自己紹介と近況報告
- 堀内
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今回は、安達さんに言われて天文台の様子をプレゼンに作ってきた。自宅にニッシンドーム(3m)を設置し、その中に30cmF6のニュートンを置いている。主に月惑星を撮っている。自宅からの空の様子を紹介された。最近、ZOWのカメラに替えた。まだ使いこなせていない。
- 熊森
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仕事はあと1年延長してできることになった。今日は、天文ガイドで最優秀賞をいただいた時の話をする。
- 堀井
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堀井さんも、自宅の望遠鏡の写真や設置状況を映した画像、望遠鏡で撮った木星動画を持ってこられ、それを映しながら解説をしていただいた。微動付きの32pドブソニアンで、ベランダに置いている。振動が激しいので、気を遣って撮影している。望遠鏡は、防水シートをかけてそのまま置いている。ASYのカメラを取り付けて撮影している。
- 安達
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春休みになって、仕事の合間に木星観測に力を入れてきたが、最近になって天気が悪くなり、止まってしまった。10日ほど前から今日の例会のための資料つくりに必死になっていたが、何とか間に合った。
先月花山天文台の45cmで木星の観測をした。気流が良かったのに、BAがはっきりしなかった。青色の分散が激しく、青い模様のコントラストが著しく落ちて、淡い青色の模様は形をはっきりつかめなかった。木星観測には向いていないようだ。
- 畑中
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今日はここに来る前に林さんのお宅にお邪魔してきた。林さんは歩くことが不自由なものの元気にされていたと報告されていた。
退職後、現在は自然の家で仕事をしており、職場の40pカセグレインを使うことができるようになって、自宅と気流の違いを調べている。山に近いのにどうも自宅よりも気流がよさそうだ。最近、天気図とジェット気流の位置でシーイングがどうなるかを調べている。気流の流れの激しい部分が来たら、案の定ひどくなっている。
- 坂本
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今の職場で11年目になった。望遠鏡で苦労が続いている。メインの30pカセグレインは像が悪いので、サブスコープの15p屈折で撮っている。アクロマートで、単色撮影をしている。生徒たちの発表に向けて、いろいろ取り組んでいるが、発表会のある8月1日をめざして撮り組んでいる。
高校生からの観測報告
15cm屈折で撮影した木星像が提示された。RGBの画像であるが、青画像はアクロマートの
せいで、やや甘い増になっていた。撮影された画像を見ながら、参加者からアドバイスを受けた。
撮像した画像が小さいので、まずは大きく撮ることと、ピントをもっと正確に合わせるようにとア
ドバイスが飛んだ。
動画も持ってきていたので、熊森さんがレジスタックスで画像処理の実演をされた。高校生が処
理したものよりもよくなり、模様かと思われたEZnの模様が実は衛星の影であったことが処理を
する過程ではっきり出てきて、高校生たちは感動していた。「もうずいぶんレジスタックスは使って
いない。」とは言っておられましたが、さすがでした。
それにしても、高校生のPCの操作はすごかったです。安達のPCをまるで自分のPCのように、
サクサク動かして、いろいろ映し出すところなど、時代のちがいを感じました。脱帽。
木星の近況(安達)
(1) 大赤斑周辺の様子
大赤斑は、2月までは、SEBsの循環気流が取り巻いており、GRSから前方にdark streak
が長く伸びていた。今までの観測では、この循環気流が強い時は、大赤斑の濃さは淡くなるこ
とが多いが、昨年以来、こういった場合でも大赤斑の濃い状態が続いている。
2月に入り、この循環気流は淡くなって、SEBsにのって流れてきた暗い部分は、大赤斑
後方へと流れていくようになった。3月にはこの循環気流は、ほとんど消失状態になった。

3月9日の様子 Dark Streakはほとんど見られなくなった。By Marco Vedovato
(2) 大赤斑の様子
大赤斑は223°付近に停滞するようになって、今までの様子と変化してきた。ここしばらく、動きがあるかないかに注目したい。色調はオレンジ色が濃くなっているが、3月20日ごろに黒ずんだ姿を安達が観測した。この時、GRSと後方のSEBとの間は薄暗くなっていた。
この4月までの間に、Tiziano Olivetti氏やDamian Peach氏がGRSの詳細な画像を得られた。
それによれば、GRSの周縁部が渦状になっている様子を記録している。この渦の部分が大赤斑の前方にくるときに、GRSとSEBの間が薄暗くなっている様子が見られた。
(3) SEBの明化
明化は10月に大赤斑前方から始まったが、とうとう全周に波及した。大赤斑後方で通常見られるSEBnの濃く厚い北組織(SEBn)は、現在は見えない。SEBnのベルトさえ、見るのに難しい時がある。全体的は層になった構造で、目立った変化のない姿になった。
3月5日にGoさんの画像では、GRSのすぐ後方のSEBsに灰色のWSが見えた。その後、ゆっくりと後退していった。今までのあぶく状のWSとは色が違い、珍しい姿だった。いつごろからできたのかと、さかのぼると、2月26日にSEBの南側に明るいstreakがあって、それが一気にSEBsにWSを形成したように見える。28日には明瞭に出来上がっていた。
(4) NEBの急激な変化
かく乱現象かと思うほど、模様が乱れた。この現象は3月13日の1=50°付近から始まった。
明るいWSがriftの中にできたことが最初の引き金のように見える。その後、左の画像のように、NEBは大きくかき乱され、非常に複雑な模様を見せるようになった。
一見すると、NEBの北と南に挟まれた明るいゾーンができているように見えることもある。
(5) 模様の移動から
木星面の各模様の運動については、下記のように追跡しているが、特別目立った変化は見られなかった。

SEBの様子

SSTBの様子
(6) 気になる木星画像
今回報告されてきた画像の中から、気になるものをいくつかピックアップして紹介しました。
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- ◎2月25日ダミアンのイオの鮮明な画像。火山活動があれば確実に写りそう。
- ◎2月26日にはGRSの詳細な様子を写した画像が送られてきた。
- ◎1月17日にIRで横向きのハート形のGRS。
- ◎1月23日のSEBの北半分の画像。層状の構造が明瞭。
- ◎3月27日〜30日のGR後方かく乱地域の複雑な形状。
- ◎1月24日BAの渦巻き流の画像
- ◎2月12日など、衛星食の画像
- ◎4月10日にNEBnのWSの連鎖
火星の近況
火星の観測は事実上終了している。しかし、私たちのHPには報告はないが、南アフリカの方では観測を続けている方がおられ、ダストストームを見つけられたというMLが流れた。そこで、これを契機に、安達が1月から4月までのMROの毎日の画像をチェックしてみた。
問題のダストストームはMROの画像に鮮明にとらえられていた。
左の画像を見ると、2005年に起こったダストストームの姿を彷彿とさせる。この年は、ダストストームの発達する様子を、伊賀さんが動画に編集されているので、それを見ていただけるといいのだが、たいへんよく似ている。
2005年のダストストームはLs=308°だった。今回の現象はLs=317°で、どちらも非常に近い値を示している。ダストストームの発生は、240°〜300°位が多いのだが、今回の発生時期はかなり遅いほうになっている。北の方から南に移動するという様子も、ほぼ同じになっていた。
この精査をしているときに面白い現象に気が付いた。
2月から3月にかけて、プロポンティスに寒気の流入が見られた。全部で8回あったが、8回とも全く同じ場所で起こっている。規模もほとんど同じものが多く、大変不可思議だ。上図の赤い線の位置に吹き出しているが、北極冠にある大きな谷とは方向が一致しない。ほとんど同じ位置で発生するということは、地形的な影響を受けているとしか思えないが、目立った大きな地形の変化はなく、よくわからなかった。次回の例会までに、もう少し調べてみたい。
熊森さんからの報告
天文ガイドの最優秀賞をとられた木星画像についての解説をしていただいた。
8分間の画像を1枚にしたものだそうで、1枚にするのにWin Juposのディ・ローテーションを使って補正したそうだ。模様の撮像時間の中央時刻に集めて1画像にしたもの。これは位置合わせをしてくれるもので、模様のゆがみはない。1週間くらい処理を重ねて出したもので、オリジナルプリントが回覧された。
シーイング次第ではある。シーイングと風向風力は、高度3000m位までの風がシーイングに影響しているのではないかと思う。最近windyty.comの画像をよく見ている。
土星の近況
ここ1年間の木星の画像を比べてみた。カラーでもIRでも、極付近に大きな違いがあった。
また、IRでも大きく模様の変化が見られる。
これらの画像を比べると、非常に違うことが見て取れる。極付近の大きな違が、どのような経過で起こったのかを追跡する必要がある。しかし、安達一人では手が回らない。関心のある方は是非調べてみていただきたい。
事務連絡
会費受領
振替で受領しました。 2015年分 菅野清一さん 野々口猛浩さん
次回例会予定
7月例会 7月26日(日) 午後1時から
10月例会 11月8日(日) 午後1時から
11月になっていますので、気を付けてください。10月は取れませんでした。また、会場はいつもの第1研修室ではなく、第2研修室となっていますご注意ください。
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