月惑星研究会関西支部例会・支部通信 No.782014年04月13日 |
---|
今回は、木星会議直前ということで、大阪大学天文同好会から2名の担当者に来ていただきました。例会の開始前1時間くらい、打ち合わせを持ちました。細部について詰めを行いました。
|
自己紹介と近況報告
木星の近況(安達)(1) 最近の特徴的な木星面GoさんのGRSの写っている画像をもとに、最近の木星面について、学生の人にわかるように簡単な説明を行った。木星面の名称についての解説を行い、木星会議の時には、学生のひとには解説のプリントを、持って帰ってもらうことを説明した。 (2) 大赤斑について動きが、気流に流され始め、その傾向は今も止まらず、大赤斑に重大な変化が起こる可能性がある。プロの人も注目しており、例会の前日にイギリスのロジャースの方から入ってきたGRSの地上支援観測依頼の情報を、確認した。世界中で観測すれば、ほぼ24時間の観測ができ、HSTで撮影できない時間を補完できることになる。4月26日までの期間中、日本からGRSが見られる時間を三品さんがMLにアップしてくださったので、それを参考に、取り組んでいただけるとありがたい。 (3) 大赤斑のにじみここのところGRSを撮影すると、GRSの南側にオレンジ色のはみ出しが見られる。GRSは渦であるが、外に広がっていく性質を持つ渦なので、オレンジ色が外側に広がっているのかと思えたが、いくつものよい画像をチェックすると、そういう傾向はなく、単なる画像処理の問題のようで、実際に起こっている現象ではないようだ。 (4) STBの暗斑群のGRSとの遭遇
GRSの後方に当たるSTBnにはたくさんの暗斑が並んでおり、次々にGRSに到達している。到達した暗斑はGRSの渦に巻き込まれ、GRSを周回するものや、STrZの方に前進するものなど、面白い変化を見せている。微妙な緯度の変化によって振る舞いが違っているようだ。 (5) SEBの謎の明部
昨年の11月ごろ、この明部はGRS Hollowに到達した。その後、GRS Hollowに巻き込まれていくのかと思われたが、期待に反し、GRS Hollowに跳ね返され、再び前進に移り、GRSから離れていった。 (白線は明部の前端を示している。) (6) SSTBの白斑
現在10個見られており、それぞれ大きな変化なく、順調に前進している。 中央の青い線(LRS)によって分断されたバージ 右の青い線が、マージした白斑。 火星の二重リム その傾向と対策(熊森)
安達が火星のことを語るとき、火星のリムが二重になって、大切な情報が出てこないということをよく指摘するので、対策を考えてみた。 ウェッジプリズム(佐藤)
1度の傾きのプリズムを2枚組み合わせ、0度から2度まで対応できるものを試作。使いやすいようだったら、販売にのせる方向で検討しているとのことだ。今回は、柚木さんがモニターになって使ってみるということになった。プリズムは2枚とも360度回転できるように工夫されており、すっきりした外観と、使いやすさが、参加者の目を引いた。次の例会で、柚木さんからの報告が期待できる。
火星の近況(安達)(1) 北極冠の変化北極冠の大きさは、それを取り巻くリング状の模様の内側に「永久北極冠」として見られるようになった。最近は優秀な画像が多く、探査機でおなじみの北極冠がうかがい知れるようになっている。画像には、リングの外側に取り残された部分が写り、クレーターの内部だけが白くなって写っているものがよく見られている。肉眼では、気流の条件が良くないと見えないが、過去の画像と比べると、いつも決まったものになるようで、NASAのシミュレーションでも、その様子が再現されている。 (2) クリセ・クサンテ方面のダスト
2月3日のJohn Sussenbach氏の画像には、クリセ・クサンテが黄色く明るい姿が記録されていた。小規模なダストストームが発生したらしく、この地域がリムにある時も、黄色く写っているのが確認された。MROで見ると、2月1日か2日に発生したらしい様子が記録されていた。 (3) ヘラスの変化
今年になって、ヘラスが白く明るくなっているが、自転によってどのように変化するかをまとめてみた。
ここに示した画像は4月に入ってから1週間以内のものを並べている。ヘラスは夜明け前から白雲の広がった様子がわかり、正午ごろから急に明るくなってくる様子がよくわかる。 火星の資料
三品さんが本部の例会で発表された資料(プレゼン)が。安達のところにも送られてきたので、それを開けて安達が保管していました。 事務連絡(1) 会費受領
会費 振り替えでいただきました。 (2) 今後の例会予定
7月20日(日) |
|