月惑星研究会関西支部例会・支部通信 No.762013年10月27日 |
||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
今回は、高校生のビジターが加わりました。遅れて駆けつけてくださった方もあり、10名の参加となりました。特に今回は木星会議の方向付けも検討し、いよいよ木星会議に向けて行動開始となりました。
![]() | ||||||||||||||||||||||||||
自己紹介と近況報告
木星の近況木星は7月から今日までの様子で特徴的なものをピックアップした。合のあと、大きな変化はないものの、予想されたような変化が見られている。 (1) GRSの変化![]() 10月10日(下の画像)では、GRSの後方に乱れた部分ができているが、11月にはもう元にもどっている。 また、大赤斑は経度増加方向に移動しており、不安定な状態にある。例会のときに熊森さんから急速に後退し始めているとの指摘があった。安達はまだつかんでいなかったが、GRSのこの一連の変化は、大変化の兆候につながるかもしれない。 (2) NEBの変化![]() 今回も、これと同じようなものになる可能性もあるので、注目したい。 2011年のときは、この状態になる前にNTrZガ明るくなり、メタンバンドでも明るくなっていた。今回は部分的に明るくなっている部分もあるので、それがどのように変化しいくかを注目したい。 (3) NTZの白斑9月6日、2=95度付近に目立った白斑が見られたので、前後の様子を追跡した。8月30日から姿を確認することができた。北側を小さな暗斑がいくつも通過しているがその後は大きな変化はなかった。(4) STBの変化BAの前進はリニアに動いておらず、9月下旬には一時的に10日程度止まっていた。ように見える。ちょうどこのとき、BAの南方にSSTBの白斑A4が通過した直後のことだった。BAの振る舞いは、このA4白斑と関連があるように見える。もうすぐA5が通過するので、同じことが起こるか注目したい。火星の近況
(1) シーズン最初の様子![]() 模様の記録された画像は7月27日のManos Kardasis氏のものが最初だった。このころはNPCができるかできないかの時期に当たる。添付されていたシミュレーションはJPLのものだったが、NPCは出ていない。一方、同じ時刻のわれわれのシミュレーションではNPCとして出している。微妙な違いが見られた。 その一月後の8月29日にはNPCと思われる、白いものが写った画像が報告された。あまりに小さい火星像のため、NPCかどうかの判断は、地上観測だけではできなかった。 (2) ボレオシルチス(Boreosyrtis;285W,+43)の変化9月18日のDavid Gray氏の眼視観測に、目立った変化が記録されてきた。それによると、ボレオシルチス(Boreosyrtis;285W,+43)の先端の北西方向に、直径20度くらいの大きさの模様のない明るい部分が記録された。また、その後、9月20日にはDamian Peach氏からもそれが鮮明にとらえられた画像が報告されてきた。(右)それによれば、青画像でも明るい点として確認できた。おそらく白雲ができたものと思われた。 (3) MROの画像から![]() (4) タコの吸盤!?9月24日にEfrain Morales Rivera氏がタコの吸盤のような明部を捕らえている。どうやら、この模様も上のダストが拡散途中になっている姿のように思われる。しかし、MROの画像では、短時間でみられなくなることから、ダストの濃さそのものは薄いものかもしれない。いずれにせよ、4回程度、発生したことになる。今後の変化に注目したい。 持ち寄り話題(1) アマチュア天文家の欲しいグッズは。(佐藤)
前回の例会のときに出席者からアンケートをとって、欲しいものを書いていただいたが、それの集計を報告するとともに、進捗状況を報告する。 (2) 新しい撮影機材(熊森照明)
ZWO ASI120MCを購入しました。カラーカメラの方です。 内容物一覧です。
惑星用PCカメラで、海外では去年2012年あたりから人気があって、時々見かけていました。 それはモノクロタイプのZWO ASI120MMでして、CMOS タイプで初めて?惑星撮影用に使えるとの評判でした。 モノクロカメラのセンサーはAptina Imaging製のMT9M034で、イギリスのダミアンピーチさんやフィリピンのクリストファーゴーさんが強烈な画像を公開していました。 ただ、センサーのサイズは私が現在活用中のBasler Ace acA1300-30gmと全く同じの 1280x960ピクセル、1/3インチサイズで全くかぶっているモノで、L画像はさしあたりそのままで行こうと思っています。 カラーPCカメラのZWO ASI120MC はスペックを見ると、ZWOの型番はとなりなのですが、センサーはAptina Imaging製のAR0130CSで、全く型番がモノクロとは違うので同じ最高感度なのかどうか疑問に思っていました。
これで、10月27日に撮影してみました。 最大ゲインで1秒露出10秒間撮影したもの(11フレーム)をスタックしています。 ![]() レンズ部分を外して見ると、なんかHPで見たものとIRカットフィルターの取り付け構造が違います。黒いリングネジが見えません。 フロントの枠を回すと簡単に外れました。内側から取り付けるようになっているようです。
惑星撮影は基本的に今までと変わらず、LRGB法でのカラーデータ(RGB)を取得するために、DFK21AF04の代わりにフリップミラーに取り付けます。 L画像の取得は今までどおりBasler Ace acA1300-30gmです。 10月27日朝にZWO ASI120MCで撮影した、木星です。
ROI トリミングモードが不調なので、フルサイズで撮影しています。 左画像はスタックのみです。右画像はRegistax6でウエーブレット、PhotoshopCSで輝度、彩度アップなど画像処理した物です。 シーイングがかなり悪いので(2~3/10)、解像度の参考にはならないかと思いますが、そこそこ写っているのがわかります。 月面観測について広島の佐藤先生から、ALPOのLuna Jarnalや小森長生先生の惑星地質学の本が送られてきた。安達がそれらについて紹介した。 (1) ALPOの取り組み今までに月面の異常現象が観測された例は、非常にたくさんあるが、それらを整理し、怪しいものをチェックし、精査の必要のあるものをピックアップした。そこで、それらの観測されたときと同じ月面余経度の日を選び、同時観測をする試みが行われている。会員ではなくても参加できるので、興味のある人は、参加を薦めたい。 (2) 書籍「惑星地質学」小森長生著
月面のクレーターについて、単純な隕石衝突説で成因を考えるのは大きな間違いで、もっと深く考えるべきである。隕石衝突で説明できない部分がたくさんあり、もっと精査していかなければならないことが書かれている。例えば、コペルニクスはインパクトではない。など。 木星会議について
事務連絡(1) 会費受領風本さん 2014年まで受領(5年分5000円)(2) 今後の例会予定1月12日(日)4月13日(日) 以上のようになっています。時間の確保をお願いします。 | ||||||||||||||||||||||||||
![]() ![]() |