自己紹介と近況報告
- 永田
- 最近は、系外星雲の超新星捜索をしていて、惑星観測はしていない。昨年から本格的に活動を始めた。しかし、天候が大荒れになり積雪は20cmや50cmとなり、観測は思うようには進んでいない。
- 岩永
- 学校の課題に追われているので、星は見ていないが、惑星のことを学びたいので、こんかいも来た。
- 畑中
- 望遠鏡の調整にいろいろ工夫している。最近はセカンダリーを思い切って5mmも動かしてみたら、内外像がやっと対象になった。とたんによく見えるようになった。撮像すると、エッジ・コントラストともに良くなった。また、新しいカメラも買ったが。なかなかうまくいかず、前のカメラと併用しながらの観測をしている。ガンマをうまく調整するといいことが判った。ファイアキャプチャのことを知りたい。
- 坂本
- 観測はほとんどしていない。生徒が見るときに一緒に見ている。生徒がしている太陽の論文はまとめることができた。惑星のことをもっと学びたい。
- 佐藤
- 観測したいが、平日は仕事があってできない。土曜日や日曜日に観望している。昨年の末は明け方にアイソン彗星を観測していた。今日は子どもの頃すんでいた岐阜高山での中学生のときの木星観測を発表した記録を持ってきたので、あとで見てもらいたい。
- 安達
- 昨年の末から自宅の自作ドームの付け替え工事が決定し、それに伴う、現ドームの解体工事をしている。思いのほか大変な工事となり、年末から年始にかけてほとんどの時間がそれに当てなければならなくなった。(写真紹介)観測活動は、その間ストップしているが、今のところ1月14日に納入されるはずなので、それが済んだら活動を開始したい。
- 高校生4人の自己紹介
- 学校で、18cmを使ってメタンバンドで撮像したものを持ってきたので、あとからいろいろ教えてほしいとの紹介があった。
- 堀内
- 3月で仕事をリタイヤします。(65になるため)これからは、仕事を気にせずにやりたいが、体力・筋力共に落ちてきた。健康に外が出ない程度にがんばりたいと思う。今は木星を撮っているが、火星は前回に引き続き2シーズン目となるのでいいものを撮りたいと思っている。
遅れてこられた3名の方に、近況報告をしていただく時間が取れませんでした。ごめんなさい。
木星の近況
(1) GRSについて
- @GRSの基礎学習
- 中心から外に向かって広がる渦で、周囲のものを巻き込んで大きな影響を与えていることを、探査機の動画を見ながら確認した。
- A経度変化と最近のトピック
- 10月から11月にかけて、形の変化はないものの、GRSの南方に赤いにじみが見られた。
(2) SEBの謎の明部
SEBの中にある明部はGRSの前方に到達したが、そこでストップしたように見える。もともとの形状がはっきりしないので、変化の様子が良くわからない。
(3) SSTBの内部に白斑の出現
SSTBのWS−A3とA4に間に明瞭な白斑が見えてきた。このWSは昔永続白斑が3つあったときの姿をほうふつとさせてくれるものであり、懐かしい姿だった。11月17日くらいに、明部としてでき、その後次第に形がはっきりしてきた。また、メタンバンドでも明るく写り、前後の白斑と同じようになってきた。A3とA4は反時計回りだから、この白斑は時計回りだと思われる。前後の白斑と逆周りなのに、なぜメタンバンドで明るくなるのか良くわからない。
(4) SSTBとNNTBのバージの変化
12月9日ごろ、かなり顕著になった。SSTBのバージのほうが速く、南北対象に位置にまで追いついてきた。南北対象に同じようなものがあって興味深い。
(5) WSZについて
12月7日のペリエさんの画像で、2012年と2013年の写り方の違いを比較したものが報告されてきた。大変参考になる報告だった。WSZは合体を繰り返しながら、とうとう赤みを持つように成長してきた。メタンバンドでも明るくなり顕著な姿である。
安達はこのWSZがGRSになるかも・・と勝手に思い始めている。南北の磁気反転があるように。GRSは、最近『根無し草』のように流れ始め、表面に流れ始めている。内部に変化が起こっている可能性もあり、全くの夢話だと思えなくなってきた。
(6) STBとSSTB付近の変化から
STBからSSTBの付近の変化を調べてみた。BA後方の暗部の後端(グラフで黒色の線)は比較的リニアに推移しているが、BA(左側のオレンジ色の線)はかなり前後の動きが激しくなっている。SSTBの白斑が通過するときに、何らかの影響を受けているらしい。傾向としては、白斑がBAに近づくとBAの前進が遅れていく傾向が見られている。
SSTBの各白斑の動きには大きな変化はないようだ。
(7) ドリフトチャートの簡単な作り方の紹介
右のドリフトチャートはイタリアのMarco Vedovatoさんが、10日おきに私たちに報告してくれている展開図から作成した。
展開図を切り取って、オートシェイプを使えば、右のドリフトチャートは20分くらいで作ることができる。木星面の様子をすばやく知るためには、非常に有効な手段になりうることがわかった。例会のときに作り方を紹介したが、ぜひ、こういった方法をとりながら、木星面の様子を把握してほしい。また、支部の中でこれをやってみようという人が出てくれることを期待したい。
高校生の発表
惑星の観測ということで、木星のメタンバンド画像を使って研究する方法を発表した。18cmの望遠鏡でメタンバンドを撮像するので、大きな画像は得られないが、測定できる範囲の画像は撮れていた。撮像したものはfitsで保存し、ウェイブレットをかけ、画像解析ソフト「マカリ」で輝度を測定するという方法をとるところまで行っていた。
この方法で何がわかるのかということについて、参加者で話し合った。SEBやNEBの輝度変化を狙いたいということだが、経度によって違ってくるので、測定したものをそのままは使えない。
そこで、時間をずらして撮像し、変化をつかもうとしている。ここまではいいのだが、ここから先に進むためには木星の周辺減光やノーマルな姿の木星の輝度分布などいろいろ考えなければならないことが指摘された。が、残念ながらはっきりとした道筋を示すことができなかった。
できれば、木星会議に来て、わかる人に尋ねるなど、いろいろ考えていけばどうかということになった。
佐藤さんからの紹介
1984年と1985年の木星観測(スケッチ観測)を中学生のときにしていた。夏休みの自由研究ということで、夏休み明けに提出し、科学コンクールで賞を頂いた。望遠鏡はビクセンの15cm反射と自分でみがいた鏡の10cmを使っての観測。
大赤斑や当時3つあった永続白斑の観測に焦点をあてて、中学生なりにまとめたものの紹介だった。当時は天文といえば観測関係の本は少なく、自分の分かる範囲で観測からまとめていたことが紹介された。永続白斑は、うっかりすると見逃すようなときも良くあったが、それに焦点を当てた観測ということで、一同感心して見させていただいた。
折りしも高校生が参加されているので、少なからず刺激になったのではないかと思う。
オーロラを見てきました(熊森)
昨年末にアラスカのフェアバンクスに、ご夫婦でオーロラを見に行ってきたことが報告されました。関西空港からのツアーで行ったけれど、みんな日本人で、英語の心配もなく気楽にいけたとの事だった。
オーロラはキャノンのイオスキッスX2を使い、画像をムービーにしたもので、きれいな映像に、参加者は息を呑んで、その場の様子を鑑賞しました。
今年の6月21日・22日の木星会議では、大阪大学の佐々木先生に特別後援をお願いしていますが、そのときに木星のオーロラの話も出てくるかも知れず、土星や木星のオーロラについての話も会話の中で出てきました。
現地は寒いときはー30℃になったとか、バッテリーの保温のために、保冷材を使うことによって、思い切り寒いところでは保温材になる(逆思考ですね)ことを突き止め、それを活用したことの報告もありました。
本年の木星会議について
6月21日・22日に行う、木星会議のアウトラインが決まりました。特別講演の内容についての説明が届き次第、正式なビラをお送りします。
全日の会費は一般の人は1000円、学生は500円
2日目だけの場合は全員500円とします。
懇親会は、お酒を飲む人は4000円 学生は2000円の予定です。
懇親会の2次会は近くの居酒屋です。(予約完了)1人2000円までで納まると思います。
宿泊は、大阪梅田駅方向に10分ほどもどった「十三」(じゅうそう)駅近くで探します。斡旋はできませんが、ここならというところを早めにアナウンスしますので、そこにすると、みんなで行動しやすくなるかなと思います。
火星の観測から
(1) 報告画像から
視直径が5秒を越えてきて、だんだん模様も見やすい時期に入って来ました。良い画像も集まり始めています。最初に、極冠の基礎学習を高校生用にしました。極冠は温度が低く、この場所から冷気が赤道方向に流れてくることが多く、この時期、極冠の周囲には、風による小規模な砂嵐や白雲が良く出ているが、そういったものが、報告画像にもよく見られるようになってきた。
極冠に露出の合った画像には、北極冠の内部が非常に良くわかるものがある。表面の模様に露出を合わせると、極冠のディティールが飛んでしまうので、いろいろな画像がほしい。また、カラー画像もいいが、赤・緑・青の画像。さらには紫外域の4枚の画像が本当はほしいことを説明した。
また、一枚きりの画像だと、細部についての写り方の違うものがよくできるので、複数の画像のあるほうが確実にその様子がとらえられるので安全であることも説明した。
火星面は、山岳雲が目立つようになってきている。(画像参照11月18日B.マクドナルド)視直径は小さくても山岳雲のはっきり出ているものが報告されてきている。
(2) MROの画像から
MROの画像をチェックすると、北極冠から冷気の噴き出している様子がいくつも見つかる。それらの多くは同じ経度で起こることが多い。地形とのかかわりが深いと考えられる。多くは2日間程度で北半球に拡散することがわかった。拡散すると、火星画像のエッジが黄色く写るようになることも確認できた。
事務連絡
(1) 会費受領
2014年の会費を頂きました。 堀内・佐藤・畑中・熊森・永田・坂本・奥田・安達
郵便振替で 野々口
(2) 今後の例会予定
4月例会 4月13日(日)午後1時から
木星会議 6月21日〜22日
7月例会 7月20日(日)
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