自己紹介と近況報告
- 岡本
- 3年前に結婚し、マンション暮らしになった。ベランダでの観測は、いろいろ都合があってやりにくく、観測はできていない。将来は家を持ち、観測できるようになりたい。ベランダではないところで火星を見たいと思っている。
- 安達
- ドームを新調してから、観測の意欲が出てきて、火星の観測を頑張っている。と言っても本業が始まると時間が取れなくなってくるので、今のうちに・・と思っている。残念なことに気流は思ったほどよくなく、細部の見られるような気流には当たっていない。木星会議の準備にも時間がかかっている。
- 畑中
- ほとんどの行程を高速道路で通ってくることができるようになって、例会に参加するのが楽になってきた。観測は行っているが、結局は気流次第だと思うようになった。仕事があと1年で定年退職となった。でも、まだ働かないといけないなと思っている。
- 福永
- 3回生で、工学部情報工学科で勉強している。昨年の天文同好会の会長をしていた関係で、今回の木星会議の世話人となった。主に星景写真を撮っている。3回生になり時間が取れるので、自分のしたいことをやっていきたいと思っている。
- 森
- 3回生で理学部化学科で勉強している。同好会ではたまに太陽を観測している。たまに惑星も見ている。
- 佐藤
- 2年くらい前から例会にきている。最近は部屋から惑星を見るような状況になっているが、機材の方は好きで、今回はウェッジプリズムの試作品を持ってきた。落ち着いたら観測も頑張っていきたい。
- 柚木
- 温泉に行ったら体調が悪くなり、またしても入院し、ステント4本目を挿入した。病院に行ったら即入院、即手術となった。(気を付けてくれなくちゃ!!:by A)
ノートPCとカメラの相性が悪く、ノートPCを買いなおしたところ動くようになったが、ソフトが使いにくかった。ICキャプチャーは使いやすい。
- 薄出
- 自宅望遠鏡を改造した。不動点高1050mmのニュートン用の架台にSCを載せた。ブロックを積んで40p高くしたがそれでも、天頂にくると床に這いつくばって覗くことになって苦労している。SCの副鏡が動くので、サポーターを入れて固定したため、像に十字線が出るようになった。
- 熊森
- 再任用5年目に入り、とうとう1年足らずで無職になることになった。C11に替えて年が過ぎた。望遠鏡を大きくしたい。今日は、昨年のベスト木星をプリントして持ってきた。最近はよいシーイングに当たらないため、力が発揮できない状態だ。
木星の近況(安達)
(1) 最近の特徴的な木星面
GoさんのGRSの写っている画像をもとに、最近の木星面について、学生の人にわかるように簡単な説明を行った。木星面の名称についての解説を行い、木星会議の時には、学生のひとには解説のプリントを、持って帰ってもらうことを説明した。
(2) 大赤斑について
動きが、気流に流され始め、その傾向は今も止まらず、大赤斑に重大な変化が起こる可能性がある。プロの人も注目しており、例会の前日にイギリスのロジャースの方から入ってきたGRSの地上支援観測依頼の情報を、確認した。世界中で観測すれば、ほぼ24時間の観測ができ、HSTで撮影できない時間を補完できることになる。4月26日までの期間中、日本からGRSが見られる時間を三品さんがMLにアップしてくださったので、それを参考に、取り組んでいただけるとありがたい。
(3) 大赤斑のにじみ
ここのところGRSを撮影すると、GRSの南側にオレンジ色のはみ出しが見られる。GRSは渦であるが、外に広がっていく性質を持つ渦なので、オレンジ色が外側に広がっているのかと思えたが、いくつものよい画像をチェックすると、そういう傾向はなく、単なる画像処理の問題のようで、実際に起こっている現象ではないようだ。
(4) STBの暗斑群のGRSとの遭遇
GRSの後方に当たるSTBnにはたくさんの暗斑が並んでおり、次々にGRSに到達している。到達した暗斑はGRSの渦に巻き込まれ、GRSを周回するものや、STrZの方に前進するものなど、面白い変化を見せている。微妙な緯度の変化によって振る舞いが違っているようだ。
カッシーニのGRSの動画に、暗斑がGRSの渦に食いつぶされていく様子が記録されているので、それを全員で鑑賞した。図らずも、これと同じ映像がいくつも記録されており、どのような現象かが確認できた。
(5) SEBの謎の明部
昨年の11月ごろ、この明部はGRS Hollowに到達した。その後、GRS Hollowに巻き込まれていくのかと思われたが、期待に反し、GRS Hollowに跳ね返され、再び前進に移り、GRSから離れていった。
この明部は、上にSEBのベルトが常に横切っているところから、表面よりも下の高度に位置する明部であることが、形態的にはっきりしている。

(白線は明部の前端を示している。)
(6) SSTBの白斑
現在10個見られており、それぞれ大きな変化なく、順調に前進している。
A7とA8の間のSSTBnにバージがあるが、これが、A7に接近すると跳ね返され、A8に接近すると跳ね返される現象が見られている。
緯度が少し違っているが、お互いに影響力を及ぼしているようで、WSの間の経度をバージが近づいたり離れたりしている姿が確認できた。

中央の青い線(LRS)によって分断されたバージ 右の青い線が、マージした白斑。
火星の二重リム その傾向と対策(熊森)
安達が火星のことを語るとき、火星のリムが二重になって、大切な情報が出てこないということをよく指摘するので、対策を考えてみた。
そもそも、この二重リムは画像処理によって作られたものではなく、もともとの生データに記録されているものだということを断っておかねばならない。カメラの構造としエッジシャープ効果を取り入れて製造されているため、急に明るくなる画像の端には、このような二重リムが写りこんでいる。処理をしているときのよく観察すると、エッジの際立った部分については二重リム構造が出ているが、周辺減光のある部分についてはエッジ効果が出ていない。そこで、この性質を利用してこの二重リム構造を消すことができないかやってみた。
ディ・ローテーションを使うと、かなり改善されることが分かった。撮影の30分差のあるものを使って処理すると、この二重リム構造はかなり減る。しかし、リムがダストのベールで黄色く輝いているイメージを壊してしまう。
結局、リムにある情報(リム付近の大気の様子)を推察するのには、大切な情報が大幅に減ってしまう、改善画像を使うか、二重リム構造が出ている画像を使うかは、判断が難しいところだ。
<安達のコメント>
二重リムが解消されるのは、自然な画像に近づいているため好感が持てるが、一番ほしいのは陸付近の大気の様子を知ることで、その意味からすると、ディ・ローテーションで補正した画像を使うよりも、二重リムが出ているほうが、情報量が多いということがわかった。
ただ、処理の過程で極端に二重になったものはなるべく避けていただきたい。
ウェッジプリズム(佐藤)
1度の傾きのプリズムを2枚組み合わせ、0度から2度まで対応できるものを試作。使いやすいようだったら、販売にのせる方向で検討しているとのことだ。今回は、柚木さんがモニターになって使ってみるということになった。プリズムは2枚とも360度回転できるように工夫されており、すっきりした外観と、使いやすさが、参加者の目を引いた。次の例会で、柚木さんからの報告が期待できる。
火星の近況(安達)
(1) 北極冠の変化
北極冠の大きさは、それを取り巻くリング状の模様の内側に「永久北極冠」として見られるようになった。最近は優秀な画像が多く、探査機でおなじみの北極冠がうかがい知れるようになっている。画像には、リングの外側に取り残された部分が写り、クレーターの内部だけが白くなって写っているものがよく見られている。肉眼では、気流の条件が良くないと見えないが、過去の画像と比べると、いつも決まったものになるようで、NASAのシミュレーションでも、その様子が再現されている。
(2) クリセ・クサンテ方面のダスト
2月3日のJohn Sussenbach氏の画像には、クリセ・クサンテが黄色く明るい姿が記録されていた。小規模なダストストームが発生したらしく、この地域がリムにある時も、黄色く写っているのが確認された。MROで見ると、2月1日か2日に発生したらしい様子が記録されていた。
暗色模様の姿が変わるほどのものではなかった。
(3) ヘラスの変化
今年になって、ヘラスが白く明るくなっているが、自転によってどのように変化するかをまとめてみた。
ここに示した画像は4月に入ってから1週間以内のものを並べている。ヘラスは夜明け前から白雲の広がった様子がわかり、正午ごろから急に明るくなってくる様子がよくわかる。

火星の資料
三品さんが本部の例会で発表された資料(プレゼン)が。安達のところにも送られてきたので、それを開けて安達が保管していました。
支部例会では、安達が事前に読み解いて解説を行いました。火星のクレーターの生成年代については、月などの他の天体と比較のグラフが付いていてわかりやすく、年代の区分がよくわかりました。また、水・氷・水蒸気の3態については、気圧との関係を示すグラフに関心がありましたが、この部分について(もっとも肝心な部分)が今一つ解読できず、次回までに三品さんに教えてもらいたいと思います。やはり、ご本人に解説してもらわないと・・・(実感)
事務連絡
(1) 会費受領
会費 振り替えでいただきました。
野々口さん 1月8日付
菅野さん 1月25日付
堀井さん 2月4日付
(2) 今後の例会予定
7月20日(日)
10月19日(日)
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