の中でねらう方法もありますが、日中にねらう方法もあることが示され、かつ、今回は有益な情報を提供してくれました。 (3) EZの変化
着色現象で最も目立つのはEBでした。今までは青黒い見え方になるのが最も大多いパターンでしたが、今回は赤いバンドになっています。以前言われていた赤い部分は上昇気流で青黒い部分は下降気流だとすればまったく正反対になったわけです。もちろん、こんな簡単な理屈では説明できませんが、まったく逆の色になったことは事実です。青い模様と、赤い模様。色による模様の見え隠れと高度の違い。IRなどの単波長の見え方の違いなど、NEB〜NTBの陰に隠れたテーマがありそうです。 (4) BA赤いリングとして目だっています。気流の悪いときでも赤い色がはっきりと写り、今までになく赤くなっています。ただ、眼視で確認できていないので、肉眼で見てもはっきり分かるほど赤くなったのか、画像処理の結果こういう写り方になったのかがはっきりしません。次回までに肉眼観測をして、色についてはコメントできるようにしたいと思います。もうすぐGRSの真南に差し掛かります。何か変化が起こらないかについても注目していかねばなりません。 火星の近況火星は、どんどん遠ざかり小さくなりました。報告数も激減し、日本は梅雨のため観測は皆無となりました。 (1) エリシウム北部のNPC
エリシウム(Elysium;215W,+23)北部のNPCは、NPCを取り巻くくらいバンドがありますが、その外側に白い部分がここ何ヶ月かは常にみえています。雲ではないことは確実です。いつも同じ見え方をすること。さらにMROの画像を見ると、白く小さな斑点が見られることなどから、霜のようなものだと思われます。 (2) ターミネータープロジェクション
前回の例会でも取り上げたものですが、衝の直後に6回記録されたターミネータープロジェクションと同じようなものが、肉眼で観測されました。5月17日フランスのstanislas maksymowicz氏によって観測されました。今回はターミネーターではなく、リム側で観測されています。この現象の発生地点はエリダニア(Eridania;210W,-45)で、今まで発生したところと位置的には一致します。stanislas maksymowicz氏は確認観測がほしいと報告されていますが、残念ながら今回は同時の観測報告がありませんでした。リム側でも起こるとなれば、過去の観測の洗い直しが必要になってきますが、まだ、手がつけられない状況です。もしも、これが同じようなものだとしたら、発生メカニズムの見直しが必要になってきます。
土星の近況6月14日から19日にかけてダミアンピーチ氏やDCパーカー氏の画像のSTBに暗斑が記録されました。明瞭な小さな暗斑で、国内でもかすかに記録されています。今まで白斑の見られた地域ですが、今回は暗斑が見つかりました。ただ、長命なものではないようで、その後は記録されなくなりました。きちんとした追跡は行っていませんので、はっきりしたことはわかりません。 金星の夜の観測
stanislas maksymowicz氏が金星の夜の側の観測報告を盛んに送ってきています。バックが暗くなってからの観測では到底見ることはできませんが、日中に赤いフィルターをかけて観測されているようです。観測時刻は12時半ごろ(UT)ですが、フランスなので日本で言えば真昼間です。 事務連絡次回の例会の日程
10月21日(日) |
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