月惑星研究会関西支部例会・支部通信 No.812015年01月18日 |
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新年最初の例会でした。今回は、滋賀県立米原高等学校の生徒たち1年生が7名、顧問の坂本先生と一緒に参加されました。米原高等学校は、地学の坂本先生を指導者に、毎年地学の研究を続けられ、天文に地質に活発な活動をされています。今年は天文に興味を持つ生徒たちもいて、例会に勉強をしたいということで、遠方か参加されました。
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自己紹介と近況報告
木星の近況(安達)(1) GRS付近の変化
10月10日頃、大赤斑の南側にアーチが再び発達、大赤斑前方に流れ出して、南熱帯(STrZ)に暗部を形成した。 (2) BA
9月下旬、BAは大赤斑の南を通過した。BAの後方の大赤斑の南側のSTBと南南温帯縞(SSTB)が一体となって、幅広いベルトを形成している。本当のSTBは20〜30°だと思われるが、STBnの色調が赤っぽく、今までのSTBと違った色調になっているのが気になっている。12月12日の観測画像によれば、この色調の違った部分がSTBnかどうか、怪しいように思ったが、12月30日の観測では、STBの姿に戻っていった。 (3) SEBの謎の明部
2012年に発生した謎の明部(すだれ模様状の明部)は、分かりにくくなってきたものの、まだ存在している。位置もほとんど変わらない。135°〜165°にある。が10月下旬からだんだん衰退してきている。
(4) SEBは淡化してきたか?年末からSEBの北半分が淡くなってきている。長さ60°位の広がりで、SEBの北半分が淡化してきた。今後の展開に注目したい。 土星の近況(佐藤さん)
オーストラリアのトレバー・バリーさんの観測を使ってまとめをPDFで送っていただいたものを映して解説していただいた。 地球の低気圧と宇宙からの見え方
安達が地球の低気圧や高気圧について調べた結果、火星の様子と関連づくことをまとめてみた。 いずれも地表近くの水蒸気が上空に上昇することによって雲になるわけだが、この雲になる過程では熱を出し、周囲の空気をあたためることになる。下からの上昇気流の先端部は、宇宙から見ると白斑になり、温度は高くなる。大赤斑が台風と呼ばれることもこれでうなずける。上昇してきた空気は、その上昇気流の周囲で下降気流になることがよくあり、地球では雷雲や寒冷前線通過時に起こるダウンバースト現象となる。白斑の周りが黒っぽくなることは、これで説明できそうだ。 前線は、北半球の場合温度の低い空気が北側から南下し、暖かい空気の下の方から侵入する。コリオリの力の影響を受け、時計と反対周りの渦となる。空気の境目では、盛んに雲が作られることになる。この現象は、火星の極冠の周りでも起こっており、火星のMGSやMROの画像を点検すると、これと思しき模様がよく見つかる。詳しく精査すれば温帯低気圧を見つけることができるのではないかと思う。 地球と比べれば短命だが。 火星の近況10月18日付近に起こったダストストームから
10月17日ごろ、ヘラス付近にダストストームが発生した。もっとも明るくなったころは、ヘラスの形がはっきりしなくなるという状況になった。また、時を同じくしてイシディス付近にも明るいダストストームが発生した。
この影響は月末まで続き、10月28日には火星画像のリムが黄色く観測された。今回、イシディスのダストストームが、MROにはっきり写ったことにより、ダストストームの移動速度の概算を試みた。その結果、時速62qという値を得ることができた。2014年5月14日にフランスのC.ペリエ氏がアキダリウム北方で記録した高速のダストストームは時速130〜140qになってことから見ると、その半分近くになる。極付近の周回気流(ジェット?)によって流される気流と、緯線方向に移動するダストストームには大きな移動速度の違いがあることが分かる。 事務連絡会費をいただきました。
2015年分 (敬称略) 次回例会予定
4月例会 4月19日(日) 山科アスニーにて |
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